OpenCore Legacy Pacherとは? わかりやすく解説

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OpenCore Legacy Pacher

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/10 02:55 UTC 版)

OpenCore Legacy Patcher (OCLP)は、サポートが終了した2007年以降に製造された古いMacモデルにAppleオペレーティングシステムmacOSをインストールし、アップデートに対応しつつ維持管理するためのソフトウェアと関連するドライバのパッチ群である[1] 。Appleの規約[2]に違反するものであり、FirmwareやOSをクラッキングするためデジタルミレニアム著作権法侵害が指摘されている[3]

OCLPは現在(2024年8月9日現在)、macOS 11 Big SurmacOS 12 MontereymacOS 13 VenturamacOS 14 Sonomaの各オペレーティングシステムと、これらのシステムのアップデートをインストールすることが可能であるが不安定であっても問題があっても、当然ながら動作保証は全くない[3]。システム要件は、少なくともmacOS 10.10 Yosemite、および(macOS 13 VenturaとmacOS 14 Sonomaのインストールには)macOS 10.11 El Capitanが動作していた機種となる。

OCLPは開発者のウェブサイトからフリーウェアとしてダウンロードできる[4][5]

このプログラムは、OpenCoreブートローダーのみをベースとしているため、独自のオペレーティングシステムを作成する必要はない。これは、オリジナルの macOS ブートローダに代わるオープンソースブートローダとなる。OpenCoreブートローダでは、OCLPはmacOSを改竄し、特定のコンポーネントを置き換え、それに対応してカスタマイズされたOpenCore設定ファイルを作成する。OCLPは、置き換えられたコンポーネントの参照ネットワークをRAMに保存する。リファレンス・ネットワークは、各再起動時に対応するリファレンス・リストを使ってセットアップされる。リファレンスの中には、関連するコンポーネントのアドレスを指定するためにroot権限が必要なものがあるため、リファレンスやコンポーネント、ハードウェアが変更されるたびに、rootパッチでセキュリティ機能を回避して、リファレンス・ネットワークを再構築を行う必要がある。このrootパッチはまた、サポートが終了したデバイス(例えばグラフィック・カードなど)を再び動作させることが可能となる。OSのアップデートの際は、再度rootパッチが必要となり、OCLP側の対応がないままアップデートすると、問題が発生する可能性があるため注意が必要である。

OCLPは、2021年に開発者の趣味によるプロジェクトから生まれた[6] 。それ以来、特定の個人やチームではなく、これまで長く活動していたHackintoshの開発コミュニティによって継続維持的に開発されている。そのため、プログラムはアップデートのアクティビティが高い状態で現状無料で提供されている。現在OCLPプロジェクトは、ウクライナのソフトウェア開発者Mykola Grymalyukが主導している。

そのグラフィカル・ユーザー・インターフェースの基礎とプログラムされるファイルは、Collin Mistr氏による以前のOpenCoreプロジェクトdosdude1[7]に由来しており、そのパッチは、サポートが終了した古いMacに以前のオペレーティング・システムmacOS 10.12 Sierra、10.13 High Sierra、10.14 Mojave、10.15 Catalinaをインストールすることを可能にした。

OCLPの開発者はまた、持続可能性の観点から、古いコンピュータを現行のオペレーティング・システムでできるだけ長く使えるようにするという目標も追求している。つまり、公式には動作対象外になり最新のオペレーティングシステムと互換性はない機種でも、Appleによる計画的陳腐化政策に抵抗する意味で、最新OSを使いたいがために、買い替えなどの新しいデバイスと交換する必要がない。また、ある程度OSのリリースから時間が経つと、サポート対象外となりアップデートが停止されるが、OCLPを使うことで最新のセキュリティパッチが適用されたOSを使い続けられるメリットもある。[要出典]

脚注

  1. ^ Supported Models, auf dortania.github.io
  2. ^ Legal - ソフトウェアライセンス契約 - Apple”. Apple Legal. 2024年8月10日閲覧。
  3. ^ a b How to use OpenCore to use new macOS versions on older Macs” (英語). AppleInsider (2023年11月5日). 2024年8月10日閲覧。
  4. ^ OpenCore Legacy Patcher, auf dortania.github.io
  5. ^ Releases dortania OpenCore-Legacy-Patcher, auf github.com
  6. ^ "Supporting the patcher". dortania.github.io. 2023年6月6日閲覧
  7. ^ dosdude1's Personal Web Server, auf dosdude1.com



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