Intel 8061とは? わかりやすく解説

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Intel 8061

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/03/20 13:51 UTC 版)

Intel 8061 マイクロコントローラ(以下単に8061)は、フォード EEC-IV 自動車用エンジン制御ユニットに採用されたことでよく知られているマイクロコントローラ。Intel 8096(以下単に8096)に近い。8061 は東芝(6127 および 6126の品番)やモトローラ(現・NXPセミコンダクターズ)によってセカンドソース供給された。

概要

MCS-96 ファミリは、Ford EEC-IV エンジンコントローラファミリの最初のプロセッサである8061 を商業向けに派生させたものである。8061と8096の違いとしては、メモリインターフェースバスの仕様がある。8061の M-Bus は「バーストモード」バスで、メモリデバイス側にプログラムカウンタの追跡機能を必要とした。また、I/O ペリフェラルにも大きな違いがあり、8061には8チャンネルの HSI(パルス測定)入力、HSIピンとは完全に独立した 10 チャンネルの HSO(パルス生成)出力、そして8096よりも多チャンネルの非サンプリング型10ビットADC が搭載されていた。EEC-IVと8096の多くの相違点は、従来型のメモリインターフェースバスのためにピン数を共有し、I/Oピン数を削減した結果生じた。

8061とその派生品は、1983年から20世紀末までに製造されたほぼすべてのフォード車に使用された。このプロセッサは燃料混合比と噴射タイミング、点火進角(しばしば別の点火モジュールと連携させた)、排気ガス再循環、その他のエンジン機能を制御した。

M-Bus

8061には、M-Bus と呼ばれる11レベルのバーストモード割り込み可能な8ビットメモリインターフェースバスがある。このバスに接続する各メモリデバイスは、プログラムカウンタとデータアドレスレジスタの内蔵する必要があった。それぞれのチップがリセットや分岐命令を実行する都度、メモリデバイス内のプログラムカウンタが更新され、命令ストリームが順次読み込まれた。命令ストリームは、メモリのデータアドレスレジスタを使ってバイトまたはワード単位のデータ読み書きを行う最中に割り込みで中断でき、中断後はプログラムアドレスを再送することなく命令ストリームの読み込みを再開した。

アドレスマップ

8061は、アドレス 0010H〜00FFH の範囲に240バイトの内部レジスタファイルを持つ。I/Oアドレスは 0002H〜000FHに配置された。8061ファミリ全体において、アドレス 0000H は定数ゼロレジスタとして予約されており、相対アドレッシングモードで絶対アドレスへアクセスできた。スタックポインタは 0010H にある。8061は64Kバイトのメモリ空間をアドレス可能で、リセット時の開始アドレスは2000H、割り込みベクタは2010Hに配置されていた。

プロセスとパッケージ

8061 は 3µm N-MOS シリコンゲートプロセスで製造された。要件に応じて、プラスチック製68ピンフラットパック、セラミックパッケージ、40ピンDIPパッケージで提供された。

派生品

Fordは1982年にコロラドスプリングスにFord Microelectronics を設立し、EEC-IV ファミリの開発、自動車用のその他のカスタム回路の開発、およびガリウムヒ素集積回路市場開拓の研究を行った。このファミリには製品化されなかった8063や、大量生産された8065が含まれる。8065はメモリコントローラを内蔵し、8061や8096の64Kバイトを大きく上回る1MBのメモリをアドレス可能だった。

8063、8065、そして後のEPICは、低消費電力が可能なCMOS品となった。

8065は命令セットが拡張され、レジスタ領域が増加し、I/O機能が大幅に強化された。8065のレジスタファイルはアドレス 0020H〜03FFH に配置され、4バンクでアクセス可能となった。I/O アドレスは 0002H〜001FH、スタックポインタは00020Hにあった。

HSI

8061には、パルス入力のタイミング測定用に8チャンネルのイベントキャプチャシステムが備えられた。16ビットのタイマの値はFIFO入力に接続され、ピン入力の値が変化すると、8ピンすべての最新の状態とタイマの値がともにFIFOに格納された。FIFOは小容量のダイナミックRAMで実装されていた。


HSIは、例えばクランクシャフト位置センサーのイベントタイミングを記録し、エンジン回転数を算出する用途などに使用された。

HSO

8061は、タイミング制御出力用の10チャンネルパルスジェネレーターシステムを内蔵していた。これは小規模な連想メモリで構成され、HSI システムの16ビットタイマとイベント時刻を比較した。各イベント時刻はコマンドとともに連想メモリに書き込まれ、タイマと一致するとイベントが実行され、該当連想メモリエントリはクリアされた。連想メモリはダイナミック RAM とコンパレータで構成されていた。HSO は燃料噴射パルスのタイミング制御など、さまざまな用途に使用された。

A/Dコンバータ

8061とその派生品は、複数チャンネルのA/Dコンバータを内蔵していた。これは、エンジン温度やスロットル角度の測定、排気ガス中の酸素センサーの値の読み取りなどに使用された。

割り込み

8061には 8レベルの優先度付割り込みシステムが内蔵されていた。後継の8065では40チャンネルに拡張され、そのうち32チャンネルはHSI/HSOイベントシステムに接続されていた。

シリアルインターフェース

8061ファミリの一部のモデルには専用シリアルポートが内蔵されていた。これはポート拡張用として設計され、汎用UARTではない。

コンパニオンメモリ

8061は、ROMと小容量RAMを備えた8361などのコンパニオンメモリと組み合わせて使用された。後期の製品では、マスクROMの代わりにワンタイムプログラマブル(OTP)EPROM が採用され、部品供給の負担を増やすことなく毎年のモデルチェンジで必要となるコードの変更に対応するうえで大いに役に立った。

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