中国音楽著作権協会
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/07/04 17:56 UTC 版)
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中国音乐著作权协会
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| 略称 | MCSC、音著協 |
|---|---|
| 設立 | 1992年12月17日 |
| 設立者 | |
| 種類 | 著作権管理団体 |
| 法的地位 | 社会団体 |
| 目的 | 音楽著作物の著作権管理、権利保護、使用許諾、使用料の徴収・分配 |
| 本部 | |
| 貢献地域 | 中国大陸 |
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会員数(2025年年)
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16,132人 |
| 主席 | 雷蕾 |
| 加盟 |
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| ウェブサイト | 公式ウェブサイト |
中国音楽著作権協会(ちゅうごくおんがくちょさくけんきょうかい、簡体字:中国音乐著作权协会、英語:Music Copyright Society of China、略称:MCSC、音著協)は、中華人民共和国の中国大陸における音楽著作権の著作権管理団体である。1992年12月17日、中華人民共和国国家版権局と中国音楽家協会により共同で発起・設立された[1]。
同協会は、作曲者、作詞者、音楽出版社などの権利者から委託を受け、音楽著作物の使用許諾、著作権使用料の徴収・分配、権利保護活動などを行う。管理地域は中国大陸であり、香港、マカオ、台湾は含まれない[2]。
国際的には、国際作詞作曲家協会連合(CISAC)および著作権協会国際事務局(BIEM)に加盟しており、国外の音楽著作権管理団体との相互代表契約を通じて、中国大陸における外国楽曲の利用許諾・使用料徴収にも関与している[3][4]。
沿革
1992年12月17日、中華人民共和国国家版権局と中国音楽家協会の共同発起により、中国音楽著作権協会が設立された[1]。設立当初は、中国における音楽著作権の集団管理制度の整備を目的とし、作曲者、作詞者、音楽出版社などの権利者から委託を受け、音楽著作物の使用許諾および著作権使用料の徴収・分配を開始した[2]。
1994年には国際作詞作曲家協会連合(CISAC)へ加盟し、国外の著作権管理団体との相互代表契約の締結を開始した。これにより、中国大陸における外国楽曲の利用許諾や、中国の権利者による作品の海外利用に関する使用料の徴収・分配が可能となった[3]。
2001年に改正された中華人民共和国著作権法では、著作権集体管理制度が法制化され、2005年3月には国務院が制定した『著作権集体管理条例』が施行された。これにより、著作権集体管理団体の設立要件、業務範囲、使用料の徴収・分配、監督制度などが法令上明確化され、中国音楽著作権協会は音楽分野の集体管理団体として制度上の位置付けを確立した[5]。
2010年代に入ると、中国ではデジタル音楽配信市場が急速に拡大した一方で、インターネット上の海賊版音楽が深刻な社会問題となった。2015年には国家版権局がオンライン音楽サービス事業者に対し、無許諾配信楽曲の削除を求める「剣網行動」を実施し、中国国内の主要事業者が220万曲を超える無許諾楽曲を配信停止した[6]。これ以降、中国のデジタル音楽市場では正版化(正規ライセンス化)が急速に進み、中国音楽著作権協会もインターネット配信、ライブ配信、短編動画サービスなどへの著作権管理業務を拡大した。
2020年代には、Tencent Music Entertainment、NetEase Cloud Musicなど中国の主要音楽配信事業者との利用許諾契約や、国外の著作権管理団体との協力強化を進めた。2025年には会員数が16,000人を超え、管理作品数は2,400万曲以上となるなど、中国最大の音楽著作権管理団体として事業規模を拡大している[7]。
業務
中国音楽著作権協会は、音楽著作物の著作権者から管理を委託された著作権について、使用許諾、著作権使用料の徴収・分配、権利保護などの業務を行っている[2][1]。
管理対象は主として作曲者、作詞者および音楽出版社が有する音楽著作物の著作権であり、著作権者から委託を受けた権利について、中国大陸における利用許諾を行うとともに、使用者から著作権使用料を徴収し、管理経費を控除した上で権利者へ分配している[2]。
使用許諾
音楽作品の利用を希望する放送事業者、興行主、インターネット配信事業者、商業施設などに対し、包括許諾または個別許諾を行っている。利用形態に応じて使用料を徴収し、著作権者への分配を実施する[2]。
主な利用形態には次のようなものがある。
- コンサート、演劇、公演などにおける演奏
- ラジオ・テレビ放送
- 音楽配信サービス
- インターネット動画・ライブ配信
- カラオケサービス
- 商業施設・飲食店・ホテルなどでのBGM利用
- 航空機・鉄道車両など公共交通機関における音楽利用
- CD・DVD等の音楽ソフト製作
- 広告、映像作品等への音楽利用
著作権使用料の徴収・分配
協会は利用許諾契約に基づき著作権使用料を徴収し、作品の利用実績や分配規程に基づいて権利者へ定期的に分配している[8]。
近年はデジタル配信市場の拡大に伴い、オンライン音楽サービス、短編動画サービス、ライブ配信などからの徴収額が増加している。また、利用実績データの収集やデジタル処理の高度化によって分配精度の向上にも取り組んでいる[9]。
国際管理
中国音楽著作権協会は、CISACおよびBIEM加盟団体として、国外の著作権管理団体と相互代表契約を締結している。
これにより、中国大陸で利用される外国楽曲については、各国・地域の著作権管理団体を代表して使用許諾および使用料徴収を行う一方、中国の権利者の作品が海外で利用された場合には、現地の著作権管理団体を通じて使用料の徴収・送金が行われる[3]。
権利保護
著作権侵害が認められた場合には、警告、利用許諾契約の締結交渉、民事訴訟その他の法的措置を通じて権利保護を行う。
近年は、インターネット上の無許諾配信、ライブ配信、短編動画、商業施設におけるBGM利用など、デジタル環境における音楽利用への対応を重点業務の一つとしている[10]。
組織
中国音楽著作権協会は、会員によって構成される会員代表大会を最高意思決定機関とし、その下に理事会および監事会を置いている[2][11]。
理事会は協会の業務執行を統括し、主席、副主席および理事によって構成される。主席は理事会を代表し、協会の運営を統括する。2022年に開催された第5回会員代表大会では、第5期理事会および監事会が選出され、雷蕾が主席に選出された[12]。
協会の日常業務は事務局が担当しており、会員管理、作品登録、利用許諾、使用料徴収、分配、法務、情報技術、国際業務などの各部門によって運営されている[1]。
2012年時点では、協会は以下の部門で構成されていた[1]。
- 会員部
- 作品資料部
- 演奏権許諾業務部
- 複製権許諾業務部
- 放送権許諾業務部
- 法律部
- 情報宣伝部
- 分配・技術部
- 財務・総務部
また、中国音楽著作権協会は国際作詞作曲家協会連合(CISAC)および著作権協会国際事務局(BIEM)に加盟しており、国際委員会や専門部会への参加、国外の著作権管理団体との協力事業などを通じて国際的な著作権管理活動にも参画している[3]。
会員・管理作品
中国音楽著作権協会の会員は、主として作曲者、作詞者、音楽出版社その他の音楽著作権者によって構成される。権利者は協会との管理委託契約を締結することにより、自らが保有する音楽著作物の著作権について、利用許諾、著作権使用料の徴収・分配、権利保護などの業務を協会へ委託することができる[2][1]。
設立当初は会員数が少数であったが、中国における著作権制度の整備やデジタル音楽市場の発展に伴い増加を続けている。2012年時点では約4,000人であった会員数は[1]、2024年末には14,064人、2025年末には16,132人となった[13]。
管理作品数も年々増加しており、2025年には中国国内外の音楽作品2,400万曲以上を管理している[14]。これには、中国国内の権利者による作品に加え、CISAC加盟団体など国外の著作権管理団体との相互代表契約に基づいて管理される外国作品も含まれる[3]。
中国音楽著作権協会は、作品情報の登録・管理を行うとともに、利用実績データを収集・分析し、その結果に基づいて著作権使用料を権利者へ分配している。近年は音楽配信サービス、短編動画、ライブ配信、インターネット動画共有サービスなどデジタル分野における音楽利用の増加に伴い、管理作品数および利用データの取扱量も大幅に増加している[15]。
また、同協会は国際標準音楽作品コード(ISWC)の中国大陸における代理機関でもある[1]。ISWCは音楽作品を国際的に識別するための標準コードであり、作品情報の照合、国際的な使用料分配、国外団体との権利管理に用いられる。中国音楽著作権協会は、国内作品の登録情報と国外団体から提供される作品情報を照合し、中国大陸における外国作品の利用および中国作品の国外利用に関する管理業務を行っている[3]。
2020年代には、国際的な作品情報データベースの整備も進められた。2024年末時点で、同協会が関与する国際標準音楽作品コード管理システムには約2,300万曲の著作権情報が収録され、香港、マカオ、台湾、マレーシア、インドネシア、タイなどの地域・国の団体も同データベースを利用していると報じられている[16]。
著作権使用料の徴収と分配
中国音楽著作権協会は、音楽著作物の利用者から著作権使用料を徴収し、管理経費を控除した上で、利用実績に基づき権利者へ分配している[2]。徴収対象には、演奏、放送、複製、インターネット配信、カラオケ、商業施設におけるBGM利用、ライブイベント、映像作品・広告等での音楽利用などが含まれる[1]。
使用料収入は中国のデジタル音楽市場の拡大とともに増加している。2024年の著作権許諾使用料収入は4.77億元、分配額は4.04億元であった[17]。2025年には、著作権許諾使用料収入の速報値が6.04億元となり、前年比で26.6%増加したと発表された[18]。
2025年の分配額は4.73億元であり、年間14回の分配が行われた。公式発表では、同年の管理費控除率は18.9%とされている[19]。
近年は、オンライン音楽配信、短編動画、ライブ配信、デジタルカラオケなどからの利用実績データが増加しており、協会は作品情報、利用実績、分配対象者情報を照合しながら分配処理を行っている。分配に関する通知は公式サイト上で公表されており、各期の分配対象や管理費控除率などが示されている[20]。
一方で、使用料の徴収・分配をめぐっては、透明性や分配精度に関する批判もある。中国国内外の権利者からは、利用実績データの把握、デジタル配信プラットフォームからの報告、国外団体への送金、権利者への分配の遅れなどが課題として指摘されてきた。こうした問題は、特に外国楽曲の中国大陸における利用料回収や、デジタル音楽市場における利用実績の追跡において重要な論点となっている。
中国デジタル音楽市場との関係
2010年代以降、中国ではインターネットの普及とスマートフォン利用の拡大を背景として、デジタル音楽市場が急速に成長した。オンライン音楽配信、短編動画、ライブ配信、オンラインカラオケなどが音楽利用の中心となり、中国音楽著作権協会が管理する著作物の利用形態も大きく変化している[21]。
中国では、Tencent Music Entertainmentが運営するQQ音楽、酷狗音楽、酷我音楽、全民K歌や、NetEase Cloud Music(網易雲音楽)などが主要な音楽配信サービスとして広く利用されている。また、ByteDanceが運営する抖音(Douyin)や汽水音楽、さらにbilibili、快手、騰訊視頻、愛奇芸、優酷などの動画・ライブ配信サービスでも音楽利用が拡大している[22]。
中国音楽著作権協会は、こうしたデジタルサービスにおける音楽利用について、著作権使用許諾、使用料徴収および権利者への分配を行っている。2025年にはTencent Music EntertainmentおよびNetEase Cloud Musicと戦略的協力を進め、デジタル音楽市場における著作権管理体制の強化を図った[23]。
一方、中国のデジタル音楽市場では、2000年代から2010年代前半にかけて無許諾配信や海賊版音楽が広く流通していた。2015年には国家版権局がオンライン音楽サービス事業者に対し、無許諾楽曲の削除を求める「剣網行動」を実施し、主要事業者は220万曲を超える無許諾音楽作品の配信を停止した[24]。これを契機として、中国のデジタル音楽市場では正版化(正規ライセンス化)が急速に進展した。
その後、中国政府は音楽著作権保護を推進する一方、大手配信事業者による独占的な音楽ライセンス契約についても是正を進めた。2018年には国家版権局の調整により、Tencent Music EntertainmentとNetEase Cloud Musicが保有する独占ライセンス楽曲の大部分について相互利用が進められた[25]。
中国音楽著作権協会は、デジタル音楽市場の発展に伴い、配信サービス、短編動画、ライブ配信、オンラインカラオケなど多様化する音楽利用形態に対応した著作権管理体制の整備を進めている。
国際連携
中国音楽著作権協会は、国際作詞作曲家協会連合(CISAC)および著作権協会国際事務局(BIEM)に加盟しており、国外の音楽著作権管理団体との相互代表契約を通じて、中国大陸における外国楽曲の利用許諾、使用料徴収、分配に関与している[3][4]。また、中国大陸の権利者による作品が国外で利用された場合には、相手国・地域の管理団体を通じて使用料の徴収・送金が行われる[3]。
日本音楽産業との関係
中国音楽著作権協会は、日本音楽著作権協会(JASRAC)との相互管理関係を通じて、中国大陸における日本楽曲の利用許諾および使用料徴収に関与している。JASRACは、国外で管理楽曲が利用された場合、利用地の著作権管理団体が許諾・徴収を行い、権利者の所属団体へ使用料を送金する仕組みを説明しており、中国大陸においては中国音楽著作権協会が現地管理団体として関係する[26]。
日本側との交流としては、中国音楽著作権協会と一般財団法人遠藤実歌謡音楽振興財団が中心となり、2014年以降、日中間の音楽著作権保護および著作権管理実務に関する研討会・シンポジウムを継続的に開催している[27]。2022年には中国著作権法改正、2023年には新型コロナウイルス感染症の文化コンテンツ産業への影響、2024年には生成AIと音楽著作権をテーマとする研討会が開催された[28]。
中国のデジタル音楽市場では、日本の音楽会社による中国向けライセンス契約も進んでいる。エイベックスはNetEase Cloud Musicとの提携や、bilibiliとのJ-POPミュージックビデオのライセンス契約を通じて、中国大陸における日本楽曲の配信を拡大した[29]。また、ポニーキャニオンやキングレコードもNetEase Cloud Musicとライセンス契約を結び、J-POPやアニメ音楽の中国向け配信を進めている[30][31]。
一方、日本楽曲の無許諾利用も問題となっている。日本レコード協会は2025年、日本、台湾、香港などの楽曲約14,000曲を無許諾配信していた中国国内向け海賊版音楽サイトの運営者に対し、中国の裁判所が有罪判決を下したと発表した[32]。
韓国音楽産業との関係
中国音楽著作権協会は、韓国音楽著作権協会(KOMCA)とも相互管理関係を有している。韓国側報道によれば、MCSCはKOMCAとの管理関係に基づき、中国で利用された韓国音楽作品の使用料を徴収し、KOMCAへ送金する役割を担っている[33]。
2020年代には、K-POPの中国内利用をめぐる使用料徴収・分配の改善が課題となった。韓国側報道では、中国デジタル音楽市場における制度、データ追跡、精算上の問題により、韓国楽曲の使用料徴収と分配が円滑ではなかったとされる[34]。
2025年には、中国音楽著作権協会がNetEase Cloud MusicおよびTencent Music Entertainmentと利用許諾契約を締結したことにより、K-POPを含む韓国楽曲の中国内使用料回収が改善すると報じられた。これらの契約には過去利用分への遡及適用も含まれるとされる[35]。
