ゴロディシチェ (遺跡) ゴロディシチェ (遺跡)の概要

ゴロディシチェ (遺跡)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/25 08:24 UTC 版)

モスクワ州スタラヤ・カシラ(ru)(16 - 17世紀)

ルーシ(ロシア・ウクライナ・ベラルーシ)の大規模なゴロディシチェは、デティネツ(内城)とそれを囲むオコリヌィー・ゴロド(ru)(直訳:周囲の都市)を、防衛設備内に有している。また、大抵の大規模なゴロディシチェには、防衛設備外にポサード(主に商工業者の居住地)の遺構が接しており、防衛設備外の遺構が、防衛設備内の遺構よりも広大なものもしばしばある。さらに、ゴロディシチェの付近では墓地の跡も原則的に認められる。A.クザ(ru)は、少なくとも2.5ヘクタール(25000㎡)以上のものをゴロディシチェとみなした[6]。一方、二重あるいは三重の土塁と堀を備えたキエフ・ルーシ期のゴロディシチェも存在するが、500から2000m2程度の規模である。また、これらは河川の合流地点や谷間を活用し、高所に位置するのが一般的である。

なお、ゴロディシチェという単語はルーシの年代記(レートピシ)中にも見ることができる。また、ロシア・ウクライナ・ベラルーシの地名としても用いられている[注 2]。遺構のゴロディシチェに対し、日本語文献では都市遺跡[7]、遺跡[8]、城趾[9]などの訳語が当てられている。

脚注

注釈

出典

参考文献


  1. ^ ロシア語で都市はгород:ゴロドと呼ばれるが、元来は囲壁を備えた各種の居住地を指す言葉である[1]。なお、要塞化されていない集落の遺構を指す言葉としてはселище:セリシチェがある。
  2. ^ 具体的にはru:Городище (значения)を参照されたし。また、ベラルーシ語: Гарадзішчаウクライナ語: Городищеとなる。
  1. ^ 栗生沢猛夫 「ロシア中世都市をめぐる若干の問題点―キエフ・ルーシにおける都市の発生とその史的展開について―」、史学雑誌88、1979年。p50
  2. ^ Анучин Д. Н. Городища // Энциклопедический словарь Брокгауза и Ефрона : в 86 т. (82 т. и 4 доп.). — СПб., 1890—1907.
  3. ^ Срезневский, «О городищах в землях славянских» (1848).
  4. ^ Городища // Малый энциклопедический словарь Брокгауза и Ефрона. — 2-е изд., вновь перераб. и значит. доп. Т. 1-2. — СПб., 1907—1909.
  5. ^ Самоквасов, «Древние города России», 1873.
  6. ^ Моргунов Ю. Ю. Ещё раз о «полезной площади» городищ // Земли родной минувшая судьба... К юбилею Андрея Евгеньевича Леонтьева. Москва, 2018. С. 101.
  7. ^ NAUKA JAPAN
  8. ^ 中澤ほか 2018, p. 184.
  9. ^ 中澤ほか 2018, p. 183.


「ゴロディシチェ (遺跡)」の続きの解説一覧



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  ゴロディシチェ (遺跡)のページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ゴロディシチェ (遺跡)」の関連用語

ゴロディシチェ (遺跡)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ゴロディシチェ (遺跡)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのゴロディシチェ (遺跡) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS