須藤徹とは? わかりやすく解説

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須藤徹

須藤徹の俳句

おぼろ夜のしゅうるに走る黒猫よ
くちびるがぶ厚く走る枯木灘
たましいを蹴りつつ還る冬銀河
てのひらの荒野を翔てるてんと虫
とこしえに天心をゆく夜汽車かな
なにゆえに踝曇る福寿草
ふなばたを鶏歩く八十八夜
アルミ缶捻りて海が遠くなる
ガラス切る音の軋みに雪ふりだす
スカートの中は国境秋の風
ブリキの戦車海峡に捨てる秋よ
ベッドサイドに機関車とまる月の原
一声あり龕灯のその裏側に
一少女部品置場の秋を掃く
一言を萩に残してドラマー逝く
一髪を聖書にはさみ秋に入る
両手に月をのせ戦争が倒れていた
二百二十日に着きたる二十歳の十七屋
人体に電流通う花の下
体内の水傾けてガラス切る
僧笑う厠明かりの空蟬を
内側の野菊捨てたる男かな
凧たぐる神の恥骨に触れるべく
初夏の白髪の人箔を押し
剃刀に映す拳と炎天と
厠紙裂けば星隕ち島の夏
厨出て断層へゆく碧揚羽
地平線へ槍放ちけり春の芝
墓参後は畳を運ぶ春の人
夜の三和土麦秋の人匂い立ち
大地より紙立ち上がる終戦忌
姉川や夜の郵袋へ木の実降る
寒昴墓に口笛つきさして
山茶花の白を残して鳥立てり
川幅にホッチキスを打つ男娼K
川幅に灰が舞いおる十三夜
幻燈にものいう老婆冬の雨
御真影へ冥く曲がれる黒揚羽
恋猫の思想の胴の伸び縮み
掌をかさねて冥き海市見る
排泄の鉄塊光る秋の浜
擦れ違い煙を放つ冬の祖父
新樹の夜星うつるまでピアノ拭く
春寒をしくしくと聴くウォークマン
春嵐剥製の尾羽微動せり
春雷を背に疾走す野生馬
晩禱に胴体の下おぼろなり
暗室を出て秋の蝶見にゆけり
曲がるたび傷深くなる雪の街
月おぼろ空き地に傘の骨刺さり
 

須藤徹

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/09 21:50 UTC 版)

須藤 徹(すどう とおる、1946年10月1日 - 2013年6月29日)は、日本の俳人文芸評論家多田裕計小川双々子の門下生。俳句を中心とした文芸誌「ぶるうまりん」の代表(編集・発行人)を務めた。「豈」同人。


  1. ^ 須藤徹氏死去(俳人、文芸評論家) 時事通信 2013年7月4日閲覧


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