ダーククリスタル 公開

ダーククリスタル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/16 07:36 UTC 版)

公開

完成試写版と公開版

映画完成後、業界関係者を中心にしたと思われる完成試写が行われ、アンケート結果により、完成試写版から公開版へと相当な改変が行われた。確認されているだけで以下のとおり[注 10]

  • スケクシスの皇帝およびミスティクスの長老の葬儀の場面や、石の裁きの場面といった冗長とみなされた場面が削除または短縮された。他にも演出上の理由で、台詞のみ変更された場面がある。
  • 「ウル・ルー族」が「ミスティック族」と名称変更された。ネタばれを防ぐための措置と思われる。
  • オウグラ役声優の変更。ビリー・ホワイトローはオウグラ役としては、三人目の起用と言われる[注 11]
  • シーンの変更に伴う劇伴音楽の変更。

また、このほかにもスケクシス族が独自の言語を話すという演出があったが、ジョージ・ルーカスから映画としては分かり難いという意見が出たため、彼らの話し言葉は英語に変更された。なお、DVDの特典映像に収録されている「Making of The Dark Crystal」にて、スケクシスの将軍が「ハァクスケェカ」と叫ぶシーンがあるのは、改変前の名残である。

日本での公開

  • 公開時の宣伝コピー『不思議な映像へようこそ! 世界初の映像革命《ロボットロニクス》 三つの太陽が一つになるとき…クリスタルに奇跡が起こる』
  • この映画はアニマトロニクス技術を使用した映画の第一号と言えるが、公開当時にその用語はなく、日本公開においては、「ロボットロニクス」という造語で宣伝された。
  • 人間の俳優が一切登場しないという特殊性ゆえ、日本公開においては宣伝と言えるほどの宣伝[注 12]も行われず、関連商品も日本版小説を除いてはまったく発売されずという不幸な公開だった。ロードショー公開時にはそれほど注目を集めることもなかったが、その後の口コミによるものか、各地の名画座での公開には行列が出来るほどの人気を見せた。

注釈

  1. ^ ただしインダストリアル・ライト&マジックの参加は異世界背景のマット画など限られたものである。
  2. ^ 短い尻尾を持っているが、映画本編では紹介されることはなかった。
  3. ^ なお、ジェンとキーラの誕生日は、ミスティック族の数霊術師の砂絵占いにポイントとして記されており、公式にジェンの方が歳上とされている。
  4. ^ 劇中、呼ぶ者によって、キーラの名は「キーラ」とも「キアラ」とも聞こえる。日本版小説では「キアラ」で統一されている。
  5. ^ ダーククリスタルの城で、「生命のエキス」装置から逃れて、ジェンを探しに行こうとするキーラに「友を探せ、(お前の)死を探せ」と語りかけ、最終的にゲルフリン族のジェンの手で、ダーククリスタルが癒され修復される過程で、キーラの自己犠牲による死が避けられないことを示唆している(マーベルコミック社より刊行されたコミック版には、より具体的に描写されている)。
  6. ^ このエピソードはよく知られているが、打ち合わせ相手の娘はリサ・ヘンソンとも言われる。
  7. ^ カーミットの声をジム・ヘンソンが担当していたことや、ミス・ピギーの声をフランク・オズが担当していることはよく知られる。
  8. ^ ウェンディ・ミッドナーはこれら作業の縁で後日、ブライアン・フラウド夫人となっている。
  9. ^ 毛皮の調達元はすべて古着の毛皮コート等である。
  10. ^ 『ダーククリスタル』の米国公開は、元来1982年5月28日を予定していたが、これら改変によって延期され、結局同年のクリスマス公開となった。A.C.H.スミスによる映画ノベライズは、完成試写版の映画脚本を元にしており、公開された映画とは若干の違いを見せている。
  11. ^ 公開当時ブエナビスタ社から関連商品として、発売されていたドラマ版LPはオウグラの声だけがオリジナルと違っていた。キャスト名が記載されていないため、詳細は不明ながら、変更前のキャストと思われる。
  12. ^ 映画で使われたキャラクターの人形の一部がソニープラザにて展示公開された模様。

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