Latin Percussion
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/06/03 05:02 UTC 版)
| ファイル:Latin percuss logo.png | |
| 種類 | ブランド |
|---|---|
| 略称 | LP |
| 本社所在地 | |
| 設立 | 1964年 |
| 業種 | その他製品 |
| 事業内容 | 打楽器の製造・販売 |
| 関係する人物 | Martin Cohen(創業者) |
| 外部リンク | https://www.lpmusic.com/ |
Latin Percussion(ラテン・パーカッション、略称:LP)は、アメリカ合衆国の打楽器ブランドである。コンガ、ボンゴ、ティンバレス、カウベルなどのラテン音楽で用いられる打楽器のほか、ヴィブラスラップ、アフチェ・カバサ、ジャム・ブロックなどの製品で知られる。1964年、Martin Cohenにより創業された[1]。
歴史
創業
Latin Percussionは、1964年にMartin Cohenによって創業された[1]。Cohenは1956年、ニューヨークのクラブ「Birdland」でCal Tjaderのラテンジャズ・バンドを聴いたことをきっかけに、ラテン音楽と打楽器に関心を持つようになった[1]。当時、アメリカ合衆国ではキューバ製のボンゴ、コンガ、カウベルなどの入手が難しくなっており、Cohenは演奏家の需要に応える形で楽器製作に取り組んだ[1]。
初期には、スタジオ・ドラマーのSpecs Powellの要望を受け、ボンゴをスタンドに取り付けるためのブラケットを考案した[1]。Cohenはニューヨークのラテン音楽やジャズの演奏現場で演奏家の意見を聞きながら製品開発を進めた[1]。
製品開発
Latin Percussionは、演奏家の要望や既存楽器の問題点をもとに複数の打楽器を開発した。ヴィブラスラップは、スタジオ・ドラマーのBob RosengardenがCohenに壊れにくいキハーダの代用品を求めたことをきっかけに考案された[1]。同楽器に関する米国特許は、Martin B. Cohenを発明者として1967年に出願され、1969年に公開された[2]。
アフチェ・カバサもCohenによる開発楽器の一つである。スミソニアン協会のNational Museum of American HistoryにはLatin Percussion製のアフチェ・カバサが収蔵されており、同館はこの金属製カバサをCohenが作ったものとしている[3]。同館の資料では、1970年7月21日付の米国特許番号3521518にも言及されている[3]。
また、ジャム・ブロックは、木製ブロックの耐久性の問題を背景に、Marc QuiñonesのためにCohenが設計した製品とされる[1]。
演奏家との関係
Latin Percussionの製品開発には、ラテン音楽やジャズの演奏家との関係が大きく関わった。Carlos “Patato” Valdésは、Cohenが開発したファイバーグラス製コンガを使用した演奏家の一人であり、その使用は同製品の評価に影響した[1]。『ガーディアン』の訃報記事では、CohenがValdésのコンガを「Modelo Patato Conga」として販売したことが記されている[4]。
Tito Puenteとも関係があり、LPはPuenteのティンバレスをもとにした製品を展開した[5]。
Latin Percussion Jazz Ensemble
1979年、Cohenとオランダの代理人Alberto DeHondは、ヨーロッパ市場でラテン打楽器を広めるため、演奏家自身が楽器を実演する企画を構想した[5]。この企画からLatin Percussion Jazz Ensembleが生まれ、Tito Puente、Carlos “Patato” Valdés、Johnny “Dandy” Rodríguezらが参加した[5]。
Radio Gladys Palmeraは、Latin Percussion Jazz Ensembleについて、短期間の活動ながらラテン音楽を国際的に知らせる上で重要な役割を果たしたと評している[5]。同アンサンブルはヨーロッパで演奏やクリニックを行い、日本も訪問した[5]。松岡直也のアルバム『SON』には、Latin Percussion Jazz EnsembleのTito Puente、Carlos Patato Valdés、Johnny Rodríguez、Andy Gonzálezが特別ゲストとして参加している[6]。
企業買収
2002年秋、Kaman Music Corporationはニュージャージー州ガーフィールドのLatin Percussionを取得した[7]。同資料では、Latin Percussionは1964年にCohenにより創業され、LP、LP Aspire、Matadorなどのブランド名でコンガや手持ち打楽器を製造・流通していたとされる[7]。
2007年、Fender Musical Instruments CorporationはKaman Music Corporationの取得契約を発表した。この対象には、LP PercussionやToca Percussionなどが含まれていた[8]。
2015年、Drum WorkshopはFender傘下のKMCから、Latin Percussion、Toca Percussion、Gretsch Drums、Gibraltar Hardware、KAT Percussionなどを取得した[9]。
2022年、ローランドはDrum Workshopを子会社化するため、同社の全株式を取得する契約を発表した。ローランドの発表資料では、Drum Workshopのブランド群としてDW Drums and Hardware、Pacific Drums and Percussion、Latin Percussion、Gretsch Drums、Slingerlandが挙げられている[10]。
主な製品・開発楽器
Latin Percussionは、ラテン音楽で用いられるコンガ、ボンゴ、ティンバレス、カウベルなどの打楽器を扱っている[7]。また、ヴィブラスラップ、アフチェ・カバサ、ジャム・ブロックなど、演奏現場の需要や既存楽器の課題を背景に開発された製品でも知られる[1][3]。
- ヴィブラスラップ
- キハーダの音色を模した打楽器。Martin B. Cohenによる特許が1969年に公開された[2]。
- アフチェ・カバサ
- 自然のカバサの音を模した金属製の打楽器。Smithsonian National Museum of American HistoryにLatin Percussion製の個体が収蔵されている[3]。
- ジャム・ブロック
- 木製ブロックの耐久性の問題を背景に開発されたプラスチック製の打楽器。Marc Quiñonesのために設計された製品とされる[1]。
関連項目
脚注
- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 Mattingly, Rick. “Martin Cohen” (英語). Percussive Arts Society. 2026年6月3日閲覧。
- 1 2 “US3439572A - Percussion instrument” (英語). Google Patents. 2026年6月3日閲覧。
- 1 2 3 4 “Afuche-Cabasa” (英語). National Museum of American History. Smithsonian Institution. 2026年6月3日閲覧。
- ↑ “Carlos 'Patato' Valdés” (英語). The Guardian. (2007年12月10日) 2026年6月3日閲覧。
- 1 2 3 4 5 Arteaga, Jose (2022年1月3日). “El Latin Percussion Jazz Ensemble” (スペイン語). Radio Gladys Palmera. 2026年6月3日閲覧。
- ↑ “SON(SHM-CD)”. Warner Music Japan. 2026年6月3日閲覧。
- 1 2 3 “Kaman Music Corporation” (英語). Encyclopedia.com. 2026年6月3日閲覧。
- ↑ “Fender to Buy Kaman Music Corp.” (英語). Premier Guitar (2007年10月29日). 2026年6月3日閲覧。
- ↑ “Drum Workshop Purchases Latin Percussion, Toca Percussion, Gretsch Drums, Gibraltar Hardware, and KAT Percussion from Fender's KMC Subsidiary” (英語). Modern Drummer (2015年1月7日). 2026年6月3日閲覧。
- ↑ “Notice Regarding the Acquisition of the Shares of Drum Workshop, Inc.” (PDF) (英語). Roland Corporation (2022年9月12日). 2026年6月3日閲覧。
外部リンク
- Latin Percussionのページへのリンク