布部山の戦い
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布部山の戦い（ふべやまのたたかい）は、永禄13年2月14日（1570年3月20日）に尼子家再興を目指す尼子再興軍とそれを阻止しようとする毛利軍との間に起こった野戦である。戦いのあった場所が布部の中山（現在の島根県安来市広瀬町布部）であったことから布部山の戦いと呼ばれる。軍記資料には「尼子・毛利の国の戦いも今日が最後」と記される[1][2]激戦であった。
注釈
- ^ 『二宮佐渡覚書』では星上山でなく京羅木山[8]。
- ^ 『雲陽軍実記』では4月18日。4月17日は凶日なので1日伸ばした[9]。
- ^ 義久らが円明寺に到着したのは永禄9年12月14日。
- ^ 『太閤記』では泉州の堺[18]。
- ^ 『雲陽軍実記』や『陰徳太平記』によれば、但馬国から海賊・奈佐日本之介の手を借りて隠岐国へ渡り、隠岐の国人・隠岐為清の協力を得て島根半島に上陸したとする[24][20]。
- ^ 諸説あり。『陰徳太平記』は13,000[2]。『雲陽軍実記』は35,000[1]。『後太平記』では89,000[40]。
- ^ 『森脇覚書』によれば都賀（現在の島根県邑智郡美郷町都賀）[48]。
- ^ この書状により元春が石州の衆（佐波氏、周布氏、益田氏）に招集を依頼していることがうかがえる。
- ^ 『森脇覚書』によれば元春は先陣として先に赤名へ着陣[48]。
- ^ 『森脇覚書』によれば毛利軍は三沢の鎌倉山に陣を敷く[48]。
- ^ この戦いにより多久和大和守ほか数百人が討ち取られた。また、この戦いの影響により、河副久盛が領有する懸合（現在の島根県雲南市掛合町）の氷之上城、禅定寺城が、さらに中郡においても阿用要害、福富要害が陥落した[53]。
- ^ ２月7日時点で三沢・横田に在陣する毛利軍の予定では、明日（2月8日）に布部の地を越える予定であった[53]。
- ^ 尼子再興軍は兵を多勢に見せるため、布部山の尾峰に多数の空き陣屋を設置していた[53]。
- ^ 『吉川家祖先勲功覚書上』、『桂岌圓覚書』によれば3手に分かれる。『吉川家祖先勲功覚書上』では、東口（中山口）には輝元譜代の衆、西口（水谷口）に吉川衆、さらにその西に小早川衆[57]。『桂岌圓覚書』では、東口（中山口）には輝元譜代の衆、西口（水谷口）に宍戸衆、さらにその西に吉川衆[19]。
- ^ 『吉川家祖先勲功覚書上』によれば八ツ時（午後1時ごろ）に戦いは終了[57]。
- ^ 『雲陽軍実記』『陰徳太平記』では約7,500[1][63]
- ^ 『雲陽軍実記』『陰徳太平記』によれば、毛利軍は2月24日（3月30日）に乃木（島根県松江市の大橋川の南岸）の辺りに設陣[1][63]。
- ^ 中海における海運の重要拠点である十神山城や末吉城など、出雲・伯耆の国境にある城を次々と奪還するとともに[65]、一時、清水山要害を攻略して再び月山富田城へ迫る[66]など再びその勢力を島根半島全域にまで拡大した。
出典
- ^ a b c d e f g h i j k l 『雲陽軍実記』第五巻「毛利方大勢攻め上り多久和城明け渡し 並びに布部大合戦の事」。
- ^ a b c d e f g h i j k 『陰徳太平記』巻第四十六「雲州布部山合戦之事」。
- ^ （永禄5年）7月29日 心東堂 宛て 三吉隆亮書状写『閲覧録遺漏4-1』『浄泉寺文書』。
- ^ （永禄5年12月） 兼重五郎兵衛 宛て 毛利元就書状写『閥閲録52』ほか。
- ^ （永禄6年）10月17日 棚守左近衛将監 御返報 吉川元春巻数并供米返事『切紙、厳島野坂文書』。
- ^ （永禄8年カ）正月28日 棚守左近衛将監 御宿所 毛利元就書状『切紙、厳島野坂文書』。
- ^ a b c 『森脇覚書』「雲州御弓矢最初之事」。
- ^ a b 『二宮佐渡覚書』「出雲富田の開城」。
- ^ 『雲陽軍実記』第三巻「富田惣攻め三所合戦 並びに毛利勢、荒隈帰陣の事」。
- ^ 永禄9年11月21日 毛利元就他3名連著血判状写『佐々木家旧蔵文書』『閲覧録29』。
- ^ 永禄9年11月28日 冷泉四郎 御返報 小早川隆景書状『冷泉家文書』『閥閲禄102』。
- ^ （永禄11年）6月2日 内藤越後守 宛て 毛利元就・同輝元連署書状『閥閲録125』ほか。
- ^ （永禄11年）8月23日 赤穴右京亮 御陣所 毛利元就・同輝元連署書状『閥閲録37』。
- ^ （永禄12年）4月16日 毛利輝元 御返事 毛利元就自筆書状『毛利家文書549』ほか。
- ^ （永禄12）5月1日 内藤新右衛門・同越後守 宛て 毛利輝元書状『閥閲録125』。
- ^ a b 『森脇覚書』「九州御陣之事」。
- ^ a b 尼子氏と戦国時代の鳥取 2010, p. 80.
