あめぞう 歴史

あめぞう

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/04 04:33 UTC 版)

歴史

あめぞうが発明したとされるスレッドフロート型掲示板匿名掲示板)の系譜。あめぞうは2ちゃんねるの親サイトであり、4chan8chanを含む、他すべてのchanサイトの源流、もしくは雛型となった。

1997年8月5日、ウェアーズなどへのリンク集として始められた。

あめぞうが同僚の「あんなの紙芝居みたいのもの、すぐ飽きる。長くやっている奴はバカだ」と言う発言に憤慨し、「あっと思うような情報がネットには流れているんだぞと示してやろう」と、掲示板ページへのリンク集を作ることにし、副題も「インターネットの情報は、つまらないと言う人への無言の抗議」と変えた。当初は外部の掲示板へのリンクだけであったが、その内、あめぞうリンク内に掲示板を設置し、あめぞう自身がリンク先の掲示板に手広く宣伝を行ったこともあって、人気を増していく[5][6]

1998年3月19日のサーバー移転を契機に積み上げ型のMiniBBSを用いて、「掲示板ニュース速報」[注 2]と「株式速報」を設置。

1998年9月3日、あやしいわーるどが閉鎖され、難民となった利用者があめぞうに流れ込んだ[注 3]。直後の9月6日に、Try The Homepageで配布されていたresbbsにスクリプトを変更。

10月中に、「ニュース」「芸能」「スポーツ」「大黒」「漫画」などが新設され、サーバーを移転したのを契機に副題を「大本営発表以外の情報」に変更。29日にはInternet Watchの「ウォッチャーが選ぶ今日のサイト」に選出されるなど、WWW上では一定の知名度を得ている[7]

11月から12月にかけて、「ゲーム」「食べ物」「しりとり」「妄想」「映画」など様々な掲示板が新設される。

1999年1月中旬から下旬にかけて、resbbsを改良しあめぞう型掲示板が完成。1-2月頃に後に問題となる「内部告発」が設けられる。さらに5月末までに、合計40以上の掲示板を設置。この頃をあめぞうリンクの最盛期とする声が多い[8]。この頃には、「BlackBox」「廃墟」といった大規模な私書箱型掲示板が閉鎖することで、そこからも人が流れ込み[9]、同4月には、1日のアクセス数が『Yahoo!掲示板』を超え、日本一の掲示板となって[10]、流行物の雑誌にも取り上げられ[5][11]、一般社会にもその存在を知られるようになった。

1999年5月30日、ひろゆきが、「あめぞうのセカンドチャンネル」「サブ的な位置づけ」として2ちゃんねるを開設し、あめぞう掲示板に報告[注 4]

1999年6月、利用者の増加によるサーバーダウンが常態化。ネット業者のまいたいねっとがサーバーを提供するが、改善には至らなかった。同月19日、何らかの圧力を受け「内部告発」板が閉鎖される[14][注 5]

2ちゃんねるは6月14日にohayou.comに移転していたが、1999年7月28日、これがひろゆきが社長である合資会社東京アクセスの所有であることが判明し、善意の一個人などでなく、企業による運営であったことから批難を受ける[15][注 6]

1999年8月初旬、速報につぐメイン、「@広場」創設。

1999年9月3日、匿名掲示板界隈で流行語となる「空気が疲れてきているな」スレッド誕生[18]

早い報告では6月、確実なところでは8月20日から、あめぞうウイルス[注 7]が来襲して蔓延し、管理に疲れたあめぞうが失踪。管理者を失ったあめぞう掲示板のパーミッションをまいたいねっと側が落とし始める。こういったことが続いて、8月12日に、ohayou.comから2ch.netへ移転していた2ちゃんねるへ利用者の流出が続いた。10月14日、メイン掲示板の「@広場」が停止。21日はまいたいねっと上の残りの掲示板も壊滅し、旧サーバーの一部掲示板だけが残る。

1999年11月には、実質機能停止におちいったあめぞう掲示板の後継を模索する試みが利用者により始められ、臨時掲示板が各所に設けられた。

1999年12月1日、infohandsにより「あめぞう避難所として作られた掲示板へのリンク集を作り、難民を誘導する」として「あめぞう2000計画」が発動され、リンク集的なサイトとして「あめぞう2000」が設立される[注 8]

1999年12月31日、元あめぞうサポートを務めていたという通称"サポート"により、"あめぞう"というあめぞうリンク同様のものが設けられ、翌年1月22日、名前が紛らわしいとの批判を受け、「あめぞう(仮)」と改名。これによって、本家あめぞうリンクの復活を目的としていたあめぞう2000は目標を失い、サイトに接続するとあめぞう(仮)を表示するようにし、またあめぞう界隈を盛り上げるために「あめぞうスポーツ」発刊などを始めた。

2000年1月7日、靴屋のスミスにより「靴スミ掲示板」が設けられ、この掲示板のindexファイル作成を高速化するファイルの二重化機能が2ch経由であめぞう型掲示板にも取り入れられる[19]

2000年3月3日、機能停止していたまま残存していたあめぞうリンクが消滅。しかし、ドメイン自体はまだあめぞうが保有しており、この後amezo.comにアクセスするとあめぞう(仮)が表示されるようになって、「あめぞう(仮)」は正式に避難所として認められた。

