仮面ライダー THE NEXT 登場人物

仮面ライダー THE NEXT

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/01 06:44 UTC 版)

登場人物

本郷と一文字を除き、前作の主要人物は登場しておらず、その関連についても触れられていない。

本郷 猛ほんごう たけし / 仮面ライダー1号
ショッカーの手により、ホッパー=仮面ライダー1号として改造された男。洗脳が解けてショッカーを脱走してから2年が経過した現在は、城南大学付属高校の生物教師として過ごしている。しかし、教師としての威厳は皆無で、担任するクラスも学級崩壊状態に陥り、生徒には小馬鹿にされている。中盤では学校付近でチンピラに乱暴されそうになった教え子の琴美を守るために20倍の腕力を発揮し、チンピラが乗る自動車やバイクを破壊したところを生徒たちに目撃され、怯えられる。この琴美との出会いをきっかけとして、再びショッカーに立ち向かうこととなるが、高校については後に解雇処分となった。
一文字 隼人いちもんじ はやと / 仮面ライダー2号
本郷と同じくショッカーの手により、ホッパー=仮面ライダー2号として改造された男。かつてはショッカーの裏切り者である本郷を抹殺するために送り込まれた刺客であったが、ふとしたきっかけで彼と共にショッカーと戦う道を選んだ。
現在はリジェクション[注釈 4]から繋がる死の恐怖に苦しみ続けながら、それを紛らわそうと夜な夜な繁華街で豪遊し、酒に溺れる享楽的な日々を過ごしている。常に身に着けているスカーフとグローブは、リジェクションで浮き上がった血管を隠すためのもの[注釈 5]
風見 志郎かざみ しろう / 仮面ライダーV3
ホッパー・Version 3=仮面ライダーV3に変身する青年。IT企業「エクサストリーム」を立ち上げてトップ企業に押し上げ、若くして時代の寵児に上り詰めたが、2か月前に発生した同社社員失踪事件の直後から社会との関わりを絶って別荘に篭り、ワインのデカンタージュに興じるなど退廃的な日々を過ごしていた。実は失踪事件はシザーズジャガー率いるショッカーの実験によるものであり、無差別テロ同様のナノロボット散布実験に適合して生き残った結果、強靭な新型改造人間となった。そして、裏切り者の本郷と一文字を抹殺する命を受け、彼らと敵対する。初戦では「年代物のワインが若かったから」という私的な理由をつけて本郷に襲いかかり、自身の正体がV3であることを明かした。
しかし、妹のちはるが自殺を図ったことなどを機にショッカーを裏切ると、1号や2号とともにショッカーの秘密基地であるレストラン「LEGEND OF GATHERING」に乗り込むが、暴走状態が進んだChiharu精神体には手も足も出なかった。死に際の妹に拳をさしのべるも届かず落胆し、最後は1号・2号に救助される。
菊間 琴美きくま ことみ
本郷の教え子で、両親が離婚後に双方とも蒸発したため、一人暮らしをしている。
気が強く人付き合いが苦手なため、クラスでは浮いた存在となっており、学校も休みがち。唯一の親友であるChiharuからの連絡が突如途絶えたため、単身その真相を追う。当初、本郷には反感を抱いていたが、彼女を嫌う女子生徒とチンピラに乱暴されていたところを救われたことで徐々に心を開き、やがては本郷の正体やChiharuの身に起こった悲劇の真実を目の当たりにすることになる。本郷に救われて以降は改造人間のことも「一人の人間」として見るように改め、本郷の良き理解者となる。一人で懸命に輝いたChiharuの現状を知らずにショッカーへの心酔を続ける志郎には、「着飾っているだけで自分の力で輝いていない」と厳しい言葉を投げかけ、最終的に本郷たちに協力させるきっかけを作った。
本郷のことを他の生徒同様「猛」と呼び捨てしていたが、最終的には以前の怪力騒ぎで解雇処分となった彼をようやく「先生」と呼ぶようになった。
風見 ちはるかざみ ちはる
風見志郎の妹であり、連続猟奇殺人事件に関与している神出鬼没な謎の存在。現世では国民的人気アイドル歌手のChiharuとして暗躍し、持ち歌の「Platinum Smile」を聴いた者の前に必ず現れる。そして、ちはるを見た者は全員猟奇殺人事件の被害者となっている。
