ストック (スキー)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/26 20:14 UTC 版)
種類
ストックはスキーの滑走目的や競技内容などによってその長さや形状が異なる。スキージャンプやスキーボードではストックは使用しない。
アルペンスキー
アルペンスキーの基礎スキーで一般に適切とされるストックの長さは、平面な床に素足で立った時にストックのリングから石突きまでの部分を持って、グリップを手の真下の床に垂直に突いた時、腕が直角になっている状態の長さが良いとされている。ただし、伸縮可能なストックを使い、状況に合わせて長さを変える事もある。
コブのある斜面を滑降するモーグルでは、コブの頂点と溝という高低差のあるところを滑るため、溝に入ったときコブの頂点についたストックを谷側にスムーズに反せるように特に短くなっている。
アルペンスキーの競技ではスタート時のスケーティングなどでストックを突きながら助走・加速するのに使われるので、多少長めのものが使用される。その中で滑降(ダウンヒル/Downhill)やスーパー大回転(スーパージャイアントスラローム/Super Giant Slalom, Super G)のように高速滑走が行われるスキー競技では、前方にかがみこんでストックのシャフトを体に沿わせ、石突きを後方に突き出すクローチング姿勢をとるため、脇に抱えやすいように体型に合わせてシャフトが屈曲したストックが用いられる。一方で回転(スラローム/Slalom)では手やシャフトでポールを倒すので、グリップにプロテクタ(ナックルガード)を取り付けたストックを使用する。
競技用バーン(斜面)は水や硫安・塩カリ等の凝固剤の散布によってスケートリンクのように硬いアイスバーンとなるため、ストックの石突は鋭利で硬質となっている。
競技用に使われるストックのバスケットは主に空気抵抗減少を目的として非常に小さいものが装着され、特に高速系競技(滑降・スーパー大回転)に使われる物は空気抵抗がシビアになるために円錐形やピンポン玉形状として、バスケットと呼ぶのが難しい物が付いている事もある。
クロスカントリー
クロスカントリースキーでは平らな雪面を突きながら進むため、背中などへの負担を軽くするために長いストックが使われる。
- ^ 参考資料:日本スキー教程「安全編」P.140/山と渓谷社刊 ISBN 978-4-635-46022-4 より
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