視覚面を重視した演出
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/08 07:19 UTC 版)
長俊の作品は大別すると、「眷属を引きつれた異神・荒神・女神の出現する脇能物」、「武士同士の闘争斬合物」、「異類の打合や怨霊退治を中心趣向とするもの」の3種に分けることができる。 父・信光の「ショー的・スペクタクル的演出」「シテを特定しにくい様な多様な役柄の登場」「空想的異国趣味」といった特徴を受け継ぎつつ、さらに視覚的な解りやすい演出を追及している点に特色がある。大道具である作リ物を「輪蔵」「河水」「葛城天狗」といった曲で活用しており、特に「輪蔵」の回転する経蔵については、「能の作リ物の中で最も手がこんでいる上美しい」とされる。作リ物のほか、装束・脚色においても同様の視覚的工夫が凝らされ、「装飾的」な作風と評される。 そのほとんどの作品には斬合・打合の場面があり、また「霊験物における並列的演出」、「武士物における濃厚な地方色・在地性」などの特徴ともども、戦国時代という世相の反映が指摘されている。
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