暗黒の5月事件とは? わかりやすく解説

暗黒の5月事件

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/06 13:31 UTC 版)

暗黒の5月事件(あんこくの5がつじけん、タイ語: พฤษภาทมิฬ)は、1992年タイ王国で発生した事件である。

概要

1991年タイ王国陸軍タイ軍事クーデタータイ語版を起こし、スチンダー・クラープラユーンを実質的な指導者とする国家平和維持評議会が権力を掌握した。

評議会は外交官であるアナン・パンヤーラチュンを首相に任命した。翌1992年におこなわれた総選挙の結果、下院はスチンダーを首相に指名した。

スチンダーは首相に就任したが、民主化を望んでいた国民は反発し、バンコクを中心に抗議デモを行った。

軍部はデモ隊を銃の発砲で鎮圧し、300名以上の死者が出た。国王ラーマ9世は武力衝突を憂慮し、スチンダーと民主化運動の指導者チャムロン・シームアンを王宮に呼び事態の沈静化を指示した[1]

これを受けてスチンダーは首相を辞任し、アナンが首相に復帰し文民政権の樹立につながった。

関連項目

脚注

  1. ^ “タイの政治混乱—その歴史的位置—”. アジア経済研究所地域研究センター 重冨 真一. (2010年5月1日). https://www.ide.go.jp/Japanese/IDEsquare/Eyes/2010/RCT201002_001.html 2017年3月15日閲覧。 

暗黒の5月事件

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/01 03:55 UTC 版)

タイの歴史」の記事における「暗黒の5月事件」の解説

アナン政権によりクーデター後経済順調に推移したが、1992年4月7日首相に就任しないと明言していたスチンダー・クラープラユーン在任1992年4-5月)が首相に就き新政権成立したことに国民反発し4月下旬には辞任要求する大規模運動発展したその後5月17日抗議デモにおいて40万人余りにのぼる群集対し、ラーチャダムヌーン通り衝突した軍・警察が、5月18日から19日にかけて発砲し3日間で死者53人・負傷者759人におよぶ暗黒の5月事件(5月流血事件)が発生した。これによりスチンダーは首相辞任してアナン暫定政権首相に復帰し文民政権樹立つながった1992年9月総選挙において、旧野党民主党躍進しチュワン・リークパイ在任1992-1995年〈後1997-2001年〉)内閣となるとチュワン王制堅持する民主主義唱えた1995年7月国民党バンハーン・シラパアーチャー在任1995-1996年)が首相に就いた後、1996年11月には新希望党チャワリット・ヨンチャイユット在任1996-1997年)が首相となり、1997年7月からの通貨危機のなか、同年9月新憲法可決され10月公布された後、経済危機により11月辞職したチャワリットに代わり民主党チュワンが再び就任した

※この「暗黒の5月事件」の解説は、「タイの歴史」の解説の一部です。
「暗黒の5月事件」を含む「タイの歴史」の記事については、「タイの歴史」の概要を参照ください。

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