ダーククリスタル ストーリー

ダーククリスタル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/20 10:19 UTC 版)

ストーリー

暴虐な種族・スケクシス族は、、巨大な黒水晶ダーククリスタルを得て、千年もの間惑星トラを支配下に置いていた。不死の存在と思われていたものの、絶大な権力を誇った皇帝が死に、残るはわずかに9人となった。間もなく来る3つの太陽の「大合致」に、ダーククリスタルは巨大な力を得て、スケクシスの力は再び往時の勢いを取り戻すことが期待されていた。

この地には、「三つの太陽が ひとつに輝くとき 分裂し、破滅したものたちは ひとつに統べられる ふたつをひとつにするのは ゲルフリンの手によって あるいは無なり」という預言があり、それを恐れたスケクシス族は、かつて邪悪な兵士・ガーシムを用いてゲルフリン族を滅ぼしたはずだった。だが、ゲルフリン族の若者ジェンは、ダーククリスタルの城から遥かに離れた谷で、穏やかな賢者の種族ミスティック族に保護されて生き延びていた。光の粒となる最期を迎えたミスティック族の長老からの遺言の中で、スケクシス族と預言について知らされたジェンは、世界を破滅から救うというクリスタルを求めて旅に出た。

一方、ダーククリスタルの城では、新たな皇帝の座を巡り、将軍と侍従長が争い、最終的に将軍が新たな皇帝の座に就くこととなった。その直後、ダーククリスタルを通じてジェンの存在がスケクシス族に知らされ、ガーシムたちが駆り出される。一方、将軍に負けた侍従長は、ゲルフリン族の生存を知ると何事かを思案し、荒野へと立ち去った。

旅を続けていたジェンはこの世界を観察していた魔女・オウグラと出会う。彼女の館には、ウルスケク族というこの星の外からやってきた種族から授けられた宇宙の模型「太陽系儀」があり、ジェンはその美しくも不思議な動きに興味を示す。その後、ジェンは時間こそかかったがオウグラの持つ欠片の中から、本物のクリスタルの欠片を選び出した。だが、オウグラの館にガーシムたちが攻めてきたため、ジェンは太陽系儀を利用して館から脱出する。

沼地まで逃げてきたジェンは、同族の少女キーラと出会う。彼女が育てられたポッド族の村を訪れたジェンは歓待を受ける。ポッド族にガーシムたちが襲撃してくる中、スケクシスの侍従長が現れ、ジェンたちは難を逃れる。一方、ミスティック族の谷では、ミスティック族全員が、ダーククリスタルの城への旅を始めようとしていた。

悲しみの中、森で一夜を過ごしたジェンとキーラは遺跡に迷い込む。その壁画より預言の意味を読み取ったジェンは、キーラが呼んだランドストライダーに乗り、二人でダーククリスタルの城を目指した。地下水道よりダーククリスタルの城に侵入した二人は、スケクシスの侍従長に見つかる。キーラは囚われの身となり、スケクシスの科学者より「生命のエキス」を抽出されそうになる。

同じく囚われたオウグラと意識を取り戻したジェンの励ましにより、キーラは動物たちの助けを借りて、危機を逃れる。二人はそれぞれにダーククリスタルを目指し、黒水晶の間に到達した。距離を置いても互いの無事を確かめ、心から安堵した。「大合致」の時間が近づく中、黒水晶の間に集結していたスケクシス族に見つかったジェンは、ダーククリスタルに取り付くことに成功するが、携えていたクリスタルの欠片を取り落としてしまう。キーラがとっさに拾い上げ、ジェンに投げ渡したが、スケクシス族の手でキーラは殺された。「大合致」によりダーククリスタルの輝きが強まる中、ジェンは絶望と怒りに燃え、ダーククリスタルの亀裂に欠片を戻した。欠片はダーククリスタルと融合し、大水晶が復活し、その衝撃でジェンは振り落とされる。

泣きながらキーラを抱き上げる彼の眼前で、スケクシス族とミスティック族は融合し、ウルスケク族となっていった。スケクシス族の意思とミスティック族の叡智が溶け合った輝きの中で、ジェンは事の真相を告げられる。ウルスケク族の力でキーラは甦った。世界と大水晶を託すと告げられ、ジェンとキーラは異次元へと昇天していくウルスケク族を見送る。


注釈

  1. ^ ただしインダストリアル・ライト&マジックの参加は異世界背景のマット画など限られたものである。
  2. ^ 短い尻尾を持っているが、映画本編では紹介されることはなかった。
  3. ^ なお、ジェンとキーラの誕生日は、ミスティック族の数霊術師の砂絵占いにポイントとして記されており、公式にジェンの方が歳上とされている。
  4. ^ 劇中、呼ぶ者によって、キーラの名は「キーラ」とも「キアラ」とも聞こえる。日本版小説では「キアラ」で統一されている。
  5. ^ ダーククリスタルの城で、「生命のエキス」装置から逃れて、ジェンを探しに行こうとするキーラに「友を探せ、(お前の)死を探せ」と語りかけ、最終的にゲルフリン族のジェンの手で、ダーククリスタルが癒され修復される過程で、キーラの自己犠牲による死が避けられないことを示唆している(マーベルコミック社より刊行されたコミック版には、より具体的に描写されている)。
  6. ^ このエピソードはよく知られているが、打ち合わせ相手の娘はリサ・ヘンソンとも言われる。
  7. ^ カーミットの声をジム・ヘンソンが担当していたことや、ミス・ピギーの声をフランク・オズが担当していることはよく知られる。
  8. ^ ウェンディ・ミッドナーはこれら作業の縁で後日、ブライアン・フラウド夫人となっている。
  9. ^ 毛皮の調達元はすべて古着の毛皮コート等である。
  10. ^ 『ダーククリスタル』の米国公開は、元来1982年5月28日を予定していたが、これら改変によって延期され、結局同年のクリスマス公開となった。A.C.H.スミスによる映画ノベライズは、完成試写版の映画脚本を元にしており、公開された映画とは若干の違いを見せている。
  11. ^ 公開当時ブエナビスタ社から関連商品として、発売されていたドラマ版LPはオウグラの声だけがオリジナルと違っていた。キャスト名が記載されていないため、詳細は不明ながら、変更前のキャストと思われる。
  12. ^ 映画で使われたキャラクターの人形の一部がソニープラザにて展示公開された模様。

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