八八 関東と関西でのルールの大まかな違い

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八八

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/18 10:06 UTC 版)

関東と関西でのルールの大まかな違い

一口に関東、関西と言っても、場所・地域・プレイグループによりローカルルールが存在する。ここでは多くの場合行われる大まかな違いを記載する。

関東 関西
競技開始時の持ち点 5貫 50貫
貫と文のレート 1貫=12文 1貫=10文
改貫(借金) 10貫単位で借入

10貫ずつ返済

50貫単位で借入

60貫ずつ返済

出降り 縛りあり 縛りなし
降り賃 何人目に降りるかで決定

1人目:1貫

2人目:1.5貫

3人目:2貫

親から見た席次で決定

親:1貫

親の右隣:1.5貫

以降2貫、2.5貫……と0.5貫ずつ増えていく

羽見の貫数 7貫 8貫
四三の貫数 20貫 30貫
出来役の貫数 五光:12貫

四光:10貫

赤短:7貫

青短:7貫

七短:10貫

五光:15貫

四光:12貫

赤短:10貫

青短:10貫

七短:12貫

特殊役の貫数 素十六:12貫

総八:10貫

二八:10貫

素十六:10貫

総八:8貫

二八:10貫

下げ 新たな出来役ができなかった場合、

下げた出来役代は半分

新たな出来役ができなかった場合、

下げた出来役は無効

ローカルルール

ふけ
ある得点以下だった場合、ご祝儀をとりきめて渡す。
つかみ手役
手役公開の際、出来役と同じものを保有していた場合、それも手役としてさらすことが出来る。点数は出来役の際と同じ。これらの役を、別の名前を与えている場合もある(赤短のつかみ→赤大将、など)
縛りなし
出降りで、降りていない人数が3人以下になっても、残りは強制的に出るのではなく、まだ降りることができる。この場合、残りが1人になったらその人の不戦勝になる。2人になったら二人勝負を行う。

用語

大場(絶場)の二代縛り
大場又は絶場の札が、場に2枚以上出た場合二枚目以降は次の月以降に消化すること
越年
大場(絶場)の二代縛りが続いて、12月を超えてしまうこと
見ず転
親が場札、手札を見ずに出ることを宣言すること。この場合89点以上得点できると競技参加者すべてから1貫もらえる(人数によってかわり最大5貫、絶場で20貫となる)
吟味
トップ賞。「吟味を取る」とはトップになることを指す。
改貫札
途中で貫木が足らなくなり借金する場合に証文としてもらえる札。
菓子札
貸し札の洒落。元々は、現金を賭けてプレイする場合、競技中に現金のやり取りを行う代わりに用いたもの(カジノにおけるチップと同じ。)現在は、現金の代用品ではなく、先述の改貫札の代わりとして用いられるのが普通。
だるま
改貫札を複数(一般的には5枚)集めた際に、代用として持つ。(関西式のやり方では改貫札=だるまになる場合が一般的)借金で首が回らない、手も足も出ないの洒落だが、縁起物でもあるのでどこか愛嬌がある。
半どん
6月まで競技が進行したところで、トップ賞の計算のため全員の持ち点から一定分取り除く。(5貫持ちで始めた場合は10貫、50貫持ちで始めた場合は60貫)また、このタイミングで改貫札を持つものは清算することが出来る。これにより全員の所持点の合計はマイナスに成るが、その分は吟味を取ったもののものとなる。
番個板
月の進行を表すため、各月でトップに成った者が1文を場に提供し置いていくもの。ここに置かれた分は最下位の者の得点となる。

