バトル・ロワイアルの登場人物 政府関係者

バトル・ロワイアルの登場人物

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/27 04:02 UTC 版)

政府関係者

坂持 金発(さかもち きんぱつ)
原作におけるプログラム担当教官。政府の役人。テレビニュースでは「教諭」と報道されており、元は普通の中学教師だった。
背は低いががっしりとした体つきであり、髪は肩口まで伸ばしている。服装はカーキのスラックスとグレーのジャケット、エンジ色のネクタイを付け、黒のローファーを履いている。既婚で二児の父。
政府の思想に完全に毒されている上(自分の娘に洗脳とも言える育て方をしていることを仄めかす描写すらある)、女性を強姦したり、殺人を茶化したりと、かなり俗悪な人物である。その反面、プログラム担当教官としては優秀で、見かけによらず戦闘能力は高い。頭の回転も早く、プログラム終了後に川田の脱出計画の一部を見抜き、七原、典子共々抹殺を図るが、七原達が船に乗っていたことには気づかず、自身の乗っていた船を襲撃した音に気を取られた隙に、川田に鉛筆を喉に突き立てられ死亡する。
3年B組金八先生坂本金八のパロディキャラ。容姿も坂本金八がモデルで、番外編の「天使たちの国境」では金八と酷似した姿で描かれている。
嘉門 米美(かもん よねみ)
漫画版におけるプログラム担当教官。醜悪な容姿と、それに勝るとも劣らない下劣な性格をしている。
基本的な設定は坂持と類似しているが、人物像は若干異なる。「バカチン」が口癖。名前の由来は「カモンベイビー」から。
キタノ
演 - ビートたけし
映画版におけるバトルロワイアル担当教官。名前の由来は演じたビートたけしの本名から。3年B組の前の担任で、学級崩壊と家庭崩壊の板挟みになっていた過去がある。かつては体罰教師だったが、1年B組(後の3年B組)に授業ボイコットされる駄目教師になり下がった(陰では「キ印」という屈辱的なあだ名もつけられていた[12])。また、教師としての存在の背景に先述のような経歴(体罰教師)があるので、同僚からも疎まれていた模様[11]。その日に国信にバタフライナイフで尻を切られ、学校を辞める間際国信に「お前駄目だから、学校に来なくていい」と言い残す。家族は娘・栞と妻との3人暮らしだが、娘からも「おじさん」呼ばわりされるなど、汚いモノにでも触れるように扱われている[11]
劇中(映画版)におけるBR法の対象クラスは「厳正なる審査」により選ばれるが、学級崩壊に逆ギレした教師がかつての教え子を恣意的に選択、対象クラスとする例も珍しくないらしく、キタノもそういった理由で担当教官に赴任した可能性が高い[11]
劇中における役割は坂持や嘉門と同じであるが、1年B組の中で唯一自分の授業に参加していた典子には心を開いており、典子が七原のために一生懸命焼いて持ってきたクッキーを黙々と食べていたり(死に際には最後の1枚をしっかり食べて息絶えた)、プログラム中も彼女を殺そうとした相馬を妨害して助けたりしている。また、家庭にも職場にも居場所がない自分に対し寂寥感や厭世感を抱くなど、坂持や嘉門に比べて人間らしい一面も見せている。
初めから死ぬつもりでこのプログラムに参加しており、最期は七原に銃撃され(初めは典子に殺されようと思っていたが、そのために出した水鉄砲を鉄砲と間違われ七原に銃撃された)、電話を掛けてきた娘と通話した直後に息を引き取った。
劇中ではプログラムの進行中にある絵を描き続けており、プログラム終了後に七原・典子・川田らと対峙した際にはこの完成した絵を見せていた。その絵は「殺し合う生徒の中で、中川典子だけが生き残る」という衝撃的な内容[13]であり、それを見せられた七原たちは呆気に取られるしかなかった。キタノがB組の生徒たちの中で唯一、典子だけを特別視している事が色濃く表れている作品となっている。なお、この絵はキタノ亡き後に栞のもとへと届けられた事が続編の「バトル・ロワイアルII 鎮魂歌」にて明らかになっている。因みに、この絵はポスターカラーとコピックが使用[13]されており、実際に描いているのも演じているたけし本人である。
続編の「バトル・ロワイアルII 鎮魂歌」にも僅かながら出演し、そこでは娘の栞と直接絡んでいる(時系列ではBRの担当教官を行う前)。
なお、監督の深作は出演オファー時にたけしに対して「役名をたけしの本名である『北野武』にして欲しい」とお願いしたのだが、流石にそれはたけしが拒否したため、結局表記をカタカナにする事で出演が決まったという[14]。このように役名はたけしの名字を単純にカタカナにしただけだが、たけしは「キタノは(自身の)本来っていうか、本性じゃない。」と公式ガイドブック内で語っている[15]。また、撮影は原作の小説を読まずに臨んだという[16]
田原時彦(たはらときひこ)、野村(のむら)、近藤(こんどう)、加藤(かとう)
坂持と共にプログラムのスタッフとして参加する大東亜共和国専守防衛軍の兵士。田原は坂持の命令で瀕死の状態だった国信にとどめを指す(漫画版では、致命傷を負わせるのも、止めを刺すのも嘉門であり、映画版ではキタノがリモコンで国信の首輪を爆殺させている)。中学教師だった頃の坂持の生徒。船に隠れて乗り込んでいた七原に射殺される。
田原、野村、近藤の3人の名前の由来は「たのきんトリオ」。
安城(あき)
演 - 竜川剛
映画版のみの登場人物。自衛隊員で、階級は三尉。BR執行本部の副官としてキタノと伴い沖木島にやってくる。主にゲームの進行管理を受け持ち、迅速な行動を生徒たちに要求する。時には実力行使に出る事もある(ルール説明時に国信と元渕が争いを始めた際は、国信を力強く羽交い締めし、キタノに首輪を作動させ国信を爆殺した)。キタノとはコミュニケーションが上手く取れていない様子(分校内でキタノに話しかけるも無視されたり、キタノの側にあった典子が作ったクッキーやゲームに関する資料を触ろうとすると、無言ですぐに横取りされたりしている)。システムダウンされた際には大きく焦り、声を荒げ「早くしろ!」と部下に罵声を言ったり、挙句の果てには部下を思い切りどかして自分でシステムダウンを阻止しようとするなど精神的に幼稚な部分がみられる。ゲーム終了後はキタノの判断で先に帰投させられる[17]
続編である「バトル・ロワイアルII 鎮魂歌」にも登場しているが、そこでは三尉から一尉に昇格している。
ビデオのお姉さん
演 - 宮村優子
映画版のみの登場人物。BR解説ビデオに登場する、BR法推進委員会のアイドル的存在。生徒たちが置かれている深刻な状況とは裏腹に、場違いな明るいテンションでルール説明を行う。コンピューターの警告音声その他、様々な所でその声がサンプリングされている。昔、声優をやっていたらしい[17]
バスガイド
演 - 深浦加奈子
映画版のみの登場人物。修学旅行に向かう3年B組の生徒たちが乗ったバスに同乗するバスガイドであるが、それは仮の姿であり、本当の正体は秘密裏にBRの会場まで該当クラスの生徒たちを運搬する役割を担う自衛隊員である[17]。生徒たちを催眠ガスで眠らせ作戦行動を取っていた所、移動中に起きてしまった七原を警棒で殴り気絶させた。催眠ガスがバス内に巻かれている際には運転手と共にガスマスクを着用している。
総統
大東亜共和国の最高権力者。
テレビニュースに度々映っており、正月には官邸で普通の人たちの前に現れている。プログラムの優勝者には直筆色紙が贈られるが、川田から直筆色紙について「幼稚園児みたいな字」と評されている。
物語開始時点での総統は325代目とされているが政府の捏造であり、本当は第12代目である。また「総統」自体が体制への求心力のためのシンボルにすぎず、最高権力者としての実態が存在しないという見方もある。
第317代とされる総統はプログラム開始初年の1947年にプログラム実施に反対する運動に対し、プログラムの正当性を説いた四月演説を行っている。

