津沢マサ子とは? わかりやすく解説

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津沢マサ子

津沢マサ子の俳句

いちまいの小皿の上の秋のかぜ
かえるばを天に敷きつめわが恋は
きみと会う九月丸太ン棒をわたり
くらくらと髪結う愛の日を前に
どこまでが帯どこからがおぼろの夜
わが友よ粉をかぶりて夜もすがら
ロシヤより古き五月に愛をこめ
人の名のうねりやまざる夏旬日
人恋いて飯炊くときや合歓の花
切株に触れば子孫野に満てり
土手に杭打込み気球あげている
夏の日のかなしみを嗔め食うにわとり
夏の野に手足はげしく流されぬ
夏大根のひそかにわれをまつ日かな
大空にいとしと芋を煮ころがす
子の頭不安にならぶ夏の空
子の頭撫でて草木を愛しおり
尾を曳きて真白き船と日は去りぬ
岩山の岩を無念の日が過ぎる
息絶えし夏空を載せ俎板は
故里に声なき昼やもつれあい
日向水かの渤海をさまよわん
暑き日の電柱と愛ほそりゆく
板の間にゆうべはありし桃一個
板の間に桃食ういわれ都晴れ
枯れはてて彼方の蒼き昼の花
柔かき毛布に柱哭く日あり
桐咲くや輓馬の想い上空に
森閑と枯れて虚空に風を飼う
歳月はいずこへ消えし夕焼け野
気がついたときは荒野の蠅だった
水中に棒立つはながきながき朝
汝が空へ下駄向かいいて夏近し
泣きながら責めたる母の荒野かな
渋紙をのばして祖母の日は佳けれ
灰色の象のかたちを見にゆかん
父ゆきし二月は山の容ちせり
犬つれてきたり明日は桜の木
瓜二つ抱え都をゆく日あり
異郷の蟹と真昼はげしく煮られたり
白鳥に半日溺れ母を見ず
盗賊かもめを愛してきのう絶壁に
空色は褪めつつ母と洗う罎
葉桜のかげに古びし季節くる
蒼惶と沼を去る日や抱かれて
血を流しゆけば幼き晩夏の海
街角をけものの曲る春の暮
裳裾よりひろがり消えし夏ありき
過ぎる夏戻れば白き飯茶碗
金粉を散らしてわれに墓はなし
 

津沢マサ子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/09/11 04:52 UTC 版)

津沢 マサ子(つざわ まさこ、1927年 - )は、俳人宮崎県椎葉村に生まれる。1943年熊本県立甲佐高等女学校卒業。後藤是山の「東火」、古川克己の「四季」、大野我羊の「東虹」、西東三鬼の「断崖」に俳句を学び、1967年「俳句評論」に入門、高柳重信に師事。1977年、「俳句評論」の第5回五十句競作にて「不毛の夏」で佳作第二席。同年第24回現代俳句協会賞受賞。ほかに第4回俳句評論賞、第6回鬣TATEGAMI俳句賞などを受賞している。1981年まで「俳句評論」同人、その後は無所属。句集に『楕円の昼』『空の季節』『風のトルソー』『Oへの伝言』『津沢マサ子俳句集成』がある。現代俳句協会会員、日本現代詩歌文学館会員。子息に『ウルトラマン』にホシノ少年役で出演していた津沢彰秀がいる。




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