助監督 (映画スタッフ) エンドロールでの表示

助監督 (映画スタッフ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/30 00:08 UTC 版)

エンドロールでの表示

映画スタッフの大半が映画会社の社員であった時代においては、助監督として表示されるのはチーフのみか、せいぜいセカンドまでであり、それ以下の者は省略されていた。これは照明や撮影をはじめとする他の部門でも同様である。その後、映画スタッフにフリーの者が増えたことで、エンドロールにはできるだけ多くのスタッフの氏名が掲載されるようになった。助監督についても多い場合には4名から5名が列記されることもあった。2000年以降、助監督はチーフのみを記載し、セカンド以下は「監督助手」として別表記される映画が増えてきた。さらに、それに加えて「監督応援」の表記がされることもある。

監督への道

かつては演出部として、映画監督を目指すには助監督から経験するのが一般的であった。これは、撮影や照明、出演者といった映画界の職人を相手に采配を振る監督という立場の学習でもあり、映画監督を目指す者にとっては、そもそも映画とは何かを勉強するための修行期間と位置づけられていた(もちろん、助監督を専業とするパターンもある)。

かつての映画の全盛期では「撮影所システム」が構築されており、助監督も含めた、俳優・監督・スタッフが長期専属契約で雇用され、量産体制で数多くの作品が作られていた。助監督は、ありとあらゆるジャンルの映画の撮影現場で勉強し、経験を重ね、やがて映画会社に能力を認められて1本の作品の監督を任せてもらう、という流れによって、正式に映画監督デビューすることができた。

しかし、映画の斜陽化によって製作本数が激減し、それに伴う合理化によって俳優・監督・スタッフの長期専属契約のシステムがなくなり、多くのスタッフがフリーとなった現在は、映画監督になるための手段として、必ずしも助監督を経験しなければならないという訳ではない。かつては大林宣彦監督のように、助監督を経験しない映画監督は珍しいとされてきたが、現在はテレビ業界やCM、シナリオライター、芸能人といった異業界からの監督就任も多く、むしろベテランの助監督が監督を補佐やアドバイスをするという傾向が強くなってきている。

アニメーション

アニメ作品においても「助監督」というクレジットがたびたび見られるが、この場合は使い走りのような仕事ではなく、文字通り監督業務を補佐し、時にはいくつかの業務を代行をする役割を与えられた演出家のことである。同様のケースで副監督という記述をされることもある。




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