韓国の音楽会社・芸能事務所と中国主要プラットフォームの関係も深まっている。HYBEは2023年、Tencent Music Entertainmentと中国向け音楽配信契約を結び、BTSなど同社所属アーティストの楽曲がQQ Music、酷狗音楽、酷我音楽、WeSingなどで利用可能になると報じられた[36]。また、YGエンターテインメントはNetEase Cloud Musicと契約し、BIGBANG、BLACKPINKなどのカタログを中国市場で配信する体制を整えた[37]。
さらに、Tencent Music Entertainmentは2025年、SMエンタテインメントの株式を取得し、同社の第2位株主となる見通しであると報じられた[38]。
欧米音楽産業との関係
中国音楽著作権協会は、CISACおよびBIEM加盟団体として、欧米を含む国外の音楽著作権管理団体と相互代表契約を結んでいる。国家版権局の英語版資料では、MCSCがドイツ、イタリア、フランス、フィンランドなど60か国以上の音楽著作権管理団体と相互代表契約を結んでいると説明されている[4]。
欧米の音楽著作権管理団体には、米国のASCAP、BMI、英国のPRS for Music、フランスのSACEM、ドイツのGEMA、オーストラリアのAPRA AMCOSなどがあり、これらの団体はCISACを通じた国際的な著作権管理ネットワークを形成している。MCSCはこの国際ネットワークの中国大陸側の団体として、外国楽曲の中国大陸における利用管理に関与している[3]。
中国のデジタル音楽市場では、ユニバーサル ミュージック グループ、ソニー・ミュージックエンタテインメント、ワーナー・ミュージック・グループなどの国際的レコード会社も、Tencent Music EntertainmentやNetEase Cloud Musicなどの中国主要プラットフォームとライセンス契約を結んでいる。Sony Musicは2021年、Tencent MusicおよびNetEase Cloud Musicの双方と中国向け直接デジタル配信契約を締結した[39]。
Universal Music GroupはTencent Music Entertainmentと複数年契約を更新しているほか、NetEase Cloud Musicとも中国向けライセンス契約を結んでいる[40][41]。2026年には、Universal Music GroupとNetEase Cloud Musicの契約により、テイラー・スウィフトなど同社所属アーティストの楽曲が中国大陸で配信可能になると報じられた[42]。
また、独立系レーベルを代表する国際デジタル著作権機関MerlinもTencent Music Entertainmentと複数年ライセンス契約を結んでおり、中国市場における欧米・日本・韓国・東南アジアなどの音楽カタログ流通に関与している[43]。
香港・マカオ・台湾・東南アジアとの関係
中国音楽著作権協会の管理地域は中国大陸であり、香港、マカオ、台湾は含まれない[2]。香港には香港作曲家及作詞家協会(CASH)、マカオにはMacau Association of Composers, Authors and Publishers(MACA)、台湾にはMusic Copyright Society of Chinese Taipei(MUST)、シンガポールにはComposers and Authors Society of Singapore(COMPASS)など、各地域に別個の音楽著作権管理団体が存在する[44][45]。
香港、台湾、シンガポールなどは華語圏音楽の重要な市場であり、中国大陸のデジタル音楽市場とも密接に関係している。ただし、著作権管理上は中国大陸、香港、マカオ、台湾、シンガポールはそれぞれ異なる管理団体の管轄地域として扱われる。
MCSCはCISACおよびBIEMの加盟団体として、香港、台湾、東南アジアを含むアジア太平洋地域の同種団体とも国際的な管理ネットワークを形成している。この枠組みにより、国外の楽曲が中国大陸で利用される場合にはMCSCが現地管理団体として許諾・徴収に関与し、中国大陸の作品が国外で利用される場合には相手地域の管理団体を通じて使用料の徴収・分配が行われる[3]。
2020年代には、国際標準音楽作品コードや作品情報データベースの整備も進められ、香港、マカオ、台湾、マレーシア、インドネシア、タイなどの地域・国の団体も関連する作品情報データベースを利用していると報じられている[46]。
権利保護活動
中国音楽著作権協会は、会員から管理委託を受けた音楽作品について、使用料の徴収・分配だけでなく、著作権侵害に対する権利保護活動も行っている。権利保護活動には、利用者との協議、警告、行政機関への申立て、民事訴訟、和解、利用許諾契約の締結などが含まれる[2]。
同協会の権利保護活動は、中国における音楽利用形態の変化に応じて対象を拡大してきた。設立当初はCD・音響製品などの物理メディアや、携帯電話への内蔵音楽などが主な対象であったが、その後、インターネット音楽配信、放送、商業施設におけるBGM、カラオケ、ライブ配信サービス、音楽配信プラットフォームなどへと広がった[47]。
初期の権利保護活動
2000年代初頭には、携帯電話や音響製品における音楽作品の無断利用に対する権利保護活動を進めた。IP Keyの資料では、2002年の恵州TCL移動通信有限公司による携帯電話内蔵音楽をめぐる事件、2004年の広東太平洋影音公司によるCD作品をめぐる事件、2006年の空中網による音楽作品の改編・利用をめぐる事件などが、同協会の代表的な権利保護事例として挙げられている[48]。
これらの事例は、中国における音楽利用が従来のCD・音響製品から、携帯電話やインターネットを通じたデジタル利用へ移行し始めた時期の権利保護活動を示すものとされる。
インターネット音楽配信への対応
2000年代後半には、検索サービスや音楽配信サイトを通じた無許諾音楽利用が問題となった。協会は、インターネット上での音楽作品利用について、情報ネットワーク伝播権の侵害を理由とする権利保護活動を展開した。
代表的な事例として、百度(Baidu)を相手とする訴訟がある。2008年、協会は百度が多数の音楽作品について無許諾で検索・リンク提供を行っているとして、著作権侵害を理由に民事訴訟を提起した[49]。2010年年報では、百度歌詞検索侵害事件などを含む権利保護活動が取り上げられ、同年に協会が処理した民事訴訟は40件であったとされる[50]。
その後、協会は百度との間でネット音楽著作権に関する協力関係を構築した。2011年には百度とネット音楽詞曲著作権に関する戦略的協力協定を締結し、無許諾利用への対抗から正規ライセンス契約へ移行する事例となった[51]。
放送・公共空間での音楽利用
協会は、放送事業者、商業施設、ホテル、飲食店など、公共空間における音楽利用についても権利保護活動を行っている。
商業施設における背景音楽利用では、北京市内の商業施設を相手とする訴訟が行われた。2009年には、北京美廉美連鎖商業有限公司による音楽作品の無許諾利用をめぐる事件で、協会側の請求が一部認められたとされる[52]。
放送分野では、テレビ・ラジオ局による音楽作品利用についても権利保護を行っている。2014年には、厦門広播電視集団を相手として、音楽作品の放送権侵害を理由とする訴訟を提起した[53]。
カラオケ分野
カラオケ事業においては、中国音楽著作権協会が音楽作品の著作権を、中国音像著作権集体管理協会(CAVCA)が音楽映像作品などの権利を管理している。カラオケ施設では、楽曲そのものの著作権と、映像・音源に関する権利が重なるため、両団体の許諾が関係する。
中国では、カラオケ事業者向けの著作権使用料徴収において、CAVCAが一体的な窓口として徴収し、MCSCに分配する仕組みが用いられていると説明されている[54]。
ライブ配信・デジタルプラットフォーム
2010年代後半以降、音楽利用の場はライブ配信、短編動画、オンライン音楽配信プラットフォームへ広がった。協会は、こうした新しい利用形態についても権利保護活動を進めている。
2018年には、ライブ配信サービス「斗魚」(Douyu)における音楽作品利用をめぐる事件で、北京インターネット法院が権利侵害を認定した[55]。
2020年代には、Tencent Music Entertainment傘下の酷我音楽、酷狗音楽などをめぐる訴訟も行われた。2024年には、協会が酷我音楽および酷狗音楽を相手に提起した複数の著作権侵害訴訟について、協会側の勝訴が報じられている[56][57]。
活動の推移
協会年報によれば、2010年には民事訴訟40件を処理し、そのうち本部が17件、外地法律事務所代理が23件であった[58]。IP Keyの資料では、2017年までに協会が300件を超える権利保護訴訟を提起したとされる[59]。
近年は、訴訟による権利保護に加えて、利用許諾契約の締結、行政機関との連携、音楽利用データの管理、デジタル著作権管理システムの整備などを通じて、デジタル音楽市場に対応した権利保護活動を進めている。
主な権利保護事例
中国音楽著作権協会の権利保護活動は、携帯電話内蔵音楽、音響製品、インターネット音楽配信、商業施設における背景音楽、放送、ライブ配信、音楽配信プラットフォームなど、音楽利用形態の変化に応じて対象を広げてきた[60]。
| 年 | 相手方・対象 | 分野 | 概要 |
|---|---|---|---|
| 2002 | 恵州TCL移動通信有限公司 | 携帯電話 | 携帯電話内蔵音楽をめぐる権利保護事例。 |
| 2004 | 広東太平洋影音公司 | 音響製品 | 音楽作品を収録した音響製品をめぐる権利保護事例。 |
| 2006 | 空中網 | モバイルコンテンツ | 音楽作品の改編・利用をめぐる権利保護事例。 |
| 2008 | 百度 | インターネット音楽 | 音楽作品の検索・リンク提供をめぐる著作権侵害訴訟。 |
| 2009 | 北京美廉美連鎖商業有限公司 | 商業施設・BGM | 店舗内での背景音楽利用について公開演奏権侵害が争われた事件。 |
| 2014 | 厦門広播電視集団 | 放送 | 音楽作品の放送利用をめぐる放送権侵害訴訟。 |
| 2018 | 斗魚 | ライブ配信 | ライブ配信中の音楽作品利用をめぐる事件。 |
| 2024 | 酷我音楽・酷狗音楽 | 音楽配信 | Tencent Music Entertainment傘下サービスを相手とする著作権侵害訴訟。 |
デジタル著作権管理
中国音楽著作権協会は、音楽利用のデジタル化に対応するため、作品情報、権利者情報、利用実績、使用料分配などを管理する情報システムの整備を進めている。
2021年8月20日、同協会は「音楽著作権大集成サービスシステム」(Integrated System of Music Copyright、iSMC)を公式サイト上で公開した。同システムは、音楽著作権者、音楽使用者および社会一般に対して、会員登録、作品登録、作品検索、権利確認、利用許諾、使用料分配などの機能を一体的に提供することを目的として整備された[61]。
