シンファクシ級潜水空母
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/17 18:42 UTC 版)
戦歴
シンファクシ
シンファクシ(Scinfaxi)はシンファクシ級のネームシップである。環太平洋戦争の勃発に伴い実戦投入され、2010年9月30日に初の実戦を経験した。オーシアの内海にあたるベニオン海を目指し、イーグリン海峡に集結していたオーシア軍の3隻の空母に対して、艦載機による奇襲を実施した。攻撃圏外と思われていた海域での奇襲により、オーシア軍を一時的に混乱させることに成功したが、直掩航空部隊による反撃や空母から発艦した艦載機による迎撃を受け、攻撃部隊は壊滅した。これを受けて散弾ミサイルによる直接攻撃に作戦を変更し、二度に渡る散弾ミサイル攻撃で空母バルチャー、バザードを含む艦艇を撃沈し、低空に留まっていた敵航空部隊をほぼ壊滅させ、オーシア海軍の空母機動戦力に大きな打撃を与えた。
10月4日、オーシア最西部に位置するサンド島を制圧する作戦に参加した。オーシア軍機の対艦攻撃によって揚陸艦隊の被害が拡大したことを受けて、散弾ミサイルによる敵航空部隊の掃討を狙ったが、シンファクシの実戦配備を受けて投入されたアークバードによる宇宙からのレーザー攻撃によって散弾ミサイルを迎撃された。これに対してシンファクシは散弾ミサイルの連続発射による飽和攻撃で対抗し、敵航空部隊の一部に打撃を与えた。しかし、この間にオーシア軍の対潜哨戒機が投下したソノブイにより探知され、その位置情報を基に行われたレーザー攻撃によって海中にいたにも関わらずバラストタンクを損傷し、浮上を余儀なくされた。即座に艦載機を発艦させ対空火器や散弾ミサイルによって応戦したが、再度のレーザー攻撃によって艦載機発進口付近が大きく損傷し、さらなる航空攻撃を受けたことで撃沈された。
リムファクシ
リムファクシ(Hrímfaxi)はシンファクシ級の2番艦として建艦されたが、各所に大幅な改良が施されていた。主な改良点は、無人化した搭載艦載機の水中射出能力の付与、運用人数を40人に抑えるほどの運用システムの省力化、推進器の改良による航続距離の延伸である[6]。シンファクシと同様に環太平洋戦争に実戦投入された。オーシア軍の将兵はラーズグリーズ海峡を航行していたリムファクシを「ラーズグリーズの悪魔」と呼称していた[7]。また、リムファクシの将兵は自らの艦隊を「最強艦隊」と称しており、自身の艦を「ラーズグリーズ」と呼んでいた。
2010年11月初旬から中旬頃、アネア大陸北方のラーズグリーズ海峡に展開していたリムファクシは、オーシア軍がユークトバニア南東のバストーク半島に敷設した海岸橋頭堡に弾道ミサイルを使用して長距離攻撃を実施した。しかし、既にオーシア軍は準備展開を終えており、大きな損害を与えられなかった。
リムファクシにミサイルを補給するため海中を移動していた補給潜水艦がオーシア軍の聴音探知によって発見され、航路情報から補給予定時刻が計測された。11月14日、オーシア軍機は補給予定時刻を狙って低空からラーズグリーズ海峡に侵入した。リムファクシを中心に12隻のピケット潜水艦が輪形陣で警戒しており、オーシア軍機の接近をリムファクシに通告したが、浮上して補給の最中にあったリムファクシは潜航が間に合わず攻撃を受けた。緊急潜航により追撃は避けられたが、初撃によってミサイル発射系統の一部を損傷しミサイルの水中発射が不可能となった。同時刻に、この空襲に連動してオーシアのユークトバニア本土侵攻軍が大規模攻勢を開始し、前線が次々に突破されていった。潜水艦隊司令部はリムファクシに弾道ミサイルによる対地支援を発令し、この命令を受けたリムファクシは浮上して弾道ミサイル発射を試みた。支援攻撃は一定の成果を挙げたが、浮上したリムファクシに対してオーシア軍機が攻撃し、バラストタンクを破損したことで潜航が不可能となった。やむを得ず海上で決着をつけることを決断したリムファクシは、UCAVを展開し対空火器で迎撃を試み、さらに散弾ミサイルのターゲットをオーシア軍機に切り替えて応戦したが、随伴する潜水艦と共に甚大な被害を受け、ラーズグリーズ海峡の氷海に没した。
リムファクシを撃沈したオーシア空軍のウォードッグ隊は、この戦果によってユークトバニア軍の将兵からは「ラーズグリーズの悪魔」と呼ばれ恐れられ、オーシア軍の将兵からは「ラーズグリーズ海峡の英雄」と呼ばれ、戦意高揚の源ととなった。
戦後の扱い
戦後、10年に渡って表向きは両艦とも「環太平洋戦争における任務遂行中に起こった事故により喪失した」とされていた[8]。2020年4月、オーシア情報安全保障監督局のデータベース上で閲覧可能となった最高機密文書によってオーシア軍によって撃沈されたことが公表された[9]。
注釈
- ^ 『エースコンバット5』の作中において日本語では一貫して「鉄の雨」と呼ばれているが、英語では「molten steel rain」、「steel rain」、「metal rain」など差異がある。
