ズルフィヤ・チンシャンロとは? わかりやすく解説

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ズルフィヤ・チンシャンロ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/02 05:14 UTC 版)

獲得メダル

2009年世界選手権にて
カザフスタン
重量挙げ
オリンピック
2020 東京 55kg級
剥奪 2012 ロンドン 53kg級
世界選手権
2009 高陽 53kg級
2011 パリ 53kg級
2014 アルマトイ 53kg級
アジア競技大会
2010 広州 53kg級
2014 仁川 53kg級
ユースオリンピック
2010 シンガポール 53kg級

ズルフィヤ・チンシャンロ(Zulfiya Chinshanlo、カザフ語: Зүлфия Салахарқызы Чиншанло1993年7月25日 - )は、カザフスタン重量挙げ選手。中華人民共和国出身であり、中国名は趙 常玲(ちょう じょうれい、ジャオ・チャンリン)。

重量挙げ女子53kg級クリーン&ジャークの世界記録保持者であった[注 1]

経歴

中国湖南省永州市道県出身の回族。女子重量挙げ選手としての才能を見込まれ、中国の「狼育成計画」の一環として、2007年、14歳の時に湖南省重量挙げ管理センターよりカザフスタンへ、マイア・マネザ英語版(中国名:姚麗)とともに渡らされる[1]。カザフスタンに帰化し、世界選手権など各大会に出場。2009年の世界選手権53kg級で初優勝。

カザフスタンの切手になったチンシャンロ

2012年のロンドンオリンピックでは、女子ウエイトリフティング53kg級でオリンピック記録を塗り替えて金メダルを獲得する。IOCの登録ではカザフスタンのアルマトイ出身とされ、ロンドン滞在中には中国語が話せないふりをしていたが、同大会後に自身の出自が中国であることを明かし[1]、同年10月、「契約が切れた」という理由で中国国籍を再取得を希望した[注 2][3]。中国の「狼育成計画」を報じたメディアによると、契約期間は2007年9月20日から2012年9月15日までの5年間だったとされる。しかし、カザフスタン側はチンシャンロの国籍離脱を許さず、中国側も積極的ではなかったため、中国国籍復帰は実現しなかった[1]

2016年6月、ロンドンオリンピックでのドーピングテストで使用された検体から禁止薬物が検出されたため、同大会で獲得した金メダルを剥奪された[4]

2021年の東京オリンピックで、再度カザフスタン代表に選出。なお、このときもアルマトイ出身とされた[5]女子ウエイトリフティング55kg級に出場し、銅メダルを獲得した[6]

脚注

注釈

  1. ^ 2014年より保持していたが、2018年から階級の基準が変更されたため、現在は記録が無効化されている。
  2. ^ なお、チンシャンロと同時期にカザフスタンに渡ったとされるマイア・マネザは、「私はカザフスタン出身で、中国で訓練を受けたこともない」「ただ中国で10年暮らしたことがあるだけだ」と、自身が中国人であることを否定している[2]

出典

  1. ^ a b c 北村豊 (2016年8月19日). “中国のドーピングと「狼育成計画」の深い闇”. 日経ビジネス電子版. https://business.nikkei.com/atcl/opinion/15/101059/081700061/ 2021年8月11日閲覧。 
  2. ^ 国籍を変えて活躍する中国出身のアスリートたち (6)”. --人民網日本語版--人民日報. 2021年8月11日閲覧。
  3. ^ “契約が切れたので中国人に戻ります……「カザフスタンの金メダリスト」が帰国”. レコードチャイナ. (2012年10月25日). オリジナルの2016年8月22日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160822231721/https://www.recordchina.co.jp/a65800.html 2016年8月8日閲覧。 
  4. ^ IWF public disclosures
  5. ^ ズルフィア・チンシャンロ - ウエイトリフティング | 東京2020オリンピック競技大会” (日本語). olympics.com. 2021年8月3日閲覧。
  6. ^ Weightlifting - Women's 55kg - Medallists”. olympics.com (2021年7月26日). 2021年8月3日閲覧。

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