アスプローバとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > ビジネス > 企業情報 > アスプローバの意味・解説 

アスプローバ株式会社

工場向け生産スケジューリングシステム"Asprova"の研究・開発販売およびシステムインテグレーション・システムコンサルテーション

事業区分
代表者 高橋邦芳
本社所在地 142-0051
東京都 品川区 平塚2-5-8 五反田ミカドビル8F
企業URL http://japan.zdnet.com/company/20168688/
設立年月日 1994年0201
上場区分 非上場
資本金 20,000,000


※「ZDNet Japan 企業情報に関するお問い合わせこちら

アスプローバ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/20 15:27 UTC 版)

アスプローバ
Asprova Corporation.
種類 株式会社
本社所在地 日本
141-0031
東京都品川区西五反田7-9-2 KDX五反田ビル3F
設立 1994年 2月1日
業種 情報・通信業
事業内容 SCM / 生産スケジューリングシステム”Asprova”の研究・開発・販売およびシステムインテグレーション・システムコンサルテーション
代表者 代表取締役社長 田中智宏
資本金 2,000 万円
外部リンク https://www.asprova.jp/
テンプレートを表示

アスプローバ株式会社(英:Asprova Corporation)は、東京都品川区に本社を置く日本のソフトウェア企業である。

概要

1994年に日本初の生産スケジューラ専門会社「株式会社スケジューラー研究所」として設立され、以来、生産スケジューリングシステム「Asprova(アスプローバ)」の開発・販売に特化して事業を展開している。[1]同社は情報通信業に分類され、SCM(サプライチェーン管理)や生産スケジューリング分野のソリューション提供を事業内容としている。代表取締役社長は田中智宏(たなか ともひろ)で、創業者は高橋邦芳(たかはし くによし)である。[2]コーポレートミッションは「最適な生産スケジューリングで、ものづくりの喜びと社会の豊かさを支えます」と定められている。[3]

Asprovaは製造業向けの生産計画立案ソフトウェアであり、工場の様々な制約条件を考慮して最適な生産スケジュールを自動で作成し、工程間の過不足を排除した計画を出力することができる。国内の製造業で幅広く利用されており、日本国内の生産スケジューラ市場でトップシェアを占める製品として知られる。[4]製造業の生産現場にデジタル技術をいち早く導入した例として評価が高く、2018年には同社の開発チームが「ものづくり日本大賞」において経済産業大臣賞を受賞するなど国内外で多数の賞を受けている。[5]また、同社の生産スケジューラは発売以来順調に普及し、2020年代までに世界累計で3,000サイト以上の導入実績を持つに至っている。[6]

沿革

1990年代

  • 1994年2月1日:高橋邦芳により「株式会社スケジューラー研究所」として創業。国内初の生産スケジューラ開発・販売専門企業としてスタート
  • 1990年代後半:独自開発製品「Asprova」を完成
  • 1996年:本社を東京都品川区平塚へ移転
  • 1997年:資本金を2,000万円に増資
  • 1999年:社名を「アスプローバ株式会社」に改称

2000年代

  • 2005年:中国・北京に現地法人を設立[7]
  • 2006年:韓国に現地法人を開設
  • 2007年:ドイツ(当初 Asprova AG、現 Asprova GmbH)に欧州拠点を設立[8]・上海市に営業所を開設・東京工業大学蔵前工業会「蔵前ベンチャー賞奨励賞」受賞[9]・Japan Venture Awards起業家部門奨励賞受賞[10]
  • 2008年:上海営業所を「派程(上海)軟件科技有限公司」として子会社化・SCSK(当時:住商情報システム)とSAP NetWeaver xMII連携ソリューションを共同開発し、SAP認定を取得[11]

2010年代

  • 2010年:米国メリーランド州に Asprova USA, Inc. を設立[12]
  • 2010年:マレーシア・クアラルンプールに Asprova Asia Sdn. Bhd. を設立[13]
  • 2010年:サプライチェーン管理製品「Asprova SCM」をリリース
  • 2011年前後:中国商用ソフトウェア賞 SCM分野 TOP10など複数受賞[14]
  • 2012年:本社を東京都品川区西五反田(KDX五反田ビル)へ移転[15]
  • 2013年:ポーランド国際見本市で金賞受賞[16]
  • 2015年:「日食優秀食品機械資材・素材賞」受賞[17]
  • 2019年:創業者・高橋邦芳が代表取締役会長に、田中智宏が代表取締役社長に就任

2020年代

  • 2022年:オプション機能 Solver をリリース
  • 2024年:Webアプリ「Asprova My Schedule」をリリース
  • 2024年:スキル管理システム「Skillnote」との連携を開始
  • 2024年:自動車部品業界向け最適化AIパッケージ「Asprova Auto MPS」を発売
  • 2025年:組立ライン向け「Asprova Auto Assembly」、成形加工工程向け「Asprova Auto Mold」を発売

