ハーネルMP28短機関銃
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/26 15:59 UTC 版)
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製造はハーネル社が担当した。本格的な生産が始まる前の1920年から1928年にかけて、シュマイザーは一連の改良に関する複数の特許の取得を行った[5]。また、1925年にはヴァイマル共和国軍による非合法な試験を受けている[6]。
ドイツ軍による制式採用は行われなかったが、第二次世界大戦勃発後、軍部とは別に独自の装備調達を行っていた警察や親衛隊(SS)において、短機関銃の需要を満たすべく調達が図られた[5]。
グランチャコを巡るボリビアとパラグアイの領土問題に起因するチャコ戦争(1932年 - 1935年)では、短機関銃が広く使われた。MP28はボリビア軍とパラグアイ軍の双方が配備していた[7]。そのほか、スペイン内戦(1936年 - 1939年)でも多用された[8]。
販売実績の大部分は、ドイツ国内での販売ではなく外国への輸出が占めていた。そのため、標準的な9mmパラベラム弾仕様のほか、様々な口径のモデルが設計された[5]。例えば、7.63x25mm弾、7.65x21mm弾、9x23mm弾、9x25mm弾、.45ACP弾などのモデルが存在した。ライセンスを購入し大量生産を行ったベルギーのピーパー社(Pieper)製のモデルも含め、南アフリカと南アメリカの一部の国、中国、日本、スペインなどが購入した[8]。
ベルギーでは、M1934短機関銃(Mitrailette Modele 1934)として9x19mm仕様のモデルを採用していた[8]。
イギリスでは、1940年代にMP28をコピーしたランチェスター短機関銃が設計された。早急な調達が求められていたため、セレクターの位置や着剣装置などの細部を除き、MP28の設計の大部分を踏襲していた[9]。
スペインでは、M1929短機関銃(Subametralladora Modelo 1929)として、9x23mmラルゴ弾仕様のMP28のコピー銃を採用した。ランチェスター短機関銃と同様、マガジンハウジングは加工が容易な真鍮鋳造に改められていたほか、弾倉はMP28と互換性がなかった。オレンジを意味するナランヘロ(Naranjero)の通称でも呼ばれた[10]。
注釈
出典
- ^ “Bergmann MP18,I”. Historical Firearms. 2022年5月22日閲覧。
- ^ a b c “A Police SMG Upgrade: the MP-18 System Schmeisser”. Forgotten Weapons. 2022年5月30日閲覧。
- ^ “SIG 1920 1930”. Modern Firearms. 2022年5月30日閲覧。
- ^ “Schmeisser’s MP-18,I – The First True Submachine Gun”. Forgotten Weapons. 2022年5月30日閲覧。
- ^ a b c d e “MP-28: Hugo Schmeisser Improves the MP18”. Forgotten Weapons. 2022年6月1日閲覧。
- ^ a b Frank Iannamico. “The M.P. 18,I: The First German Maschinepistole”. Smallarmsreview.com. 2022年5月22日閲覧。
- ^ Scarlata, Paul (May 2014). “La Guerra del Chaco: fighting in El Infierno Verde: Part 2: tanks, airplanes, submachine guns: all played a role in this bloody conflict over some of the world's most godforsaken real estate”. Shotgun News .
- ^ a b c “MP.28,II Schmeisser”. Modern Firearms. 2022年6月1日閲覧。
- ^ “The British Lanchester Machine Carbine”. SmallArmsReview.com. 2022年6月1日閲覧。
- ^ “Subametralladora Modelo 1929”. Historical Firearms. 2022年6月1日閲覧。
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