精神疾患としての嗜好
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/13 15:14 UTC 版)
国連の WHO が定めている精神疾患に関する分類 ICD で、精神障害(mental disorder)として記載されている性的嗜好があり、あるいは米国における APA が定める DSM においても、ある種の性的嗜好は、精神疾患として記載されている。ただし、それは精神障害の名称に、特定の性的嗜好の類型名が使われているので、例えば、フェティシズムやマゾヒズムの性的嗜好を持つ者が、即ち、精神障害という意味ではない。 ICD においては、「F65 性嗜好の障害」として、Paraphilia(性的倒錯)を含む、次のような性的嗜好が、障害とされる。フェティシズム フェティシズム的服装倒錯症 露出症 窃視症 小児性愛 サディズム サドマゾヒズム マゾヒズム 性嗜好の多重障害 屍体性愛 獣愛 接触性愛 性的逸脱 性的倒錯 性的偏倚 性嗜好の障害 APA (アメリカ精神医学会)の DSM-IV-TR では、「Paraphilia(性的倒錯)」として次のような項目が、disorder(障害)として列挙されている。露出症 フェティシズム 接触性愛 小児性愛 性的マゾヒズム 性的サディズム 服飾倒錯的フェティシズム 窃視症 その他の性的倒錯 上述の性的嗜好を持つ人が性的倒錯であり、精神障害を持つ人ということではない。精神疾患における「性嗜好」に関係する診断類型に、特定の性的嗜好の名が付けられている。これらの性的嗜好を持つ人の嗜好が、極端化すると精神障害になるのかというと、そうではない。精神の障害が、何かの性的嗜好の形で表現されるというのが寧ろ妥当である。子供に性的魅惑を感じる人は小児性愛の嗜好者であるが、必ずしも精神疾患としての小児性愛者ではない。
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