牛丼動画ストーカー事件とは？わかりやすく解説

牛丼動画ストーカー事件(ぎゅうどんどうがすとーかーじけん)は、愛知県警岡崎署が2017年（平成29年）2月14日、YouTubeへの動画投稿で生計を立てる「YouTuber」として人気の岡崎市市内の男性（23）宅に押し掛けたとして、ストーカー規制法違反の疑いで、千葉県市原市の自称派遣社員の女（28）を逮捕した事件である。

この事件は単なるストーカー事件ではなく、一般的なテレビタレントと比べ私生活の露出が多い「YouTuber」の動画制作を根本から揺るがす事件となった。

事件の概要

愛知県警岡崎署は１４日、動画投稿サイト「YouTube」に１５００メートルを全力疾走した直後に牛丼を食べる動画を投稿した男性（２３）宅に押し掛けたとして、ストーカー規制法違反の疑いで、千葉県市川市中山、自称派遣社員の女（２８）を逮捕した。容疑者は「動画を見て恋愛感情を持った」と話したが、家への訪問について「本人の了承は得ている」と一部容疑を否認していた。

逮捕容疑は１０日午後５時半ごろ、愛知県内の男性宅に押し掛け同署から警告を受けたが、１４日午前０時１５分ごろにも家の呼び鈴を鳴らすストーカー行為をした疑い。

容疑者はYouTuberの男性と面識はなく、動画に映った駐車違反のステッカーなどから、男性の住所を割り出していた。

犯行動機

容疑者は「動画を見て恋愛感情を持った」と話しており、被害者男性が所属するYouTubeグループが2016年（平成28年）9月13日にYouTube上に公開した「新競技「1500m牛丼」で世界新記録達成！！」(以下牛丼動画)という題名の動画を閲覧し、恋愛感情を持った事からストーカー事件に発展するに至る。この牛丼動画は、被害者男性が所属するYouTubeグループの4人が陸上競技場のトラックで1500メートルを走り、牛丼を食べ終えるまでのタイムを競う内容だったという。

容疑者のTwitter上のでは、あたかも自身が被害者男性と恋愛関係にあるような投稿を繰り返しており、容疑者は牛丼動画を閲覧したことで、被害者男性に恋愛感情を抱き、自身が被害者男性と恋愛関係にあると思い込んでしまったと思われる。容疑者の父親は「娘は昔から思い込みの激しいタイプ」と述べている。

その後

牛丼動画ストーカー事件で逮捕された容疑者女性は、同年12月に別のYouTuberに対するストーカー規制法違反と住居侵入容疑で再逮捕されている。YouTuberで20歳代男性の自宅に無断で押しかけたなどとして、静岡県警は同年12月25日、千葉県市川市、容疑者女性をストーカー規制法違反と住居侵入容疑で現行犯逮捕した。発表によると、女は同日午前4時15分頃、同法に基づくつきまとい行為の禁止命令を受けていたにもかかわらず、同日午前4時40分頃、静岡県中部にある男性宅に押しかけ、侵入した疑い。警察の調べには「約束があった」などと答え、容疑を一部否認していた。被害者の20歳代男性がYouTube上に投稿した動画によると、女は11月21日の夜7時頃、被害者男性宅を訪問した。呼び鈴を鳴らしても無視された女は、チャイムを連打。玄関ドアを叩いたり、座り込んだりしたという。家の周辺をうろつく様子も監視カメラに収められていた。結局1時間ほど家の前に居座っていたという。