  1. ^ 任天堂では『交際の友』という名称でプレイしやすいように、花札以外の小道具類をセットにして販売していた。(生産終了)
  2. ^ ローカルルールによってカス札強制の場合と任意で本来の得点札扱いにできる場合があるが、後者のルールでも同時に両方の扱いにはできず、例として「柳に燕」と「カス札6枚」がある場合、「柳に燕を10点札扱いにして『十一』」か「柳に燕をカス札判定にして『空素』」のどちらかの手役しかできない(淡路・昭和58、P44・45・59)。
  3. ^ なお「赤」という名前だが、どの色の短冊でもこの役はできる。例外的に雨の短冊はローカルルールでカス札判定と短冊判定に分かれる場合がある(淡路・昭和58、P43)。
  4. ^ この役には雨札の5・10・20点を入れてもよい(淡路・昭和58、P46)
  5. ^ 他の月はどれでも3枚あればよいが、桐に限り20点札の鳳凰を入れて3枚の場合は立三本が成立しない(通常の三本にもならない)(淡路・昭和58、P42)。
  6. ^ 貫数は単独の場合で、もし赤短と青短が両方あれば両方合計の20貫になる(淡路・昭和58、P49)。
  7. ^ 雨の短冊はカス札判定でこの役に加われないという地方と、差し支えない地方がある(淡路・昭和58、P50)。
  8. ^ 淡路まもる編『花札の遊び方』では3貫説を採用しているので表ではこちらを採用(淡路・昭和58、P43)。
  9. ^ 例として淡路まもる編『花札の遊び方』では二三本と二立三本は「複合役」として紹介されているが、三本立三本の説明がなくP53で「桐のカス札3枚+雨札3枚+任意のカス札1枚」の手役を「空巣二三本」名義で紹介している。
  10. ^ 例えば「短一喰付(短冊札1枚で残りがカス+同じ月のペアが3組)」の場合、ペアの中に短冊札がある場合全部さらすが、単独1枚が短冊札ならカス札6枚だけさらし、短冊札だけは見せなくてよい(淡路・昭和58、P57)。
  11. ^ 例として、素無三本・素無はねけん(すべての手札が得点札だが、同時にある月の札が3枚揃っている必要がある。)などは、他の月では2枚以上カス札があるので三本の札が雨の5・10・20点以外では成立しない。だが雨札を強制的にカスとみなす場合はカス札が3枚もあることになるので役が成立しない(淡路・昭和58、P54・64)。
  12. ^ 赤短・青短もできた場合は点数を足し合わせる、7枚以上は1枚増えるごとに1貫増しとすることもある。
  13. ^ 1点で2貫説もあるが、淡路まもる編『花札の遊び方』では1貫説を採用しているのでこちらを採用(淡路・昭和58、P72)。
  14. ^ 該当は四光・赤短・青短の構成札のみで「柳に小野道風」と「藤・菖蒲・萩(+柳)の短冊」は役札扱いされずノーカウント。
  1. ^ 淡路まもる編『花札の遊び方』文進堂、昭和56年8版、P41-42。
  2. ^ 淡路まもる編『花札の遊び方』文進堂、昭和56年8版、P78。
  3. ^ 淡路まもる編『花札の遊び方』文進堂、昭和56年8版、P41-69。
  4. ^ 花札を初めてやる人の本、渡部小童、土屋書店2010
  5. ^ 淡路まもる編『花札の遊び方』文進堂、昭和56年8版、P54。
  6. ^ 淡路まもる編『花札の遊び方』文進堂、昭和56年8版、P56。
  7. ^ 淡路まもる編『花札の遊び方』文進堂、昭和56年8版、P42-43
  8. ^ 淡路まもる編『花札の遊び方』文進堂、昭和56年8版、P45。
  9. ^ 淡路まもる編『花札の遊び方』文進堂、昭和56年8版、P51
  10. ^ 淡路まもる編『花札の遊び方』文進堂、昭和56年8版、P70-73。点数ばらつきがあるのは原文ママ
  11. ^ 淡路まもる編『花札の遊び方』文進堂、昭和56年8版、P79
  12. ^ 淡路まもる編『花札の遊び方』文進堂、昭和56年8版、P89
  13. ^ 淡路まもる編『花札の遊び方』文進堂、昭和56年8版、P80-81
  14. ^ 淡路まもる 編『花札の遊び方』文進堂、昭和56年8版、P81。 なお、同書は関西地方の役や配点も「地方によっては」の但し書きで載せてあるがこれのみ「誤り」としている。
  15. ^ 淡路まもる 編『花札の遊び方』、文進堂、昭和56年8版、P76-77。


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