ノイズミュージック
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/13 16:02 UTC 版)
70年代以降のノイズ
ルー・リードのメタル・マシーン・ミュージックは、ノイズ音楽にとって画期的な分岐的となった[8]。 ただし、1970年代も後半になると雑音主義にも陰りが見え始め、雑音を追求する人々はもっぱらポピュラー音楽の畑に移ったと考えられている。その境目は1979年頃である。 パンク・ロックの大爆発以後にデビュ-したキャバレー・ヴォルテール、スロッビング・グリッスルなどのイギリスのバンド達が先導したインダストリアルが提示した退廃的なテーマやアートワーク、サウンドスタイルは、その後のノイズ・ミュージックに影響を与えた。1978年にグレアム・レベルとニールヒルがオーストラリアの精神病院で結成したSPKの初期の攻撃性や1980年にMBとして活動開始したイタリアのマウリツィオ・ビアンキの初期作品の腐食したサウンドなどはより直接的にノイズ・ミュージックの雛形を示唆した。
パワー・エレクトロニクス
パワー・エレクトロニクスはノイズ・ミュージックの一種で、一般的には静電気、金切り声のようなフィードバックの波、アナログ・シンセサイザーによるサブベース・パルスや高周波の鳴き声、(時には)悲鳴のような歪んだヴォーカルで構成される。このジャンルは、インダストリアルからの影響を受けていることで知られている。
パワー・エレクトロニクスは、一般的にノイズ・ミュージックと同様に無調である。その過剰なサウンドに合わせるように、パワーエレクトロニクスは歌詞、アルバム・アート、ライブ・パフォーマンスなど、極端なテーマ性と視覚的コンテンツに大きく依存する。[9]
パワー・エレクトロニクスは、初期のインダストリアル・レコード・シーンと関係があるが、後にノイズ・ミュージックと連携するようになった。[10]
代表的アーティスト:WHITE HOUSE、SUTCLIFFE JUGENT、CON-DOM、GENOCIDE ORGAN、PRURIENT
ハーシュ・ノイズ
金属片やシンセサイザー、もしくはミキサーフィードバック等を発信源にしてギターペダルやミキサー、アンプでそれらを増幅変調させた聴覚上暴力的でエネルギッシュなフォーマットがHARSH NOISEとして認知され90年代頃に定着した。
代表的アーティスト : MERZBOW,MACRONYMPHA, C.C.C.C.,INCAPACITANTS
注釈
出典
- ^ DEMO 001 [VHS]
- ^ 別冊少年チャンピオン2016年11月号p.271
- ^ Mauthausen Orchestra – Kiss The Carpet
- ^ 精神解放ノ為ノ音楽. 1994年2月26日(土)深夜、関西テレビ
- ^ 東京BOREDOM in 東京大学2010年9月26日
- ^ a b The New Blockaders – Live at Sonic City
- ^ 山下尚一「聞くことの転換と社会の変容 : ルッソロの騒音芸術の思想について」『駿河台大学論叢』第53号、2016年12月、1-11頁、doi:10.15004/00001610、NAID 120005951793。
- ^ Rowe, Matt (2011年6月8日). “Lou Reed Reissues Newly Remastered Metal Machine Music” (英語). The Morton Report. 2021年1月8日閲覧。
- ^ Jennifer Wallis 編『Fight Your Own War: Power Electronics and Noise Culture』Headpress Books、2016年、4-5頁。
- ^ “Whitehouse, Allmusic bio.”. NETAKTION LLC. 2023年9月10日閲覧。
- ^ “HARSH NOISE WALL MANIFESTO”. [...]dotsmark. 20201221閲覧。
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