スメリ (潜水艦)とは? わかりやすく解説

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スメリ (潜水艦)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/03 22:32 UTC 版)

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スメリ (Smeli) はユーゴスラビア海軍英語版の潜水艦。オスヴェトニク(またはスメリ)級英語版

フランス、ナントロワール造船所で建造された[1]。1927年起工[2]。1928年12月1日進水[3]。1929年11月26日就役[2]。1929年12月9日に「スメリ」と「オスヴェトニク」はコトル湾に到着した[4]

1930年、「スメリ」などユーゴスラビアの潜水艦4隻はベイルートアレクサンドリアを訪問[5]。1934年10月、「スメリ」はチュニジアのビゼルトとKelibia Roadsを訪問した[6]。1937年8月、9月には潜水艦「フラブリ英語版」および母艦「ズマイ」とともにギリシャのピレウスクレタ島コルフ島などを訪問した[7](1937年に4隻でピレウスを訪問し、その後潜水艦2隻は帰国したとも[8])。

1941年4月6日、枢軸国軍によるユーゴスラビア侵攻が始まる。4月9日、「スメリ」と「ネボージャ英語版」はイタリア船団を攻撃すべくコトル湾より出撃[9]。しかし敵を発見できず、また「スメリ」は荒れた海で損傷[10]。4月14日または15日に「スメリ」は帰投し、修理のためティヴァトへ向かった[11]。 4月17日、「スメリ」はコトル湾においてイタリア第17軍団に捕獲された[12][13]

「スメリ」は「N2」と称された[8]。「N1」(旧「オスヴェトニク」)とともにラ・スペツィアで改装がなされ、司令塔は作り替えられ、40㎜対空砲は撤去されてブレダ13.2㎜機銃が2基搭載された[8]。これにより水上排水量は665英トン (676 t) 、水中排水量は822英トン (835 t) となった[14]

1941年4月25日、19世紀の政治家にちなむ「アントニオ・バヤモンティ (Antonio Bajamonti)」という艦名がつけられた[8]

潜水時の安定性や良好な潜航時間にもかかわらず、艦齢や潜航深度の浅さから用途は訓練や実験用に限られた[14]。最初はポーラの潜水艦学校に、次いでラ・スペツィアの対潜学校に配置された[2]。1942年3月には「アントニオ・バヤモンティ」はH部隊捜索に出撃している[2]

イタリア降伏翌日の1943年9月9日にラ・スペツィアで自沈[3]

要目

  • 排水量:水上630英トン (640 t)、水中809英トン (822 t)
  • 全長:66.5m(218フィート2インチ)
  • 幅:5.4m(17フィート9インチ)
  • 吃水:3.8m(12フィート6インチ)
  • 機関:MANディーゼル機関2基(1,480馬力)、Nancy電動機2基(1,000馬力)、2軸
  • 速力:水上14.5ノット、水中9.2ノット
  • 兵装:550㎜魚雷発射管6、100㎜砲1、40㎜対空砲1

脚注

  1. ^ Bagnasco 1977, p. 171.
  2. ^ a b c d Warships of the Royal Yugoslav Navy 1918-1945, p. 172
  3. ^ a b Chesneau 1980, p. 358.
  4. ^ Jarman 1997b, p. 183.
  5. ^ Warships of the Royal Yugoslav Navy 1918-1945, p. 170
  6. ^ Jarman 1997b, p. 544.
  7. ^ Jarman 1997b, p. 838.
  8. ^ a b c d Warships of the Royal Yugoslav Navy 1918-1945, p. 171
  9. ^ Adriatic Naval War 1940-1945, p. 96
  10. ^ Adriatic Naval War 1940-1945, pp. 96-97
  11. ^ Adriatic Naval War 1940-1945, p. 97
  12. ^ Bagnasco 1977, p. 251.
  13. ^ Terzić 1982, p. 457.
  14. ^ a b Bagnasco 1977, pp. 170–171.

参考文献

  • Bagnasco, Erminio (1977). Submarines of World War Two. Annapolis, Maryland: Naval Institute Press. ISBN 978-0-87021-962-7 
  • Chesneau, Roger, ed (1980). Conway's All the World's Fighting Ships, 1922–1946. London, England: Conway Maritime Press. ISBN 978-0-85177-146-5 
  • Fontenoy, Paul E. (2007). Submarines: An Illustrated History of Their Impact. Santa Barbara, California: ABC-CLIO. ISBN 978-1-85109-563-6 
  • Jarman, Robert L., ed (1997b). Yugoslavia Political Diaries 1918–1965. 2. Slough, Berkshire: Archives Edition. ISBN 978-1-85207-950-5 
  • Terzić, Velimir (1982) (Serbo-Croatian). Slom Kraljevine Jugoslavije 1941 : uzroci i posledice poraza. 2. Belgrade, Yugoslavia: Narodna knjiga. OCLC 10276738 
  • Zvonimir Freivogel, Achille Rastelli, Adriatic Naval War 1940-1945, Despot Infinitus, 2015, ISBN 978-953-7892-44-9
  • Zvonimir Freivogel, Warships of the Royal Yugoslav Navy 1918-1945, Yugoslav Warships and their Fates Volume 1, Despot Infinitus, 2020, ISBN 978-953-8218-72-9

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