製品

同社の主力製品である「Asprova」は、製造ラインの各設備や要員に対する日程計画を秒単位の精度で立案でき、各作業の開始・終了時刻や段取り替えを考慮した実行可能な指示をガントチャート形式で出力する 。これにより、従来はベテラン計画担当者の経験と勘に頼っていた生産日程の調整をシステムが自動化し、短納期対応や在庫削減、稼働率向上などを実現するツールとして機能する 。[18]日本国内で導入された生産スケジューラ製品としては標準的な存在であり、「国内トップブランドの生産スケジューラ」として計画業務の効率化による製造DXへの貢献が謳われている 。

Asprovaは基本モジュールに加えて、追加オプションや関連製品をラインナップしている。たとえば「Solverオプション」はAI(人工知能)技術を活用して生産計画の最適化を自動で行う機能で、計画担当者が評価指標を設定するだけで納期遅延最小化などの目標に沿ったスケジュールを高速に生成できる。[19]「Asprova My Schedule」は2024年にリリースされたWebアプリケーションであり、現場の端末(PCやタブレット)から生産計画の参照や実績データ入力を可能にする。これにより、生産管理部門が作成した計画を現場作業者とリアルタイムに共有し、進捗の見える化やフィードバックの迅速化が図られている。[20]

2013年時点で日本国内シェア58.4%を占め 、2010年代を通じて国内シェアNo.1の地位を維持してきた。2020年3月末には全世界で累計3,000サイトのライセンス出荷を達成し 、その後も増加を続けている。2025年5月現在の公式発表によれば、日本国内で2,674サイト、海外で1,168サイトの導入実績があり 、全世界合計で3,800サイト以上に達する。[21]

拠点

国内拠点

  • 本社:東京都品川区西五反田7丁目 KDX五反田ビル
  • 大阪支店:大阪市福島区(西日本地区の営業・サポート拠点)

海外拠点

  • 中国:派程(上海)軟件科技有限公司(上海市)・駐在事務所(深圳市)
  • 韓国:Asprova Korea(ソウル特別市、2006年設立)
  • ドイツ:Asprova GmbH(ヘッセン州ヴェッツラー)
  • 米国:Asprova USA, Inc.(メリーランド州ボウイ)
  • 東南アジア:Asprova Asia Sdn. Bhd.(マレーシア・クアラルンプール)
  • その他:タイ、台湾、欧州各国に代理店網を展開(約20か国で販売・サポート体制)[22]

関連会社・パートナー企業

アスプローバ株式会社は独立系のソフトウェアベンダーであり、大企業の傘下には属していない。そのため、自社製品の販売や導入支援においてはパートナー企業(販売代理店やSI企業)との協業体制が重要な位置を占める。同社ではパートナー企業による代理店販売を基本戦略としており、日本国内および海外の各市場で複数の販売パートナーと提携している 。例えば、日本国内ではキヤノンITソリューションズ[23]や日立産業制御ソリューションズ[24]、SCSK[25]など、大手IT企業がAsprovaの販売・導入支援パートナーとなっている 。これらのパートナー企業は、基幹システム提案の一環としてAsprovaを組み込んだソリューションを提供し、導入時のカスタマイズや他システムとの連携開発をサポートしている。アスプローバ社自身も公式にパートナープログラムを設けており[26]、新規パートナーの募集や技術研修を通じて販路拡大と顧客支援力の強化を図っている。

技術面での協業としては、他社ソフトウェアとの連携ソリューション提供が挙げられる。2008年にはウイングアーク社と協業し、自社のAsprovaとウイングアークの帳票基盤ソフト「SVF(Super Visual Formade)」を連携させて、生産計画から現場への作業指示帳票を迅速に発行できるソリューションを発表した。[27]これにより、秒・分単位の詳細な生産スケジュールに対応した帳票をボタン一つで出力し、現場への指示伝達を効率化する仕組みを提供している。同様に、ERPやMESとのデータ連携にも注力しており、前述のSAPとの連携ソリューション(SAP ERP + AsprovaのxMII連携) や、自社開発のスケジューラ連携ビューア「Asprova MES」(2003年提供開始) など、上位・下位システムとのインターフェースを拡充してきた。近年では2024年にスキルノート(Skillnote)社との提携を行い、Skillnoteが提供する製造現場のスキル管理システムとAsprovaを連動させるサービスを開始した。この連携により、各作業者の技能データを生産スケジュールに反映し、人員配置計画の最適化や要員育成計画の立案支援を実現している。[28]こうしたパートナー企業との協業は、Asprova単体では提供しきれない周辺機能を補完し、顧客に対する付加価値を高める狙いがある。

