クリー語 方言の分類

クリー語

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/16 03:25 UTC 版)

方言の分類

クリー語諸方言は概ね九つに分類される。西から東へ順に以下のような方言がある。

湿原クリー語には音素 š に違いがある東部方言と西部方言がある。西部方言では šs と同一になっている。
ジェームズ湾クリー語には北部方言と南部方言があり、区別する母音の数が異なっている。北部方言では長母音 ēā が統合されているが、南部方言では区別される。ただし、両地域の話者は容易に意思疎通できる。

文法

多くのアメリカ先住民の言語同様、クリー語は抱合語的形態論・統語論を特徴とする。クリー語では、英語ならば数語必要になるものを非常に長い1語で表すことがある。その一方で、クリー語が英語よりも簡潔である場合もある。例えば、平原クリー語で「学校」という単語は ᑭᐢᑭᓄᐦᐊᒫᑐᐏᑲᒥᐠ kiskinohamātowikamik で、これは「知る」-「手で」-使役-「してあげる」-再帰-「場所」という要素からなり、「ともに例を挙げていっしょに知る場所」という意味である。ところが「彼はいつもあんなふうに踊った」を平原クリー語で言うと単に ᑭ ᐃᓯ ᓇᓃᒥᐦᐃᑐᐤ ki-isi-nanīmihitow となる。

書き言葉

クリー語諸方言は、東部ケベックやラブラドールを除き伝統的にカナダ先住民文字の一種であるクリー文字で書かれるが、ローマ字で書かれることもある。最も東の諸方言はローマ字のみで書かれる。

クレオール語

クリー語はカナダ西部にのみ見られるふたつのクレオール語のもとになった言語でもあった。ミチフ語はクリー語とフランス語から生まれた言語で、バンジー語はクリー語とカナダのスコットランド・ゲール語からできた言語である。これらはカナダ西部でメティ族の移住者・定住者により用いられた。ヨーロッパ人との接触後一定の時期まで、クリー語の多くの語がチヌーク語をもとにした交易語でも基礎をなした。







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