ジョン・マッシー (第6代マッシー男爵)とは? わかりやすく解説

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ジョン・マッシー (第6代マッシー男爵)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/20 15:07 UTC 版)

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第6代マッシー男爵ジョン・トマス・ウィリアム・マッシー英語: John Thomas William Massy, 6th Baron Massy1835年8月30日1915年11月28日)は、アイルランド貴族。1876年から1915年までアイルランド貴族代表議員を務めた[1]。豪奢な生活を送り、晩年には財政難に陥った[2]

生涯

第4代マッシー男爵ヒュー・ハモン・マッシー(1793年2月13日 – 1836年9月27日)と妻マティルダ(Matilda、旧姓ホワイト(White)、1799年ごろ – 1883年2月27日、ルーク・ホワイト英語版の娘)の息子として、1835年8月30日に生まれた[1]

1863年にリートリム県長官英語版を、1873年にリムリック県長官英語版を務め、リートリム県リムリック県治安判事副統監を務めたこともあった[1][3]

1874年2月27日に兄ヒュー・ハモン・インゴルズビーが死去すると、マッシー男爵位を継承した[1]。1876年3月14日にアイルランド貴族代表議員に選出され[4]、1915年に死去するまで務めた[5]貴族院では保守党に属したが[1]、登院することは少なく、弁論で発言することはさらに少なかった[6]。アイルランド自治問題には連合維持英語版の立場であり、1910年のインタビューで自治運動が内戦を引き起こすと述べた[2]

1915年11月28日にダブリン県キラキー英語版で死去、息子ヒュー・サマセット・ジョンが爵位を継承した[1]。遺体は12月2日にリムリック県カースルコネル英語版に運ばれ、同地で埋葬された[6]

家族と私生活

1863年3月19日、ルーシー・マリア・バトラー(Lucy Maria Butler、1837年11月19日 – 1896年7月25日、第3代キャリック伯爵サマセット・リチャード・バトラーの娘)と結婚[1]、1男2女をもうけた[7]。マッシー男爵と息子との関係は1893年ごろに悪化し、男爵は遺言状で息子に言及せず、何も贈与しなかった[2]

  • ヒュー・サマセット・ジョン(1864年2月15日 – 1926年10月20日) - 第7代マッシー男爵[1]
  • ルーシー・マティルダ・アン(1865年5月21日 – 1941年4月8日) - 1889年11月13日、チャールズ・デイヴィス・ギネス(Charles David Guinness、1939年2月7日没)と結婚、子供あり[7]
  • マティルダ・イザベラ(1867年8月16日 – 1963年以降) - 1889年11月13日、スペンサー・チャールズ・ヴァンシッタート(Spencer Charles Vansittart、1928年8月9日没)と結婚、子供あり[7]

1876年時点でリートリム県に24,571エーカーの、リムリック県に8,568エーカーの、ティペラリー県に1,120エーカーの領地を所有し合計で年収11,689ポンド相当だった[3]。1883年時点ではリートリム県24,571エーカー、リムリック県8,432エーカー(合算で年収12,101ポンド相当)になった[8]。同年に母が死去すると、ミルフォード・ハウス(Milford House)をエドマンド・マグリン・ラッセル(Edmund Maglin Russell)に売却した[9]

マッシー男爵はアシュボーン法英語版(1885年)とバルフォア法(1891年施行)を受けて領地の一部売却に同意したが、大不況の最中での売却だったため大きな損失を出しており、ウィンダム法(1903年)まで待っていれば価格が5割以上増になっていたという試算がある[10]。しかも狩猟会やハウスパーティーを頻繁に開催したため出費が重ね、投資した鉄道会社から一度も配当を受けられなかった(マッシー男爵は鉄道会社に10,500ポンド投資したが、男爵が死去した時点で持ち株の価値が131ポンドまで下がった[11])。また、高級な洋服にこだわりがあり、狩猟会のために自動車を購入した[12]。1912年にラリーン(Lareen)の領地を、1913年に夏の別荘であるマッシー・ロッジ(Massy Lodge)を売却していたことから、晩年には財政難に陥ったことがわかる[2]

狩猟のほか、鮭釣りを趣味とした[11]

出典

  1. ^ a b c d e f g h Cokayne, George Edward; Doubleday, Herbert Arthur; Howard de Walden, Thomas, eds. (1932). The Complete Peerage, or a history of the House of Lords and all its members from the earliest times (Lindley to Moate). 8 (2nd ed.). London: The St. Catherine Press. p. 550.
  2. ^ a b c d Tracy, Frank (March 2005). If Those Trees Could Speak: The Story of an Ascendancy Family in Ireland (PDF) (英語). Dublin: South Dublin Libraries. p. 55. ISBN 0954766024
  3. ^ a b De Burgh, U. H. Hussey (1878). The Landowners of Ireland (英語). Dublin: Hodges, Foster, and Figgis. p. 309.
  4. ^ "No. 24306". The London Gazette (英語). 17 March 1876. p. 1963.
  5. ^ "No. 29442". The London Gazette (英語). 18 January 1916. p. 731.
  6. ^ a b Tracy, Frank (March 2005). If Those Trees Could Speak: The Story of an Ascendancy Family in Ireland (PDF) (英語). Dublin: South Dublin Libraries. p. 38. ISBN 0954766024
  7. ^ a b c Townend, Peter, ed. (1963). Burke's Genealogical and Heraldic History of the Peerage, Baronetage and Knightage (英語). 2 (103rd ed.). London: Burke's Peerage Limited. p. 1625.
  8. ^ Cokayne, George Edward, ed. (1893). Complete peerage of England, Scotland, Ireland, Great Britain and the United Kingdom, extant, extinct or dormant (L to M) (英語). 5 (1st ed.). London: George Bell & Sons. p. 272.
  9. ^ Tracy, Frank (March 2005). If Those Trees Could Speak: The Story of an Ascendancy Family in Ireland (PDF) (英語). Dublin: South Dublin Libraries. p. 47. ISBN 0954766024
  10. ^ Tracy, Frank (March 2005). If Those Trees Could Speak: The Story of an Ascendancy Family in Ireland (PDF) (英語). Dublin: South Dublin Libraries. p. 48. ISBN 0954766024
  11. ^ a b Tracy, Frank (March 2005). If Those Trees Could Speak: The Story of an Ascendancy Family in Ireland (PDF) (英語). Dublin: South Dublin Libraries. pp. 49, 51–52. ISBN 0954766024
  12. ^ Tracy, Frank (March 2005). If Those Trees Could Speak: The Story of an Ascendancy Family in Ireland (PDF) (英語). Dublin: South Dublin Libraries. p. 54. ISBN 0954766024

外部リンク

アイルランドの爵位
先代:
ヒュー・マッシー
マッシー男爵
1874年 – 1915年
次代:
ヒュー・マッシー



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