本物のちはるはエクサストリーム社でのナノロボット散布実験に巻き込まれており、適合したことによって改造され、身体に変化が起こっていたが、同事務所のアイドルである谷口由香里と戸塚尚子に妬まれ、軽傷を目的として階段から突き落とされた弾みで顔から配電盤に激突し、感電してしまう。その際に負った顔の左半分の重度な火傷は整形手術でも回復不能なくらいに醜く爛れたうえ、配電盤の高圧電流の影響で暴走したナノロボットによって複眼を持つ怪人の容貌を呈していた。悲観の末に自身の時計を形見のつもりで兄の志郎に送り、投身自殺を図るが、怪人と化した身体では飛び降りた程度では死ねなかったうえ、全身でナノロボットの暴走が進行した結果、より醜悪な姿と化してしまう。
ちはるの身体は、機密保持のために回収したショッカーの秘密基地の中にある遺棄施設に廃棄物として収容・監禁されていたが、自由に身動きの取れない本体の代わりに分身となる包帯姿のChiharu精神体を分離・実体化させて操り、世間に出ているChiharuが偽者とは知らずに「Platinum Smile」を聴くファンや整形によって自身に成り代わって活動する影武者の2人、さらにはマネージャーや社長などのプロダクション関係者など、手当たり次第に背面から包帯を変化させた半透明の光の触手[5][6]で切り刻んで殺害していたが、親友である琴美だけは唯一殺せずにいた。最後は、暴走する自身の能力を止めたいという意志を志郎に告げて絶命し、精神体も消滅した。
だが、精神体は別に本体から分離して独自に行動し続けていると思われ、エンドロール後のシーンでは、パチンコ店で「Platinum Smile」を聴きながら『CRぱちんこ仮面ライダー ショッカー全滅大作戦』を打っていた男性を、筐体から手を伸ばして襲っている[5]
進藤
芸能事務所「トライスタープロモーション」の社長。Chiharuのことを「滅んではいけないアイドル」と称し、ちはるが再起不能となっても他のアイドルを整形手術でChiharuに仕立てていたが、Chiharuと化した女性アイドルたちがChiharu精神体に殺害されていたことについては知らなかった。最後は、山崎と共に事務所でChiharu精神体に殺害される。
  • 進藤の眼鏡は田﨑竜太の私物をそのまま小道具として使用したもの。
  • 田﨑は、進藤について「人間が持つ一部分を提示し、社会に偏在するショッカー以外の悪として描いている」と語っている[4]
山崎
「トライスタープロモーション」でのChiharuのマネージャー。仕事に誠実で社長・進藤の言いなりであり、他のアイドルを利用したChiharuの顔への整形手術にも反対しない。替え玉のこともChiharuちゃんと呼び続けていた。最後は、進藤と共に事務所でChiharu精神体に殺害される。
戸塚 尚子とづか なおこ
Chiharuを妬んでいた新人アイドルの一人。人気アイドルのChiharuを妬んで階段から突き落とし、彼女が自殺を図る原因を作った。
その後、本郷と琴美に出会った時までは整形手術によって自身がChiharuに成り済まし、高層マンションでの生活を満喫していたが、ある日Chiharu精神体に襲撃されて地上へ落下し、Chiharuの秘密を琴美に言おうとして息絶えた。
谷口 由香里たにぐち ゆかり
尚子と共にChiharuを自殺へ追い込んだ新人アイドルの一人。Chiharuを妬んではいても、階段から突き落とすのはやり過ぎと考えていたが、尚子には逆らえず、実行してしまう。尚子の死亡後に整形手術を受け、二代目のChiharuとなって表舞台に立っていたが、罪悪感と他人の顔で過ごす恐怖から錯乱し、琴美にすべてを打ち明ける。最後は、Chiharu精神体に襲撃されて斬首される。
教頭
城南大学付属高校の教頭。職業に真面目な人物で本郷の善き理解者だが、学校内でのトラブルが保護者を巻き込むような問題に発展することを恐れ、事なかれ主義のままでいる。その結果、本郷の解雇処分を防ぎきれなかった。
岡村
Chiharuファンクラブの会長。琴美に頼まれてChiharuのことを話す予定だったが、そのために琴美に会おうとしたところを車内でChiharu精神体に襲撃され、殺害される。
照夫
Chiharuのファンである引きこもりの青年。物語序盤、自室のパソコンで「Platinum Smile」のPVを見ている途中でChiharu精神体に襲撃され、殺害される。

