ソード・ワールド2.0リプレイ from USA ソード・ワールド2.0リプレイ from USAの概要

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > ソード・ワールド2.0リプレイ from USAの解説 > ソード・ワールド2.0リプレイ from USAの概要 

ソード・ワールド2.0リプレイ from USA

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/19 08:57 UTC 版)

概要

表題の通り、アメリカ合衆国 (USA) 出身のベーテ・有理・黒崎をGMに据え、彼の視点から見た異文化としての日本のTRPGの描写を交えた作品。ベーテによれば、TRPG発祥の地であるアメリカにはそもそもリプレイという文化は存在せず、インドア系の趣味を持つ子供はごく自然に周囲の年長者からTRPGを教わるという。元来は派生ジャンルであるコンピュータRPGのほうが先行して広く定着した日本において、TRPGを紹介するための読み物として発展したのがリプレイである。その影響があるためか日本人プレイヤーは、時に自ら不利な状況に身を置いてまでも仲間と協力して「物語を創る」ことを目指す傾向があるらしく、個々人の利益を追求するアメリカ式プレイに慣れていたベーテが新鮮な驚きを覚える様子が1巻で描かれている。

上記のように本作ではGMの個性を強く打ち出しているため、ベーテ自身のイラストが全巻で表紙に描かれており、本文挿絵にも時折登場している。また、各巻に双葉ますみの4コマ漫画が何話か挿入されており、GMとプレイヤーキャラクター (PC) たちの掛け合いがディフォルメされて描かれている。

本編の前日談として、『ドラゴンマガジン』2011年1 - 5月号に全3話で外伝「蛮域脱出 -デルフラムエスケープ-」が掲載された。この外伝は加筆修正のうえで第5巻に収録された。

6巻収録のセッション中にパーティ名称を決めようとしたがまとまらず、読者から案を公募することになった。7巻で寄せられた案をいくつか紹介した後、8巻で決定名称「ガッデムガーディアンズ」が劇中でも用いられるようになった。

10巻でいったん物語は完結したが、後日談として11巻が刊行され、「ソード・ワールド2.0」のリプレイとしては『新米女神の勇者たち』に並ぶ長編となった。

舞台

《集いの国リオス》の第2の都市リリオがPCたちの拠点となる。リリオは鉱山運営に携わるドワーフ中心の「山派」、河川交易を取り締まるエルフ中心の「河派」、そしてどちらにも属さない「中庸派」の3勢力によって支配されている。中庸派を統括するのはリリオ評議会議長であるが、それぞれ副議長を務める山派と河派のトップが実質的に権力を握っているに等しい。中庸派の戦力として騎士団が存在するが、警邏隊が箔づけのためにそう名乗っているに過ぎず(議会制の国なのでそもそも騎士という身分がない)、山派・河派の私兵団の戦力を越えることも求められていないため、騎士団員は実直だが凡庸な人物ばかりである。

リオスの首都ラスベートはリリオよりもさらに栄えているが、それだけに抱える闇も深く、陰謀や策略が見えないところでうごめいている。リリオが蛮族軍に包囲されたにもかかわらず、アイヤールへの敵愾心や自己防衛優先主義のせいで援軍を送ろうとしないのもその一端の現れである。

あらすじ

魔剣を持たないドレイクのアンセルムは、悪しき兄ギュスターヴの野望をつぶすため、クリフとともに人族の街リリオを目指していた。旅の途中で冒険者のエリヤ、ウィスト、ミケと知り合った彼らは、そのまま仲間に加わり、自らも冒険者となる。蛮族という出自を抱えつつも、アンセルムは少しずつリリオでの信頼を築いていく。

リリオを狙って暗躍していたギュスターヴ配下の「四札将」はアンセルムたちに打ち破られたが、ついに到来した蛮族軍によって街が包囲される。孤立無援に陥ったリリオを救うには隣国アイヤールからの援軍が必要と判断したアンセルムたちは、政治的な交渉のために首都ラスベートへと向かう。極右勢力の妨害を退けてラスベートの意思をまとめ上げることに一役買った彼らは、さらにアイヤールに乗り込み、援軍派遣の足かせとなっていた蛮族の陰謀をくじく。先遣部隊とともにリリオに帰還した彼らは、ついにギュスターヴとの決戦の時を迎える。

いったん戦場から退いたギュスターヴがリリオに潜入したのを知ったアンセルムらは、蛮族軍の攻城兵器を奪取して街に乗り込み、住民が次々とアンデッドに変えられているのを目撃する。それ以上の凶行を阻止するため追跡に出た一行によってギュスターヴは討たれたが、彼は死の間際に魔剣の力によって街中に塔を出現させ、それと同時にリリオ周辺の死者がアンデッドとなり無差別に暴れ始める。塔内に突入したアンセルムらは、亡者と化したギュスターヴを再び倒し、塔を消し去る。

だがその直後、ラスベートが蛮族とアンデッドの群れによって占拠されたという報が入る。荒れ果てた街に潜入したガッデムガーディアンズは、ギュスターヴの友人だったギルディゴールを討ち、人族反撃の端緒を造る。ラスベート解放後、公の場での表彰を断った彼らは、パーティを解散してそれぞれの道を歩き出した。

その半年後、ガッデムガーディアンズの偽者がリオス北東部に自分たちの国「ガッデムキングダム」を作ると宣言。この事態に再集結したアンセルムたちは、身の証を立てるため偽者たちに戦いを挑む。


  1. ^ トルコの国技ヤールギュレシが発想元。リプレイ中のプレイヤーの発言によれば、「ある格闘ゲームの新作ヤールギュレシの使い手がいて、面白いので(ネタに)使いたいと思っていた」とのこと。


「ソード・ワールド2.0リプレイ from USA」の続きの解説一覧



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ソード・ワールド2.0リプレイ from USA」の関連用語

ソード・ワールド2.0リプレイ from USAのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ソード・ワールド2.0リプレイ from USAのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのソード・ワールド2.0リプレイ from USA (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS