Oracle Enterprise Linuxとは? わかりやすく解説

Oracle Linux

(Oracle Enterprise Linux から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/30 07:49 UTC 版)

Oracle Linux
(旧称Oracle Enterprise Linux)
Oracle Linux 7
開発者 オラクル
OSの系統 Unix系, Linux, RHEL
開発状況 開発中
ソースモデル オープンソース
最新安定版 8.5[1] / 2021年11月16日 (3年前) (2021-11-16)
アップデート方式 YUM (PackageKit)[2]
パッケージ管理 RPM Package Manager
プラットフォーム IA-32, x86-64, SPARC, ARM64[3]
カーネル種別 モノリシックカーネル
既定のUI GNOMEKDE
ライセンス GPL
ウェブサイト www.oracle.com/jp/linux/
テンプレートを表示

Oracle Linuxは、オラクルによるRed Hat Enterprise Linux (RHEL) をベースとしたLinuxディストリビューション(RHELクローン)の一つ。

概要

CentOSと同じようにRHELから商標やロゴの差し替えを行い、再構築したディストリビューションで、RHELとの互換を目標としている。Oracle製品に最適化したUnbreakable Enterprise Kernel(UEK)が利用できる。Oracle Unbreakable Linuxサポートプログラムにより比較的安価な価格で有償サポートを提供する。また、サポートサービスの利用を希望しない場合は、ユーザー登録を行うだけで無料で利用することも可能である。

Oracle DatabaseやWeblogic Server などの自社製品の運用環境を提供することが目的の多くを占めており、同社のサーバー製品のExadataに採用されている。

一般的な意味では、レッドハットによる有償ディストリビューションRHELと、RHELをベースにしRHELとの互換環境を無償で実現しようとするCentOSScientific Linuxなどのディストリビューションの間を埋める製品として、RHELと同じバージョンや操作は必要だが安価なサポートを求める企業などを対象にしている。

なお、RHELではサポートされているIA-64アーキテクチャやPowerPCアーキテクチャ向けのサポートは提供されておらず、i386x86-64といったPCアーキテクチャ向けのみに限られている。また、CentOSなどとは異なり、デスクトップ向けのアプリケーションも標準ではインストールされないため、デスクトップ用途で利用する場合は、該当するパッケージを手動でインストールする必要がある。

RHELとの互換性

オラクルは、Oracle Linuxを2つの異なったLinuxカーネルとともに配布している。

  • Red Hat Compatible Kernel(RHCK) - RHELで配布されているのと同一のカーネル
  • Unbreakable Enterprise Kernel(UEK[4]) - より新しいメインラインのLinuxカーネルのバージョンを基にしている。オラクル自身による、OLTPInfiniBandSSDディスクへのアクセス、NUMA最適化、RDS、asysn I/O、OCFS2、ネットワークなどに対する強化が加えられている[5]

オラクルは、Unbreakable Enterprise Kernelは完全にRHELと互換性があると宣伝している。オラクルは、これはオラクルのミドルウェアやサードパーティのRHEL認定アプリケーションをインストールし、実行することを許すとするが、どのようなリファレンスやサードパーティによる文書も提供されていない[6]

バージョン履歴

  • Oracle Linux 8, 8.1, 8.2, 8.3, 8.4, 8.5, 8.6, 8.7, 8.8, 8.9[7]
  • Oracle Linux 7, 7.1, 7.2, 7.3, 7.4, 7.5, 7.6, 7.7, 7.8, 7.9[8]
  • Oracle Linux 6, 6.1, 6.2, 6.3, 6.4, 6.5, 6.6, 6.7, 6.8, 6.9[9]
  • Oracle Enterprise Linux 5, 5.1, 5.2, 5.3, 5.4, 5.5, 5.6, 5.7, 5.8, 5.9, 5.10, 5.11[10]
  • Oracle Unbreakable Linux 4.5, 4.6, 4.7, 4.8, 4.9[11]


レッドハットの反応

Oracle Enterprise LinuxはRHELと直接競合する製品で、レッドハットから多くの顧客が流れる事が危惧された[12]。 これに対しレッドハットは、オラクルのEnterprise LinuxはRHELと完全な互換性がない事を発表し、オラクルに乗り換える場合の問題点を公表し対抗した[13]

脚注

  1. ^ Announcing the release of Oracle Linux 8 Update 5”. 26 November 2021閲覧。
  2. ^ Oracle Public Yum Server”. 17 April 2015閲覧。
  3. ^ Announcing Oracle Linux 7 for ARM” (2017年11月29日). 2020年1月14日閲覧。
  4. ^ Bach, Martin (2013). Expert Consolidation in Oracle Database 12c. SpringerLink : Bücher. Apress. p. 139. ISBN 9781430244295. https://books.google.com/books?id=85cQAwAAQBAJ 2014年4月21日閲覧. "For a long time, the differences between Red Hat Linux and Oracle Linux were negligible. This was before Oracle released its own branch of the kernel - the so-called Unbreakable Linux Kernel (UEK)." 
  5. ^ Oracle Linux with Oracle's Unbreakable Enterprise Kernel
  6. ^ Oracle Linux FAQ”. Oracle Corporation. 2011年4月14日閲覧。
  7. ^ Oracle Linux 8 - Documentation
  8. ^ Oracle Linux 7 - Documentation
  9. ^ Index of /el6/docs
  10. ^ Index of /el5/docs
  11. ^ Index of /el4/docs
  12. ^ ITmedia エンタープライズ:Red Hatを葬り去る?OracleがLinux自体のサポートに乗り出す
  13. ^ http://www.jp.redhat.com/rhel/real/

外部リンク


「Oracle Enterprise Linux」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「Oracle Enterprise Linux」の関連用語

Oracle Enterprise Linuxのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



Oracle Enterprise Linuxのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのOracle Linux (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS