砂漠の聖ヒエロニムス (ベッリーニ、ワシントン)とは? わかりやすく解説

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砂漠の聖ヒエロニムス (ベッリーニ、ワシントン)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/03 21:21 UTC 版)

『砂漠の聖ヒエロニムス』
イタリア語: San Girolamo nel deserto
作者ジョヴァンニ・ベッリーニ
製作年1505年
寸法49 cm × 39 cm (19 in × 15 in)
所蔵ナショナル・ギャラリー (ワシントン)

砂漠の聖ヒエロニムス』(さばくのせいヒエロニムス、伊:San Girolamo leggente nel deserto)は、現在、ワシントンナショナル・ギャラリー) にある、ジョヴァンニ・ベッリーニが1505年ごろに制作した油彩画である。左手前の岩にある署名はほとんど消えかかっているが、修復中に本物であることが確認されており、「[Johannes Bellinu] s.1505」として判読できる。この制作年は問題を提起する。というのは、作品の一般的な様式は1490年以前の絵画の流行と関連している一方、ベッリーニの人物と風景の様式は1500年までにジョルジョーネの影響を受け始めて、背景はより融合され、雰囲気的に統一されているからである。本作の構図は、1480年ごろの『砂漠の聖ヒエロニムス』などベッリーニのより初期の作品と類似している。ワシントンの作品は共同制作になる作品なのかもしれない。すなわち、ベッリーニの工房で弟子が完成させた作品か、未完成のまま残されたものをベッリーニ自身がずっと後に完成させた作品であったのかもしれない[1]

聖ヒエロニムスは、砂漠で読書しているところが描かれている。聖人は隠者として、そしてウルガタ聖書の制作者として言及される。トカゲ、リス、野ウサギが岩の間に現れ、遠景には廃墟のローマの橋と一連のアーチ、そして城壁に囲まれた町がある。中央の背景には、海上の島か半島にある別の都市が描かれている。イチジクの木、裸の木、砕けた岩はすべて神学的な象徴となっている。遺跡の左上部分と、背景のより硬い描写の部分は、おそらくベッリーニの工房によって再作された。

脚注

  1. ^ Mariolina Olivari, Giovanni Bellini, in AA.VV., Pittori del Rinascimento, Scala, Firenze 2007. ISBN 88-8117-099-X



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