脚注

  1. ^ 沿革 - 生産スケジューラ Asprova APS | アスプローバ株式会社” (2017年11月22日). 2025年8月11日閲覧。
  2. ^ アスプローバ株式会社 の企業情報|社長"直結"メディア『社長名鑑』”. shachomeikan.jp. 2025年8月11日閲覧。
  3. ^ 企業理念と経営哲学 - 生産スケジューラ Asprova APS | アスプローバ株式会社” (2024年6月4日). 2025年8月11日閲覧。
  4. ^ 生産スケジューラ「Asprova APS」ソリューション:日立産業制御ソリューションズ”. info.hitachi-ics.co.jp. 2025年8月11日閲覧。
  5. ^ アスプローバ(株)の開発陣が「日本ものづくり大賞 経済産業大臣賞」を授賞”. 蔵前工業会. 2025年8月11日閲覧。
  6. ^ 創業者メッセージ - 生産スケジューラ Asprova APS | アスプローバ株式会社” (2023年3月22日). 2025年8月11日閲覧。
  7. ^ 日経クロステック(xTECH) (2006年2月27日). “アスプローバ,現地法人を開設し中国市場を本格的に開拓へ”. 日経クロステック(xTECH). 2025年8月11日閲覧。
  8. ^ ドイツに海外現地法人Asprova AGを設立 - 生産スケジューラ Asprova APS | アスプローバ株式会社” (2008年1月30日). 2025年8月11日閲覧。
  9. ^ 『第1回蔵前ベンチャー賞』受賞者記念講演会”. 蔵前工業会. 2025年8月11日閲覧。
  10. ^ ベンチャーの祭典「JVA2007」、経産大臣賞は環境経営総研の松下氏が受賞”. CNET Japan (2007年2月3日). 2025年8月11日閲覧。
  11. ^ AsprovaがSAP NetWeaver xMIIの認定を日本で最初のISVベンダーとして取得 / アスプローバ株式会社 / 2008年04月06日 - DirectPress!無料プレスリリース”. www.directpress.jp. 2025年8月11日閲覧。
  12. ^ 生産スケジューラのアスプローバ、アメリカジョージアに現地法人設立 - 生産スケジューラ Asprova APS | アスプローバ株式会社” (2010年4月23日). 2025年8月11日閲覧。
  13. ^ 日経クロステック(xTECH) (2010年9月1日). “アスプローバ、マレーシアに現地法人設立---SCM/生産スケジューラのサポート体制を充実”. 日経クロステック(xTECH). 2025年8月11日閲覧。
  14. ^ Asprovaは中国で受賞しました! - 生産スケジューラ Asprova APS | アスプローバ株式会社” (2009年12月22日). 2025年8月11日閲覧。
  15. ^ 株式会社ロジスティクス・パートナー. “アスプローバ/本社を移転”. 物流(ロジスティクス)ニュースのLNEWS. 2025年8月11日閲覧。
  16. ^ アスプローバ、海外サポート体制を強化、タイオフィス開設 5月22日(水)タイにて“製造業向け業務改善セミナー”開催 「海外生産拠点のあるべき姿とは」”. www.atpress.ne.jp. 2025年8月12日閲覧。
  17. ^ 日本食糧新聞社|第18回日食優秀食品機械資材・素材賞”. info.nissyoku.co.jp. 2025年8月12日閲覧。
  18. ^ Asprova概要 - 生産スケジューラ Asprova APS | アスプローバ株式会社” (2022年11月9日). 2025年8月12日閲覧。
  19. ^ Solverオプション - 生産スケジューラ Asprova APS | アスプローバ株式会社” (2023年3月27日). 2025年8月12日閲覧。
  20. ^ Asprova My Schedule - 生産スケジューラ Asprova APS | アスプローバ株式会社” (2024年3月27日). 2025年8月12日閲覧。
  21. ^ トップページ - 生産スケジューラ Asprova APS | アスプローバ株式会社” (2025年5月25日). 2025年8月12日閲覧。
  22. ^ 海外ネットワーク - 生産スケジューラ Asprova APS | アスプローバ株式会社” (2017年11月22日). 2025年8月12日閲覧。
  23. ^ 生産スケジューラ Asprova(アスプローバ)|キヤノンITソリューションズ”. キヤノンITソリューションズ:Canon IT Solutions Inc.(Japan). 2025年8月12日閲覧。
  24. ^ 生産スケジューラ「Asprova APS」ソリューション:日立産業制御ソリューションズ”. info.hitachi-ics.co.jp. 2025年8月12日閲覧。
  25. ^ Asprova”. SCSK株式会社. 2025年8月18日閲覧。
  26. ^ パートナー募集 - 生産スケジューラ Asprova APS | アスプローバ株式会社” (2024年9月13日). 2025年8月12日閲覧。
  27. ^ 株式会社ロジスティクス・パートナー (2008年4月21日). “アスプローバ、ウイングアーク/生産計画、帳票基盤ソリューションが連携”. LNEWSバックナンバー. 2025年8月12日閲覧。
  28. ^ 生産スケジューラ「Asprova APS」、スキルマネジメントシステム「Skillnote」と連携開始[アスプローバ] | NIKKEI COMPASS - 日本経済新聞”. www.nikkei.com. 2025年8月12日閲覧。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「アスプローバ」の関連用語

アスプローバのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



アスプローバのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ZDNetZDNet
Copyright ASAHI INTERACTIVE, Inc. All Rights Reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのアスプローバ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS