持分会社としての特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 01:15 UTC 版)
持分会社は、相互に人的信頼関係を有し、日常的に会合できる少人数の者が出資して共同で事業を営むことを予定した会社類型であり、以下の特徴を持つ。したがって、合名会社・合資会社・合同会社に共通する。 会社の内部関係(社員相互間および会社・社員間の法律関係)の規律は、原則として定款自治が認められ、その設計が自由である。株式会社の取締役・執行役のような機関は置かれず、原則として全社員が自ら会社の業務執行に当たる(590条第1項)。定款の定めによって業務を執行する社員を(さらにその中で会社を代表する社員を)限定することも可能である。 株式会社は、会社の最高意思決定機関(株主総会)の構成員の地位(株主)と、会社の業務を執行し会社を代表する機関(取締役・代表取締役等)は分離しているが、両者が原則的に分離していない所有と経営が一致している人的会社が、持分会社(合名会社・合資会社・合同会社)の社員である。 原則として定款の作成・変更には全社員の一致を要する(575条、637条)。つまり、社員一人一人がこれらの事項について拒否権を有していることになる(株式会社の場合、非公開会社でも株主総会の特別決議で定款を変更できる)。 社員の持分の譲渡、新たな社員の加入も他の社員全部の同意を必要とする(585条、604条 第2項)(株式の譲渡は非公開会社では自由、譲渡制限付き株式であっても取締役会の決議で足りる)。 利益分配、議決権分配も、出資割合とは切り離して自由に認められる(非公開会社たる株式会社では機関設計は自由だが、株主平等原則がある。旧有限会社とも異なる)。
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