Ingress
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/05 08:30 UTC 版)
ストーリー
世界には、人間の心身に対して“啓発的な”効果を及ぼす謎の物質が存在していた。CERNでの実験で偶然この物質を発見した研究者たちは、この物質を「エキゾチック・マター (XM)」と呼んだ。XMの研究のため、NIA(アメリカ国家情報局)はCERN付近に研究者らを集め「ナイアンティック計画」(Niantic Project)を立ち上げた。その過程で、XMは秩序と知性を持つと考えられること、臨界量を超えるXMに被曝した者は「シェイパー」と呼ばれる存在の影響を受け彼らに侵略されるということが判明した。人類の文化や古代文明の発展も、その滅亡も、シェイパーの影響によるものではなかったかと考える者もいる。
XMは全世界に分布していたが、とりわけ、文化的・芸術的・宗教的に重要な場所に密集しており、このような場所は「XMポータル」と呼ばれた。
しかし、2012年11月30日深夜、オリバー・リントン=ウルフ博士によりCERNで行われていたパワーキューブについての実験が失敗し、大量のXMが流出してしまう事件が発生した。過度のXMに被曝した研究者らは能力の爆発的な拡張を体験し、一時的な発狂状態に陥った。ナイアンティック計画はこの「啓示の夜」事件により崩壊した。
以前よりナイアンティック計画に疑問を抱いていた、ナイアンティック計画の主任研究者であるデヴラ・ボグダノヴィッチ博士は計画に使用された人工知能・ADAの助けの元、ローランド・ジャービスと共に脱走するがジャービスはスイスのチューリッヒ駅で暗殺された。しかし、ジャービスは同年12月30日にサンフランシスコにあるポータルで目撃され、ポータルネットワーク内に思念体として存在していることが分かった[25]。
一方、「啓示の夜」における覚醒状態によってXMの無限の可能性(あるいは危険性)を知った研究者たちは、米中露の軍事企業やシェイパーを崇拝する結社などと組んで、それぞれシェイパーを助ける、あるいはシェイパーと戦う行動を開始した。研究者たちの一部はわずかな改造を施した携帯電話上で機能する「スキャナ」技術を開発した。これによって、実世界に存在するXMポータルを観察し、操作出来るようになった。ところがほどなくスキャナ技術は漏洩してしまい、Google Playに「ゲーム」としてアップロードされた。以来、数百万にのぼる人々が、XMの性質や、その人類への影響などに関わる実験を行った。その結果、エンライテンドとレジスタンスという2つの陣営(Faction)が生まれた[26]。
- エンライテンド(Enlightened (ENL), 覚醒派閥)
- 異世界からの意思を、人類を次のステージに引き上げるための手掛かりと考えXMを積極的に利用しようとしている人達。シェイパーの平和的な地球進入を助け、人類の覚醒を促す。
- 指導者は、「啓示の夜」事件によりスイスで暗殺されたナイアンティック計画のメンバーであった研究者の一人、ローランド・ジャービス(Roland Jarvis 声:JB・ブラン)。その意識はXMの中に遍在している。
- ゲーム内において緑色で表示される。シンボルマークはエジプトのホルスの目を思わせるデザイン。
- レジスタンス(Resistance (RES), 抵抗派閥)
- XMを正しく制御していくべきだとする人達。シェイパーの地球侵略に抵抗し人類を守るため、制御されたXMを用いる。
- 指導者はナイアンティック計画の支援のために起用されたAI、ADA(エイダ)(A Detection Algorithm 声:ローラ・ベイリー、2016年8月より日本語版では緒方恵美が起用されている[27])。機械と人類との融合を目指している。
- ゲーム内において青色で表示される。シンボルマークは盾(ホームベース型)の上に鍵を重ねたようなデザイン。
2013年8月にはオリバー・リントン=ウルフ博士が思念体であるジャービスを弱体化させ、自らがエンライテンドのリーダーとなるべくオペレーションカサンドラを発動させる。しかし、逆にオリバーはジャービスから何らかの攻撃を受け、命の危険にさらされてしまう。 その後、ヒューロン社に移ったオリバーは、アメリカ疾病予防管理センターに保管されていたジャービスの遺体を盗み出し、同年10月に行われた13MAGUNUSアノマリーでダークXMを用いてジャービスを攻撃した。この攻撃でジャービスは13の破片(シャード)に分かれるが、同年12月まで行われた13MAGUNUSアノマリーでエンライテンドが勝利し、結果としてサンフランシスコでジャービスは復活を遂げた。[25]
設定
プレイヤーは「エンライテンド」か「レジスタンス」どちらかの陣営の「エージェント」となり、自らのスマートフォンを「スキャナー」として用いる。スキャナーで各地に存在する「ポータル」を探し出し、それらをリンクさせて「コントロールフィールド」を作り、その範囲内にある地域に住む人々を支配下に置く。
最終的には、同じ陣営に属する他のエージェントと協力し、全世界を守る(または解放する)ことが目標である。
ストーリーはキャラクター(俳優など実際の人が演じている)や公式アカウントがSNSにストーリーの一部を投稿したり、あるいはゲーム内アイテムであるメディアによって展開されていく。
注釈
出典
- ^ “Three Years of Ingress and the Road for Niantic”. 2016年7月21日閲覧。
- ^ Ingress Intel Mapにおける表示(要ログイン)
- ^ inomskのツイート(505176283832012800)
- ^ 同じ面積でも都市部と郊外では、都市部の方が得点が高い
- ^ 海上は居住区ではないために、人口によるポイントは限定される
- ^ ファーミングから作戦行動まで。Ingress(イングレス)レベル8エージェントの日常 できるネット
- ^ “岩手県がスマホゲーム「Ingress」を観光振興などに活用”. (2014年9月24日) 2014年9月27日閲覧。
- ^ “横須賀市が自治体初のIngress特設ページ開設。無人島へのフェリー料金半額など観光振興に活用”. Engadget日本語版. (2014年12月18日). オリジナルの2017年10月21日時点におけるアーカイブ。 2014年12月22日閲覧。
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- ^ “IngressがAXAグループと提携、ゲーム内に新アイテム「AXAシールド」登場”]. 日経BP・ITPro. (2014年12月17日) 2014年12月22日閲覧。
- ^ PowerIQ搭載でストレスフリーな小型モバイルバッテリー「Astro」 ケータイWATCH(冒頭に「リアル課金」についての言及あり)
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- ^ Ingress:『Atari 400』がなければ生まれなかったかも!? ジョン・ハンケ氏インタビュー - 週刊アスキー 2014年12月13日