2000年6月14日、「あめぞう(仮)」が、何の説明もなく突如閉鎖してしまう。この閉鎖前にinfohandsがあめぞう掲示板に集まる住人の可能性を感じて、自由に使える場「あめざーねっと」を提供するためにサーバーを確保していたが、閉鎖によって「あめぞう(仮)」の代替掲示板としても稼動する事になった。掲示板群の総称は当初「あめぞう(仮)の仮」だからと「あめぞうカリカリ」、後に名称公募して「あめぞう将軍カリレン」となる。 「@広場」の管理人には、水谷わひょみが就任。

2000年6月18日、三河人が「三河版」を開設。

2000年6月30日、infohandsがあめぞうREMIX!(マゼリータ)を開始[20]

2000年8月、本来、「あめぞう(仮)」のような、あめぞう掲示板本体を運営する気がなかったinfohandsが「あめざーねっと」を閉鎖することを決定。この閉鎖決定を受けて、水谷わひょみが「あめざーねっとII」を設立、また、11日にサポートが「あめぞう(仮)」を復活させるが、閉鎖の経緯により不信感を持たれており、二割程度しか利用者は戻らなかった(一年ほどで過疎化)。

2000年10月5日、infohandsの「あめぞう2000」は、各ニュースサイトの更新タグを自動収集するCGIを開発し、ヘッドラインサイトに変貌。

2004年6月27日、「あめざーねっとII」が終了。ヒロバカー・尻えくぼ健太郎が管理人となって引き継ぎ「あめざーねっとIII」に改称。

2007年1月18日、元々スクリプト公開サイトであった「あめざーねっとIV」がheteml鯖移転を機にドメインも取得し、本格的に掲示板運営を開始。同年、「あめざーねっとIII」での荒らしの発生や運営に対しての不満等組み合わさり、大多数の住人が「あめざーねっとIV」へ移住した。

2016年、「あめぞう(仮)」が閉鎖。

2017年、「あめぞう(仮)」の後継サイトとして「新新あめぞう」が開設される。


注釈

  1. ^ ただし、サーバ設定の変更などによって、一時的ではあったが一部の板が使用可能になったことがあった。現在あめぞう掲示板の過去ログとして残されているもの多くは、その時にサルベージされたものである
  2. ^ リンク先の掲示板など、外部の掲示板で繰り広げられている事を話題にする。
  3. ^ 難民の要望に応え、一時期「あめぞうわーるど」というあやしいわーるど風の掲示板も設置した。
  4. ^ あめぞうリンクからの客があったため、当初から10,000ユーザーを抱えた[12]
  5. ^ 一般に原因とされるのは京都市バスに関するスレッドだが、他にも暴力団の資金源に関するスレッドなどもあり、あめぞうの個人情報をちらつかせた脅迫じみた書き込みもあった。
  6. ^ ひろゆきは、予想より早く実現したものの、2ちゃんねるが社会的に大きな存在になることは当初より確信しており[16]、暴露の前日27日には、「うーん、これで食っていこうかなとちょっぴり思っている」と発言している[17]
  7. ^ あめぞう掲示板の文字列処理のバグを悪用し、ブラウザが処理できないほど巨大な値を投稿して、ブラウザをクラッシュさせるもの。
  8. ^ これはあくまで、あめぞう自身によるサイトが復活したら解散するという前提の元に集められたものであった。

出典

  1. ^ https://github.com/hackpaint/amezo
  2. ^ ばるぼら (2005) p.256
  3. ^ 「巻頭インタビューひろゆき(西村博之)」 『インターネット「タブー」地帯』 <別冊宝島1661> 宝島社 2009年11月16日 pp.2-11
  4. ^ ばるぼら (2005) p.260
  5. ^ a b 武田徹「オンラインジャーナリズム最前線」、『日経トレンディ臨時増刊号』1999年4月22日発売号。(インターネットアーカイブのキャッシュ)
  6. ^ 「あめぞうインタビュー 於:羽田・新東京国際空港 日時:3月21日16時40分-18時10分 参加:●あめぞう、○武田徹 △天野(日経トレンディ編集部)」(インターネットアーカイブのキャッシュ)
  7. ^ ウォッチャーが選ぶ今日のサイト1998年10月28日- internet watch
  8. ^ ばるぼら (2005) p.258
  9. ^ ばるぼら (2005) p.204
  10. ^ 哭きの竜 「真ザ・バトルウオッチャー・ロワイアル R2:電網英雄伝説~黎明篇~」
  11. ^ 『ダカーポ』 1999年4月21号 マガジンハウス
  12. ^ 井上 (2003) p.90
  13. ^ あめぞう閉鎖の理由
  14. ^ あめぞう「プロバイダじゃないです くやしーいです」「こんな感じで、閉鎖するHPが増えるんだったら、インターネットの先も暗いです。」[13]
  15. ^ 2ch打倒の切り札
  16. ^ 井上 (2003) p.126
  17. ^ ばるぼら (2005) p.224
  18. ^ ばるぼら [2005] p.225
  19. ^ ばるぼら(2005) p.228
  20. ^ あめぞうREMIX!
  21. ^ 「技術座談会」 『2ちゃんねる公式ガイド2002』
  22. ^ ただし、ひろゆきと連絡を取り、7月半ばにはあめぞうリンクもHTML出力となっている。 ばるぼら (2005) p.262
  23. ^ ばるぼら (2005) pp.258-259





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