超限戦 概要

超限戦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/28 08:29 UTC 版)

概要

中国空軍の喬良、王湘穂は、これからの戦争を、あらゆる手段で制約無く戦うものとして捉え、その戦争の性質や戦略について論じた。

本書の第1部は、新戦争論であり、第2部は新戦法論となっている。この中で喬良、王湘穂は、25種類にも及ぶ戦闘方法を提案し、通常戦、外交戦、国家テロ戦、諜報戦、金融戦、ネットワーク戦、法律戦、心理戦、メディア戦などを列挙している。そして、このような戦争の原理として、全方向度、リアルタイム性、有限の目標、無限の手段、非均衡、最少の消耗、多次元の協力、全過程のコントロールと支配を挙げている。

このような戦争は、別に中国に限らずグローバリゼーションの時代の戦争に特徴的なものであり、軍人と非軍人の境界もまたあいまい化する。したがって、本書は、単に戦争手段の多様化を示すだけではなく、それに対応した安全保障政策や戦略の研究の必要を主張している。

訳書

  • 『超限戦―21世紀の「新しい戦争」』 坂井臣之助監修、共同通信社、2001年
  • 新版『超限戦―21世紀の「新しい戦争」』 角川新書、2020年1月

関連文献

  • 藤井厳喜『米中新冷戦、どうする日本』 PHP研究所、2013年 - 「超限戦」をあつかう
  • 渡部悦和・佐々木孝博『現代戦争論――超「超限戦」』 ワニブックスPLUS新書、2020年7月
  • ホウ宏亮『知能化戦争 中国軍人が観る「人に優しい」新たな戦争』 安田淳監訳、五月書房新社、2021年3月
  • 渡部 悦和『プーチンの「超限戦」—その全貌と失敗の本質』ワニブックスPLUS新書、2022年11月

関連項目


  1. ^ 本書で使用された「超限戦」の類義語として「超限戦戦」、「無制限戦争」が使用されることがある。


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