石肥三年
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/05/05 03:12 UTC 版)
狐たちの間では、みんなが痛い目に遭っている彦一に一杯食わせようと企む奴は少なくない。ある狐は、夜のうちに彦一の家の畑に大量の石を投げ入れ、近くに隠れて様子をうかがっていた。翌朝になって畑にやって来た彦一は驚いたが、これが狐の仕業だと気付くと、わざと嬉しそうな顔をして、「こりゃ助かった。石の肥料は三年はもつ。これが馬の糞だったら大変な所じゃった」と、狐に聞こえるような大声で嘘をついた。これを真に受けた狐はその夜に石を全部取り除き、代わりに馬の糞をどっさり投げ入れた(馬の糞は良い肥料になる)。翌朝、彦一は「困った困った」と言いながらご機嫌な顔で畑を耕し、狐はこれで彦一を困らせてやったと満足して帰って行くのだった。
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