iSMCは、国内会員の作品情報に加え、国外の著作権管理団体との相互代表契約に基づく外国作品の情報管理にも用いられている。同協会は、CISACの国際的な作品情報管理体系と連携し、作品情報の照合、著作権者情報の確認、使用実績データの処理、分配対象者の特定などを進めている[3]。
2024年末時点で、同協会が関与する国際標準音楽作品コード管理システムには約2,300万曲の著作権情報が収録されていると報じられている。また、香港、マカオ、台湾、マレーシア、インドネシア、タイなどの地域・国の団体も関連する作品情報データベースを利用しているとされる[62]。
デジタル音楽市場では、配信サービス、短編動画、ライブ配信、オンラインカラオケなどから大量の利用実績データが発生するため、作品情報と利用データを正確に照合することが使用料分配の重要な課題となっている。中国音楽著作権協会は、iSMCなどの情報システムを通じて、作品登録、権利確認、利用許諾、使用料分配の効率化を図っている。
海賊版問題と正版化
中国では1990年代から2000年代にかけて、CD・カセットテープなどの海賊版音楽ソフトや、インターネットを通じた無許諾音楽配信が広く流通し、音楽著作権保護の大きな課題となっていた[63]。
中国音楽著作権協会は、音楽著作権の集団管理団体として、権利者への使用料分配と並行して、無許諾利用への対応や音楽利用の正版化に関わってきた[2]。
2000年代後半には、インターネット検索サービスや音楽配信サイトにおける無許諾配信が急速に拡大したことから、協会は百度(Baidu)をはじめとするインターネット事業者に対する権利保護活動を展開した。2008年には百度を相手として音楽作品の無断利用に関する民事訴訟を提起した[64]。
2011年には、協会は百度との間でネット音楽詞曲著作権に関する戦略的協力協定を締結し、従来の対立関係からライセンス契約に基づく協力関係へ移行した[65]。 2015年には、国家版権局がオンライン音楽サービス事業者に対し、無許諾で配信されている音楽作品の削除を求める通知を出した。同年7月31日までに、16社の音楽サービス事業者が220万曲を超える無許諾音楽作品を配信停止し、同年10月31日までに各プラットフォームが自社の楽曲データベースを全面的に整理することになった[66]。この措置は、中国のオンライン音楽市場における正版化の大きな転換点とされる[67]。
この正版化政策を受け、主要な音楽配信事業者は国内外の権利者とのライセンス契約を拡大した。国家版権局の資料では、酷狗音楽がソニー、ワーナー、ユニバーサル、韓国CJ、YG、英皇、福茂、杰威尔などの権利者から授権を受け、約2,000万曲の正規ライセンス曲庫を保有していると説明されている[68]。
一方、正版化の進展後には、大手音楽配信事業者による独占的な楽曲ライセンス契約も新たな課題となった。2017年、国家版権局はTencent Music、阿里音楽、NetEase Cloud Music、Baidu Taihe Musicなど主要事業者に対し、ネット音楽著作権について全面授権・広範な流通を促進するよう求め、独占的な著作権調達や悪性競争を避けるよう指導した[69]。 正版化の進展に伴い、中国音楽著作権協会は音楽著作権の集団管理団体として、権利者から管理委託を受けた音楽作品の利用許諾、使用料の徴収・分配、権利保護活動を継続するとともに、デジタル音楽市場に対応した著作権管理体制の整備を進めた[70]。
また、同協会はインターネット音楽サービス事業者との利用許諾契約の締結や、著作権管理団体との国際的な相互代表契約を通じて、中国国内外の音楽作品の適法利用を推進している[71]。
中国音楽著作権協会の年報によれば、正版化の進展とデジタル音楽市場の拡大に伴い、著作権許諾収入は増加傾向にあり、2023年の許諾収入は約4億2,700万元、2024年には約4億7,700万元となり、過去最高を更新した[72]。 正版化の進展によって、中国のオンライン音楽市場では、権利者と音楽配信事業者とのライセンス契約に基づく利用が一般化した。一方で、短編動画、ライブ配信、UGC(ユーザー生成コンテンツ)サービスなど、新たな音楽利用形態の普及に伴い、著作権管理や使用料分配の在り方は引き続き課題となっている[73]。
中国音楽著作権協会は、こうした音楽利用環境の変化に対応するため、デジタル著作権管理システム「iSMC」の運用、国内外の著作権管理団体との相互代表契約の拡充、インターネット音楽サービス事業者との利用許諾契約の締結などを通じて、音楽著作権の適正な利用促進と権利者への使用料分配の充実を図っている[74][75]。 正版化の進展に伴い、中国音楽著作権協会は、音楽著作権の集団管理団体として、音楽配信事業者や放送事業者、商業施設などとの利用許諾契約の締結を進めるとともに、使用料の徴収・分配体制の整備を進めた。また、著作権侵害への対応に加え、著作権者および利用者双方に対する普及啓発活動や、著作権管理制度の改善にも取り組んでいる[76]。
近年では、デジタル音楽市場の拡大に対応するため、作品情報、権利者情報、利用実績などを一元的に管理する「音楽著作権大集成サービスシステム(iSMC)」を運用し、著作権管理の効率化を進めている。同システムは、中国国内の作品情報に加え、海外の著作権管理団体との相互代表契約に基づく作品情報の管理にも利用されている[77][78]。