- ^ 『エースコンバット5 ジ・アンサング・ウォー パーフェクトガイド』の263頁など各種資料の図画では船体前部に機関砲を2基、船体後部に機関砲を4基搭載するとしているが、本記述では『エースコンバット5』作中の描写を優先した。
- ^ 英語表記は「Submersible Aircraft Cruiser」もしくは「Submersible Aviation Cruiser」。
- ^ 「BSC-1」は「Building Submarines of Concealment-1」の略称である。調査時点でOIAは特区といった名称を知らなかったため、オクチャブルスクB1~B4特区を総称してBSC-1と呼称している。他にもBSC-2やBSC-3と呼称される地域がある[12]。
- ^ オーシア軍艦隊が発射したVLAは4発のみである。これはアリコーンが無音に等しく、短魚雷同士のノイズで目標を見失わないよう投射数を限定したためである[22]。
- ^ トーレス大佐は1997年に駆逐艦ハーンの砲術士として参戦しており、その際嵐の中30㎞離れた敵艦に砲弾を命中させ勲章を受章した経歴を持つ。
- ^ 例えば、アリコーンと搭載機数が比較的近く、運用機も同じである仏海軍の原子力空母「シャルル・ド・ゴール」(搭載機数最大40機)の航空要員は542名である。
出典
- ^ a b c d ACES WEB:ACE COMBAT™ 5 THE UNSUNG WAR (Youtube). バンダイナムコエンターテインメント. 25 December 2020. 該当時間: 4:51. 2020年12月31日閲覧。
- ^ ACES WEB:ACE COMBAT™ 5 THE UNSUNG WAR (Youtube). バンダイナムコエンターテインメント. 25 December 2020. 該当時間: 6:34. 2020年12月31日閲覧。
- ^ a b c d 『エースコンバット7』、SP MISSION 2、ブリーフィング前ムービー。
- ^ a b ACE COMBAT Channel. “ACE COMBAT Superweapon Official Commentary #4 Scinfax & Alicorn”. 2023年12月9日閲覧。
- ^ a b 『エースコンバット5 ジ・アンサング・ウォー パーフェクトガイド』、263頁。
- ^ 『エースコンバット5 ジ・アンサング・ウォー パーフェクトガイド』、240頁。
- ^ 『ACES at WAR A HISTORY』、53頁。
- ^ a b c d e f g h ““FRONTLINE” 2012年4月号 特集:廃棄される巨大潜水艦”. バンダイナムコエンターテインメント. 2020年3月8日閲覧。
- ^ “GAZE 2020年7月10日号特集:「戦争の英雄達:環太平洋戦争機密文書解除」”. バンダイナムコエンターテインメント. 2020年2月9日閲覧。
- ^ “エースコンバット7DLCディレクターの夛湖久治(Tagotch)のツイート”. 2021年5月1日閲覧。
- ^ “エースコンバット7DLCディレクターの夛湖久治(Tagotch)のツイート”. 2020年2月26日閲覧。
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- ^ “ACE COMBAT7: SKIES UNKNOWN シーズンパス トレーラー OBC NEWS”. 2020年3月9日閲覧。
- ^ 『エースコンバット7』、SP MISSION 1、デブリーフィング後ムービー
- ^ a b c d “エースコンバット7DLCディレクターの夛湖久治(Tagotch)のツイート”. 2020年6月12日閲覧。
- ^ a b 『エースコンバット7』、SP MISSION 2、ブリーフィング
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- ^ a b c 『エースコンバット7』、SP MISSION 1、ブリーフィング
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- ^ “エースコンバット7DLCディレクターの夛湖久治(Tagotch)のツイート”. 2022年2月6日閲覧。
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- ^ 『エースコンバット5 ジ・アンサング・ウォー パーフェクトガイド』、265頁。
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- ^ a b “エースコンバット7DLCディレクターの夛湖久治(Tagotch)のポスト”. 2024年1月18日閲覧。
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