- ^ a b Ingressの核心は「世界をよくするためには外に出ること」--川島優志氏インタビュー(前編) - CNET Japan 2015年2月27日
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- ^ Ingressの新機能と今後のプラットフォーム展開--川島優志氏インタビュー(後編) - CNET Japan 2015年2月28日
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- ^ 「Ingress Prime」の企画意図や経緯,「Ingress」からの刷新部分や新機能を開発者がプレゼン。Nianticのプレスラウンドテーブルをレポート - 4Gamer.net, 2018-11-06
- ^ 「Ingress」が「Ingress Prime」へ進化 ナイアンティックのフラッグシップ、新バージョンの狙いとは 関口 聖、ケータイ Watch(Impress)2018年11月6日 16:20
- ^ 『Ingress』従来モデルが9月末で終了!!『Prime』への完全移行時期は?プロダクトマネージャー スコット・フランク氏に今後の予定を直撃 ファミ通App、2019-03-29
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- ^ a b 陣営やコードネームを変更する方法 Niantic サポート
- ^ a b c ナイアンティック川島氏に「Ingress」の新ポータル審査機能を聞く「Pokémon GO」にも反映? 人気の位置情報ゲームを支える新システム - ケータイ Watch, 2016-11-22
- ^ When we launched Ingress and gave Agents the ability to detect and submit new...
- ^ Bogle, Ariel (2016年7月11日). “How the gurus behind Google Earth created 'Pokémon Go'”. Mashable 2016年7月20日閲覧。
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- ^ Niantic’s new invite-only “Portal Recon” tool lets players vote real-world locations into Ingress Greg Kumparak, techcrunch 2016.11.17
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- ^ Wayfarer」のアクセスが拡大され、ゲーム内リワードも追加されます。 – Niantic
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- ^ Portal候補の基準
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- ^ 5 Glyph Hack Sequences
- ^ a b 基本説明 Ingress公式ヘルプ
- ^ イングレスプライム:リカージョン | PROJECT LYCAEUM
- ^ [1]『Ingress』ダルサナ再来!!【後編】リカージョン実装の経緯とナヴァロの国内開催は!? 川島優志氏に今後の展開を訊く] - ファミ通App
- ^ Ingress Live Events 2016/2/13 16:13閲覧
- ^ GORUCKについて 2016/2/14閲覧
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- ^ Ingress ミッションデーとは|イングレス初心者講座 わんこ団子 2016/2/14閲覧
- ^ IngressJapanによるNL1331 Meetupの案内
- ^ IngressJapanによる#161210のアナウンス
- ^ “『Ingress』5都市縦断の謎解き“ミッションライブ”で見せたエージェントたちの本気”. ファミ通 (2016年12月14日). 2019年2月6日閲覧。
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- ^ IngressJPさんのツイートより 2020-10-28閲覧
- ^ Google+閉鎖について 2019-02-07閲覧
- ^ ローソンのお店がポータルに!
- ^ アクサとIngressがコラボ開始、ゲーム内最強のシールドが登場
- ^ “三菱東京UFJ銀行がIngress(イングレス)と全面タイアップ。店舗やATMがポータルに!”. 2015年10月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年9月30日閲覧。
- ^ ソフトバンクショップがIngressに登場!
- ^ 「Ingressアイテム & クオカードプレゼント」キャンペーン
- ^ DNPがIngressとコラボ、丸善・ジュンク堂・文教堂がポータルに
- ^ Ingress×献血の本格イベント「Red Faction」 2016年1月に開催! エージェントの提案に日本赤十字社・Nianticが協力
- ^ LAWSON×INGRESSプロジェクト
- ^ Ingressとオートバックスがコラボ 「これまで接点がなかったお客様(徒歩プレイヤー)が来店するきっかけに」
- ^ 「XM-Profiler」第一号機をお台場パレットタウン内当社自販機横に5月14日(土)に設置
- ^ 「 XM-Profiler(イルミネーションポータル)」第三号機 大阪府に設置決定
- ^ 「 XM-Profiler(イルミネーションポータル)」第四号機設置イベント詳細
- ^ WILLER TRAVEL、ナイアンティック社と協力し世界初のIngressバス「NL-PRIME」を開発、運行を開始 アーカイブ 2016年7月31日 - ウェイバックマシン - WILLER TRAVEL 2016年6月6日
- ^ 伊藤園トランスミューターの発表
- ^ “【獨家優惠 NL-PRIME台北進出記念!INGRESS特典ご紹介】報名INGRESS所有玩家,至國光客運桃園機場站及臺中轉運站享有獨家優惠!”. 2017年12月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年11月27日閲覧。
- ^ “Ingressとの提携終了のお知らせ”. 2018年8月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年8月5日閲覧。
- ^ [2]
- ^ Lawson PowerCubeおよびポータルに関するアップデート
- ^ “https://twitter.com/SonyStoreGinza/status/1636563005864550401”. Twitter. 2023年4月20日閲覧。
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