後弓
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/20 18:07 UTC 版)
後弓は環椎の全周のほぼ5分の2を占めており、外側塊に始まり後結節に終わる。後結節は棘突起の痕跡で、小後頭直筋および項靱帯が付着する。棘突起と異なり後結節が小さいために、環椎と頭蓋骨の間での動きは制限されない。 後弓の後面は上縁と後縁が丸みを帯びていて後環椎後頭膜が付着する。一方後弓の前のほう(外側塊の上関節突起のすぐ後ろ)には上縁に溝がある(椎骨動脈溝)。この溝は時に、上関節突起の後端から伸びた細い骨棘のアーチができて孔になっていることがあり、これを椎骨動脈管という。 椎骨動脈溝は他の椎骨の上椎切痕にあたり、横突孔内を上行してきた椎骨動脈は外側塊を取り巻くように屈曲し、後内側に向かってこの溝を通り、脊柱管内にはいる。後頭下神経(第一脊髄神経)もここを通る。よくある解剖学的変異として、前述の椎骨動脈管がある場合、ここを椎骨動脈が通る。 後弓の下面、関節面のすぐ後方には二条の浅い溝があり、下椎切痕という。また下縁には後環軸靱帯が付着して、軸椎と結合する。
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