注釈

  1. ^ 書籍によっては、海外でも人気を集める2000年代のジャパニーズホラーブームからの影響も指摘している[1][2]
  2. ^ 大人向けのハードな展開を重視していたため、やむを得ず倫理指定を受けること自体は当初からの狙いだった[2]。企画の段階ではR15+指定も視野に入れており、脚本審査ではR15+だったが最終的にはPG12に落ち着いた[3]
  3. ^ レンタル用にはRELEASE Ver.しか収録されておらず、セル用も音声をコメンタリーに設定すると自動的にRELEASE Ver.が再生されるなど、EXTENSION Ver.は実質的には映像特典扱いである。
  4. ^ 前作および本作品での改造人間としての禁断症状とも言える拒絶反応で、定期的に血液交換を行わないと発生する。
  5. ^ グローブの中には血管から漏れた真っ黒な血が溜まっており、本郷にその苦しみを見抜かれていた。
  6. ^ 本郷を挑発しながら戦うことで喜びを感じていた。
  7. ^ ノコギリトカゲのバズソー(丸ノコギリ)が市松模様なのは、本作品の監督田﨑竜太によると「回転を表現するため」、韮沢靖によると「バスマットを素材とした痕跡」[11]
  8. ^ a b c クレジットでは役名未表記。
  9. ^ ノンクレジット。

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k 「宇宙船vol.120特別付録 宇宙船 YEARBOOK 2008」『宇宙船』vol.120(2008.春号)、ホビージャパン、2008年4月1日、別冊pp.34-35、ISBN 978-4-8942-5693-4 
  2. ^ a b c d ODF 45 2009, p. 31
  3. ^ DVDコレクターズエディションの解説書における井上敏樹と田﨑竜太の対談より。
  4. ^ a b 『東映ヒーローMAX』Vol,23、辰巳出版、87頁
  5. ^ a b ODF 99 2009, pp. 17–18
  6. ^ オールライダー&全怪人昭和 2013, p. 105.
  7. ^ a b c d e f g h i ODF 44 2009, pp. 23–24
  8. ^ a b c d e f g 鶯谷五郎他『仮面ライダー THE NEXT公式ブック 21st CENTURY MASKER WORLD』(CAST-PRIX PREMIUM編集部・和田谷洋子・橋本学編、ジャイブ、2007年 ISBN 978-4-86176-450-9
  9. ^ 超辞典 2011, p. 370.
  10. ^ a b ODF 57 2009, pp. 23–24
  11. ^ 宝島社『僕たちの「仮面ライダー」怪人ランキング ファンが選んだ人気怪人60体を完全解説』P20より
  12. ^ 個人情報”. 芸能ネット. 日本ナレーション演技研究所. 2007年10月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年9月14日閲覧。
  13. ^ O.S FACTORY -前田浩 プロフィール-インターネットアーカイブ内)、2007年12月23日時点でのキャッシュ
  14. ^ DVDコレクターズエディションの解説書における横山誠と田﨑竜太の対談より。
  15. ^ 鳥本真也他 『仮面ライダー THE NEXT VISUAL PREVIEW BOOK』 黒瀬真也・福留一輝・阿部友美編、角川書店、2007年、59頁。
  16. ^ 劇場版「仮面ライダー THE FIRST」&「仮面ライダー THE NEXT」を東映特撮YouTube Officialで無料初配信!”. 東映 (2019年11月15日). 2019年11月15日閲覧。






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