2024年には、同協会の著作権許諾収入は約4億7,700万元となり、設立以来の累計許諾収入は43億元を超えた。また、iSMCには約2,300万件の音楽作品情報が登録され、香港、マカオ、台湾のほか、マレーシア、インドネシア、タイなどの著作権管理団体とも作品情報の共有・管理が進められている[79]。
国際連携
中国音楽著作権協会は、設立以来、海外の著作権管理団体との相互代表契約(Reciprocal Representation Agreement)の締結を進め、中国国内における外国音楽作品の著作権管理と、中国音楽作品の海外における著作権管理を行っている[80]。
同協会は、国際作詞作曲家協会連合(CISAC)の加盟団体として、国際的な著作権管理ネットワークに参加している。CISAC加盟団体との相互代表契約を通じ、中国国内では海外の音楽作品の利用許諾、使用料徴収および分配を行う一方、中国の著作権者の作品については海外の著作権管理団体を通じて権利管理が行われている[81][82]。
2024年時点では、同協会は80を超える国・地域の著作権管理団体と相互代表契約を締結している。また、デジタル著作権管理システム「音楽著作権大集成サービスシステム(iSMC)」を通じて、中国国内の作品情報に加え、海外団体から管理を受託した音楽作品についても権利情報を管理している[83]。
また、中国音楽著作権協会は、世界知的所有権機関(WIPO)、CISACなどが開催する国際会議や著作権に関する交流事業にも参加しており、音楽著作権管理制度の発展やデジタル著作権管理に関する国際的な情報交換を行っている[84]。
日本音楽産業との関係
中国音楽著作権協会は、日本音楽著作権協会(JASRAC)との相互管理関係を通じて、中国大陸における日本楽曲の著作権管理に関与している。文化庁の資料では、JASRACが中国音楽著作権協会に対し、中国におけるJASRAC管理楽曲の排他的許諾権限を付与しており、同協会が中国国内でJASRAC管理楽曲を許諾する仕組みが説明されている。また、演奏権に関する相互管理契約では訴権も付与されるため、中国国内におけるJASRAC管理楽曲の無許諾利用に対して、中国音楽著作権協会が法的措置を取ることも可能とされる[85]。
JASRACは、中国におけるJASRACレパートリーの管理団体として中国音楽著作権協会を掲載している。また、日本国内でJASRACが管理する外国団体レパートリーの一覧においても、中国の団体として中国音楽著作権協会が掲載されている[86]。
同協会は、日本との著作権実務交流も継続している。2014年以降、中国音楽著作権協会と一般財団法人遠藤実歌謡音楽振興財団などは、日中間の音楽著作権保護および著作権集団管理実務に関する研討会を開催している[87]。2022年には、第3次改正後の中国著作権法をテーマとする研討会がオンラインで開催され、中国音楽著作権協会と遠藤実歌謡音楽振興財団が主催し、JASRACが後援した[88]。2023年には、新型コロナウイルス感染症が文化コンテンツ産業に与えた影響をテーマとする第9回研討会が、中国音楽著作権協会と遠藤実歌謡音楽振興財団の共催、JASRACおよびデジタルハリウッド大学の協力により開催された[89]。2024年には、生成AIと音楽著作権をテーマとする第10回研討会が東京で開催され、中国音楽著作権協会と遠藤実歌謡音楽振興財団が共催し、JASRACが支援した[90]。
実務者間の交流も行われている。JASRACの2021年度事業報告では、2022年3月に中国音楽著作権協会とのオンライン実務者会議を開催し、著作権管理をめぐる諸課題について情報交換・意見交換を行ったことが記載されている[91]。また、中国音楽著作権協会の2022年工作亮点では、JASRAC、Macau Association of Composers, Authors and Publishers(MACA)、PRS for Musicと個別にオンライン実務交流会を開催したことが報告されている[92]。
日本楽曲の中国における権利保護上の課題も継続している。日本レコード協会は2025年、中国国内向け海賊版音楽サイト「Song Taste 让我们不负音乐」の運営者に対し、中国の裁判所が有罪判決を下したと発表した。同発表によれば、同サイトでは日本、台湾、香港などの楽曲約14,000曲が無許諾配信されていた[93]。
日本音楽産業との関係
中国音楽著作権協会は、日本音楽著作権協会(JASRAC)との相互管理関係を通じて、中国大陸における日本楽曲の著作権管理に関与している。文化庁資料では、JASRACが中国音楽著作権協会に対し、中国におけるJASRAC管理楽曲の排他的許諾権限を付与しており、中国音楽著作権協会が中国国内でJASRAC管理楽曲を許諾する仕組みが説明されている。また、演奏権に関する相互管理契約では訴権も付与されるため、中国国内でJASRAC管理楽曲の無許諾利用があった場合、中国音楽著作権協会が法的措置を取ることも可能とされる[94]。
日本の著作権者がJASRACに信託している楽曲については、中国国内での権利行使や使用料回収において、中国音楽著作権協会が現地の管理団体として関与する。文化庁の中国向け海賊版対策資料では、日本の楽曲について中国で権利行使を行う場合、JASRACと相互管理契約を結ぶ中国音楽著作権協会が主体として権利行使を行うことが一般的であると説明されている[95]。
また、文化庁の日本コンテンツ海外展開調査では、中国音楽著作権協会とJASRACが相互管理契約を締結し、作品データベースを相互共有しているため、日本の著作権者は中国音楽著作権協会と直接契約せず、JASRACを通じて中国におけるライセンス使用料を回収できると説明されている[96]。
