Sindora属はマラヤ、タイ、カンボジア、スマトラ、ボルネオ、スラウェシ、ジャワなどに分布しており、約20種が知られています。Pseudosindora属の場合は一種がサラワクの海岸に近い地域に分布しているのみです。両者ともセプターと呼ばれて、同類の木材として取扱われることが多いのです。Sindora属の方は、種の数が多く、分布も広いので、国によって市場名が違っています。フィリピンではスーパ、インドネシアではシンドール、マライ語圏ではセペチールと呼ばれています。 ■木材 樹種によって心材の色が違っており、比較的淡色で桃色を帯びるものから濃い赤褐色になるものまであります。Sindoraの木材の特徴は、軸方向細胞間道(樹脂道)があり、それが同心円状に配列していることです。これは東南アジア産の木材のうちで、フタバガキ科のラワンあるいはメランチの木材にみられる特徴です。この性質は、他にはないので、Sindora属の木材を他から区別するのは容易です。一般に横断面に“やに”が滲み出ていて、濃色のしみになっています。ところが、Pseudosin-doioraの木材は、上述の樹脂道が全くありません。樹種によっては、濃色の縞があり、美しい材面をもつことがあります。木理は通直か浅く交錯しています。肌目はやや粗で、加工にはやや難があります。保存性は樹種により差があり、濃色で重硬なもの程高いとされています。気乾比重は0.83(S.supa)、0.57~0.76(Sindura spp.)、0.64~0.72(セプター、パヤ)などです。 ■用途 家具、キャビネットなどに用いられます。濃色の縞があるものは、その、材面を利用して装飾的な用途に用いられます。 |