ぶんめいろんのがいりゃく【文明論之概略】
文明論之概略
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『文明論之概略』(ぶんめいろんのがいりゃく)は、福澤諭吉の著書。初版は1875年(明治8年)8月20日に刊行され、全6巻10章より成る。
- ^ 福澤は『福澤全集緒言』において『文明論之概略』について以下のように説明をしている。 文明論之概略
従前 ()の著訳 ()は専 ()ら西洋新事物 ()の輸入 ()と共に我国旧弊習 ()の排斥 ()を目的 ()にして、云 ()わば文明一節 ()ずつの切売 ()に異 ()ならず。加之 ()、明治七、八年の頃に至りては世態 ()漸 ()く定 ()まりて人の思案 ()も漸 ()く熟 ()する時なれば、この時 ()に当り西洋文明 ()の概略 ()を記して世人 ()に示し、就中 ()儒教流 ()の故老 ()に訴えてその賛成 ()を得ることもあらんには最 ()妙 ()なりと思い、之を敵 ()にせずして今は却 ()て之を味方 ()にせんとの腹案 ()を以 ()て著 ()したるは文明論 ()の概略 ()六巻なり。読者 ()は何 ()れ五十歳以上、視力 ()も漸く衰 ()え且 ()つその少年時代 ()より粗大 ()なる版本 ()に慣 ()れたる眼 ()なればとて、文明論 ()の版本 ()は特 ()に文字 ()を大にして古本 ()の太平記 ()同様 ()の体裁 ()に印刷 ()せしめたり。本書の発行 ()も頗 ()る広 ()くして何万部 ()の大数 ()に達したりしが、果して著者 ()の思う通りに故老学者 ()の熟読通覧 ()を得たるや否 ()や知るべからざれども、発行後 ()意外 ()の老先生より手書 ()到来 ()して好評 ()を得たること多し。有名 ()なる故西郷 ()翁なども通読 ()したることゝ見え、少年子弟 ()にこの著書 ()は読むが宜 ()しと語りしことありと云 ()う。
- 1 文明論之概略とは
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