中国音楽著作権協会は、日本との著作権実務交流も継続している。2007年には、文化庁職員およびJASRAC国際部関係者が同協会を訪問した[97]。2019年には、JASRACの会長および理事長が中国音楽著作権協会を訪問し、両団体の協力関係や音楽著作権管理の課題について意見交換を行った[98]。
2014年以降、中国音楽著作権協会と一般財団法人遠藤実歌謡音楽振興財団などは、日中間の音楽著作権保護および著作権集団管理実務に関する研討会を継続的に開催している[99]。2022年には、第3次改正後の中国著作権法をテーマとする第8回中日音楽著作権研討会がオンラインで開催され、中国音楽著作権協会と遠藤実歌謡音楽振興財団が主催し、JASRACが後援した[100]。2023年には、新型コロナウイルス感染症が文化コンテンツ産業に与えた影響をテーマとする第9回研討会が、中国音楽著作権協会と遠藤実歌謡音楽振興財団の共催、JASRACおよびデジタルハリウッド大学の協力により開催された[101]。2024年には、生成AIと音楽著作権をテーマとする第10回研討会が東京で開催され、中国音楽著作権協会と遠藤実歌謡音楽振興財団が共催し、JASRACが支援した[102]。
実務者間の交流も行われている。JASRACの2021年度事業報告では、2022年3月に中国音楽著作権協会とのオンライン実務者会議を開催し、著作権管理をめぐる諸課題について情報交換・意見交換を行ったことが記載されている[103]。また、中国音楽著作権協会の2022年工作亮点では、JASRAC、Macau Association of Composers, Authors and Publishers(MACA)、PRS for Musicと個別にオンライン実務交流会を開催したことが報告されている[104]。JASRACの2024年度事業報告でも、2024年7月および9月に中国音楽著作権協会との実務者交流会を実施したことが記載されている[105]。
韓国音楽産業との関係
中国音楽著作権協会は、大韓民国の音楽著作権管理団体である韓国音楽著作権協会(KOMCA)との相互代表契約を通じ、中国国内における韓国楽曲の著作権管理を行っている。同協会はCISAC加盟団体として、海外の著作権管理団体との相互代表契約に基づき、外国音楽作品の利用許諾、使用料徴収および分配を実施している[106]。
韓国音楽著作権協会は、中国市場における韓国楽曲の著作権使用料回収の改善を目的として、中国音楽著作権協会との協力を進めてきた。2025年には、中国音楽著作権協会がTencent Music EntertainmentおよびNetEase Cloud Musicと音楽著作権ライセンス契約を締結したことについて、韓国音楽著作権協会は、中国国内で利用された韓国楽曲の使用料徴収・分配環境が改善される重要な転機であるとの見解を示した[107]。
同契約は、Tencent Music Entertainmentとは2025年11月、NetEase Cloud Musicとは同年9月に締結され、いずれも契約締結以前の利用分について遡及的に適用される内容を含んでいる。これにより、中国国内における韓国楽曲の著作権使用料について、長年課題となっていた徴収および分配の改善が期待されている[108]。
また、韓国音楽著作権協会は、中国音楽著作権協会を通じて中国国内で徴収された韓国楽曲の著作権使用料を受け取り、自国の権利者へ分配していることを明らかにしている[109]。
欧米音楽産業との関係
中国音楽著作権協会は、CISACおよびBIEM加盟団体として、欧米を含む国外の著作権管理団体との相互代表契約を通じ、中国大陸における外国音楽作品の利用許諾、使用料徴収および分配を行っている[3][4]。
同協会の海外協会一覧には、ドイツのGEMA、英国のPRS for Music、ロシアのRAO、ベルギーのSABAMなど、欧州を含む国外の著作権管理団体が掲載されている[110]。これらの相互代表契約により、欧米の作詞者・作曲者・音楽出版社の作品が中国大陸で利用される場合、中国音楽著作権協会が現地の管理団体として許諾・徴収を行い、中国の権利者の作品が欧米で利用される場合には、相手国の管理団体を通じて使用料の徴収・分配が行われる。
中国音楽著作権協会は、CISACの枠組みを通じて国際的な著作権管理制度に参加している。MCSC公式記事では、CISAC加盟団体が相互代表契約を通じて各国・地域で世界の音楽創作者の権利を管理し、同時に自国の音楽創作者の作品が国外で利用された場合にも現地団体を通じて管理される仕組みが説明されている[111]。
また、同協会は欧米団体との実務交流も行っている。2022年の工作亮点では、JASRAC、Macau Association of Composers, Authors and Publishers(MACA)に加え、英国のPRS for Musicと個別にオンライン実務交流会を開催したことが報告されている[112]。
欧米の音楽作品については、レコード会社や配信プラットフォームによる原盤・配信ライセンスとは別に、作詞・作曲に関する著作権管理が必要となる。中国音楽著作権協会は、国外団体との相互代表契約と作品情報管理を通じて、中国大陸における欧米楽曲の著作権管理に関与している。
脚注
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関連項目
外部リンク
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