非感染性心内膜炎
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/11/03 11:58 UTC 版)
非細菌性血栓性心内膜炎 (NBTE) や衰弱性心内膜炎がよく起こるのは、それまでは健全だった弁においてである。感染性心内膜炎とは異なり、NBTE における増殖症の塊は規模が小さく、成長が遅く、また弁の縁や尖端に発生する。NBTE は通常、全身性のバクテリア感染や妊娠期のような凝固性亢進状態の時に起こるが、静脈カテーテルを使う患者でも時々見られる。NBTE は癌患者、特に Trousseau 症候群を起こす膠様腺癌の患者で見られる。一般に NBTE はそれ自身ではあまり問題を起こさないが、増殖組織が飛び散って心臓や脳に塞栓症を引き起こすことがある。またバクテリアが住み着く取っ掛かりとなり、感染性心内膜炎を引き起こすこともある。 成長の遅い別の心内膜炎はリブマン・サックス心内膜炎(Libman–Sacks endocarditis)と呼ばれる。これは紅斑性狼瘡の患者でよく見られ、免疫複合体の沈着によるものと考えられている。NBTE のように、リブマン・サックス心内膜炎の増殖症の塊は、感染性心内膜炎のものに比べて小さい。これらの免疫複合体は急性の炎症を引き起こし、それが NBTE との鑑別点になる。また NBTE とは異なり、リブマン・サックス心内膜炎は沈着の起こりやすい部位というものが無いようであり、弁の裏面や、心内膜に発生する場合もある。
※この「非感染性心内膜炎」の解説は、「心内膜炎」の解説の一部です。
「非感染性心内膜炎」を含む「心内膜炎」の記事については、「心内膜炎」の概要を参照ください。
- 非感染性心内膜炎のページへのリンク