  1. ^ 文庫化の際にレミントンM31RSの「RS」を削除
  2. ^ 先述した様々な傷跡もそのときのもの。
  3. ^ 『バトル・ロワイアル・インサイダー―BRI』太田出版、360P頁。 
  4. ^ 禁止エリアに誘導して爆死に追い込んだ月岡、桐山に致命傷を負わされた川田を含むと13人。漫画版では杉村と琴弾も殺したため15人。映画では原作と同じく計13人の生徒を殺害(殺害された面子は微妙に異なり、稲田は殺害しておらず、代わりに飯島を殺害している。また月岡を直接殺害しているため、プログラム中の記録は12人となる)。
  5. ^ 映画版ではあくまでノリであって顔については主に言及されていない。
  6. ^ 父がゲイバーを経営しているという設定は原作、漫画同様。
  7. ^ 公式ガイドブック 2000, p. 27.
  8. ^ そのため灯台で七原を看病した際に遠回しに告白するも七原からは意味も分からずただ困惑されている。
  9. ^ a b c 公式ガイドブック 2000, p. 68.
  10. ^ 単行本では「コルト・ハイウェイ・パトロールマン」という実在しない拳銃名となっている
  11. ^ a b c d 公式ガイドブック 2000, p. 17.
  12. ^ 公式ガイドブック 2000, p. 67.
  13. ^ a b 公式ガイドブック 2000, p. 66.
  14. ^ 公式ガイドブック 2000, p. 18.
  15. ^ 公式ガイドブック 2000, p. 19.
  16. ^ 公式ガイドブック 2000, p. 20.
  17. ^ a b c d e f g 公式ガイドブック 2000, p. 58.
  18. ^ a b ただし、「天使たちの国境」の原作シナリオには名前は書かれていない。
  19. ^ B組の男子生徒たちをはじめ、三村からも「やれやれだぜ」と呆れられていた。





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