DIALSとは? わかりやすく解説

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DIALS

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/09 06:06 UTC 版)

DIALS(ダイアルス、Dendenkosha Immediate Arithmetic and Library System)はかつて日本電信電話公社プッシュホン加入者向けに公衆交換電話網で提供していた電話計算サービス。プッシュホンを使って計算を行う自動応答サービスである。1970年9月26日に開始され、1982年10月に終了した。

背景

1966年日本電信電話公社郵政省(当時)に働きかけ、データ通信サービス実施の許可を得た。これを受けて公社内に現在のNTTデータの前身であるデータ通信本部が設置される。データ通信本部は、1970年に公衆回線を介した3種類のサービスを開始した[1]

  • DEMOS - DEnden Kosha Multiaccess On-line System(科学技術計算サービス)、1971年3月29日サービス開始
  • DRESS - Denden Kosha REal-time Sales-management System(販売在庫管理サービス)、1970年9月16日サービス開始
  • DIALS - Denden Kosha Immediate Arithmetic and Library System(電話計算サービス)、1970年9月26日サービス開始

このうちDIALSはプッシュホンで手軽に利用できることを売りとしたが、電卓と競合したため瞬く間に需要が低下し、1982年10月にサービスを終了した。

DEMOSとDRESSは、共にテレックス型の端末(データ宅内装置)を宅内に設置してセンターのメインフレームを公衆回線経由でタイムシェアリングで利用するサービスである。DEMOSは利用者によるFORTRAN(JIS7000レベル)プログラムの作成と実行、DRESSは電電公社が利用者個別に設計・作成した業務プログラムの利用が提供された。設置する端末は買取りとレンタルが選択でき、料金は回線利用料・CPU利用料・私有ファイル利用料などで課金された。利用者には「010」+4桁の発信番号が与えられた。サービスは1985年の民営化以降も継続し、DEMOSは1995年、DRESSは1996年までサービス提供された。

サービス内容

電話番号は「010-0111」である。利用可能区域はセンターまたはサブセンターの設置された単位料金区域及びその隣接単位料金区域。サービス提供時間は8時~21時。3種類の計算が行えた。

直接計算サービス
計算式を直接入力して計算を行う。電話機を電卓の代わりにするようなイメージである。
定義計算サービス
あらかじめ変数を含む計算式を入力してセンターに登録し、後から変数の値を入力することで計算値を求めるもの。同一の計算式を使って変数の値を変えて何度でも計算できる。
ライブラリ計算サービス
センターに用意してある複利計算、代数方程式、数値積分などのライブラリプログラムを利用して計算を行うもの。ユーザーは使用したいライブラリ番号とパラメータを入力する。

この他に電話番号「010-0911」で練習が行えた。これは別冊の練習問題に従いボタン操作を行うもので、操作を間違えると音声で教えてくれた。

サービスを利用する際の申し込みは必要なく、プッシュ回線を契約していれば利用することができた。料金はセンターとの接続時間で21秒毎に7円が課金された。利用者向けにDIALSマニュアルとライブラリ集が電電公社より配布されていた。

なお市外局番010は、DIALSの廃止後に一時的に携帯電話の市外局番として使用され、現在は国際電話をかけるときの国際プレフィックスとして使用されている。

利用方法

DIALSサービスを利用する際は、プッシュホンのボタン面に専用のオーバーレイシートを付ける。これは「赤ボタン + 数字」で入力できる記号がプリントされたもので、各数字ボタンに次の記号が付帯される。

DIALS用のカバーを付けたプッシュホンのボタン
数字 記号 内容 数字 記号 内容 数字 記号 内容
1 ( カッコ 2 ) 右カッコ 3 : 代入
A アンサー D データ F ファンクション
4 , データ区切り 5 . 小数点 6 ² 2乗



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