ウェットスーツ ダイブスキン

ウェットスーツ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/03 05:56 UTC 版)

ダイブスキン

スキンスーツ、あるいはライトスーツともいう。上記のスキン素材と名称的には類似しているがまったく関係はない (ただし、スキン素材を用いたダイブスキンも存在する)。ラッシュガードに使われているような伸縮性生地からなる製品が多いが、0.5 – 1 mm程度の薄い発泡クロロプレン生地を用いたウェットスーツもこれらの名称で呼ばれることがある。前者は素材の相違からウェットスーツとはいえないが、用途や機能の点で類似しているため本稿に記載する。ウェットスーツと比較すると保温性は低く、主として水温が高い (28ないし30℃以上) 場合のスクーバダイビング、スキンダイビング、スノーケリングなどにおいて、珊瑚、岩などの鋭利物体との接触による外傷、有害生物、および直射日光から皮膚を保護するために着用される。かかる目的から、できるだけ全身を覆うことが好ましく、形態は通常ワンピース型である。ジャケット型やパンツ型は通常ラッシュガードに分類されておりダイブスキンとは呼ばれない。

セミドライスーツ

セミドライスーツ (semidrysuit,semi dry suit) とはウェットスーツの一種であるが、ファスナーの裏側にフラップを設けたり、防水性の高いファスナーを使用したり、首、手首、足首部の構造を二重構造にしたりするなどの工夫をすることにより内部に水が浸入しにくくしたものである。外見は概ねウェットスーツに類似したものが多く、ドライスーツと同様のファスナー、首、手首、足首部のシールを用い、ドライスーツに近い保温力を持った製品も少数ではあるが存在する[注釈 3]。水の浸入箇所を極力少なくするために型は基本的にワンピースである。ドライスーツより保温性が劣るが運動性に優れ、ウェットスーツより高価であるが保温性に優れているので、水温が中程度の環境での着用に適している。

アクセサリ

ブーツ (boot)

ダイビングブーツの一例 上:ラジアルソール 下:デッキソール

整備された砂浜以外の環境では、水底の物体で足に外傷を負うことを防ぐため着用が必須である。発泡クロロプレン生地製の本体とゴム製の底 (ソール) からできたものが大半である。着脱を容易にするためのファスナーがついたものが多い。

ソールの形状としては、全体としてみれば平らなゴム底に均一なパターンを形成してあり、濡れた船上で滑りにくいことを特徴とするデッキソール (deck sole) のものと、比較的大きな凹凸と、土踏まず付近の段差を形成してあり、岩場などでのグリップに優れることを特徴とするラジアルソール (ladder grip sole) のものとがある。日本のダイビングでは岩場を通ってエントリー・エキジットするようなことは少ないこと、また、ラジアルソールは凹凸の分だけ厚みがあり、フィンのポケットに余分な高さが必要になることなどの理由により、デッキソールのものが多く使われている。

グローブ (glove)

主に手の障害防止を目的に着用する。水温により織物製、クロロプレン生地製などさまざまな形式のものが用いられる。保護されているという意識からダイバーが水底の物体に不用意に手を突くようになり、自然破壊につながるとしてグローブを着用することを禁止している地域もある。

フード (hood)

体温の損失防止及び保護のため頭部から首に着用する。水中における血行量の多い頭部からの体温損失は、全身からの体温損失の20%を占めるといわれており、常時水中での活動となるスキューバダイビングではそれほど低い水温でなくてもフードの着用が必須である。通常クロロプレン生地製であるが、主として高水温環境での保護効果を目的とした布製タイプも存在する。


注釈

  1. ^ 機能上の観点からだけいえば、下着を着用することには実質的に意味がなく、全裸の上に直接ウェットスーツを着用しても差し支えないが、屋外など、全裸になることが不都合な環境で着脱することが多いことから、何らかの下着 (通常は水着) を着用する場合が多い。
  2. ^ 日本ではライクラ又はオペロンジャージの商品名で呼ばれることが多い。
  3. ^ 一例として、Cressi社の販売するICE PLUS[2]がある。

出典

  1. ^ a b 藤井信彦,山脇憲明,岡田親義「ウエットスーツ」『日本ゴム協会誌』第83巻第5号、一般社団法人日本ゴム協会、2010年、146-150頁、doi:10.2324/gomu.83.146 
  2. ^ ICE PLUS”. Cressi. 2010年11月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年1月3日閲覧。


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