- ^ 『太閤記』巻十九「鹿助尼子之貴族を求得し事」。
- ^ a b c d e f 『桂岌圓覚書』。
- ^ a b c 『陰徳太平記』巻第四十三「尼子勝久雲州入 付 松永霜台事」。
- ^ （永禄12年）4月28日 赤名右京亮 宛て 毛利輝元書状『閥閲録37』。
- ^ 元亀2年卯月5日 三沢左京亮 宛て 吉川元春起請文『三沢文書』。
- ^ 永禄12年9月15日 日御碕検校 宛て 尼子氏家臣連署奉書『日御碕神社文書』。
- ^ a b 『雲陽軍実記』第四巻「尼子勝久雲州へ攻め入り、並びに旧交馳け集まり敵城を攻め落とす事」。
- ^ 永禄12年9月15日 日御碕検校 宛て 尼子勝久寄進状『日御碕神社文書』。
- ^ （永禄12年）7月20日 湯原右京進 宛て 小早川隆景書状『閥閲録115ノ3』。
- ^ a b c d e f 『吉川家旧記五』。
- ^ （永禄12年）壬5月5日 南方宮内少輔 宛て 少輔十郎元秋書状『閥閲録47』ほか。
- ^ （永禄12年）6月7日 湯原平次 宛て 小早川隆景書状『閥閲録115-1』ほか。
- ^ 毛利元就卿伝 1984, p. 560.
- ^ 永禄12年7月28日 天野隆重・新藤就勝連署預ヶ状『折紙、竹矢家文書』。
- ^ a b （永禄12年）10月28日 立花勤番・各御中御陣所 宛て 吉弘左近太夫鑑理書状写『無尽集』。
- ^ （永禄12年）12月25日 山縣備後守 宛て 毛利輝元感状写『閥閲録遺漏2の4』。
- ^ （永禄12年）11月18日 天野隆重 宛て 小早川隆景書状『稲田文書』ほか。
- ^ 元亀4年10月2日 井上又右衛門 宛て 小早川隆景感状写『閥閲録11ノ2』ほか。
- ^ （永禄12年）11月21日 秋月・毛利兵部少輔 宛て 田北鑑益書状『 無尽集』。
- ^ 永禄12年10月25日 舟越淡路守 宛て 毛利輝元書状『閥閲録159』。
- ^ 寛永12年1月11日 新屋山三郎 宛て 毛利秀就加冠状『閥閲録85』。
- ^ 永禄13年）1月5日 毛利輝元 宛て 吉川元春自筆書状『毛利家文書』。
- ^ a b c d 『後太平記』巻第四十「雲州多久和城明け退く事 並 月山城囲い解く事」。
- ^ a b 『長屋覚書』。
- ^ 毛利元就卿伝 1984, p. 593.
- ^ a b （永禄13年）2月廿日 毛利輝元 宛て 吉川元春自筆書状『毛利家文書791』。
- ^ 永禄12年9月27日 加儀太郎右衛門尉 宛て 天野隆重書状『閥閲録160』ほか。
- ^ （永禄13年）2月7日 国司元武 宛て 口羽道良書状『毛利家文書853』ほか。
- ^ 〔永禄13年（元亀2年ヵ）〕1月19日 吉川元春 宛て 毛利元就書状『閥閲録5』。
- ^ （永禄13年正月5日） 毛利輝元 宛て 吉川元春自筆書状『毛利家文書788』。
- ^ a b c d e f 『森脇覚書』「雲州御弓矢最終の事」。
- ^ （永禄13年正月5日） 吉川元春自筆書状『毛利家文書789』。
- ^ （永禄13年正月15日） 粟屋元種 宛て 小早川隆景書状『毛利家文書821』。
- ^ （永禄13年2月7日） 湯原平次 宛て 小早川隆景書状写『閥閲録115』。
- ^ （永禄13年2月4日） 棚守左近衛将監 宛て 毛利元就書状「切紙、厳島野坂文書」。
- ^ a b c （永禄13年2月7日） 湯原平次 宛て 小早川隆景書状写「閥閲録115」。
- ^ 出雲富田城史 1978, p. 218.
- ^ （永禄13年）2月7日 国司元武 宛て 口羽道良書状『毛利家文書853』。
- ^ （永禄13年）2月17日 武安木工允・児玉美濃守 宛て 毛利元就書状『折紙』。
- ^ a b c d 『吉川家祖先勲功覚書上』。
- ^ （永禄13年）2月15日 福原貞俊 宛て 赤名久清書状写『閥閲録50』。
- ^ 出雲富田城史 1978, p. 222.
- ^ 『御答書』。
- ^ 毛利元就卿伝 1984, p. 597.
- ^ 永禄13年3月16日 宇山善五郎 宛て 吉川元春外三名連署書状写『閥閲録88』ほか。
- ^ a b c 『陰徳太平記』巻第四十六「末次土井明退事」。
- ^ （元亀元年）9月5日 渡辺左衛門太夫ほか3名 宛て 毛利輝元・小早川隆景連署書状写『閥閲録55』。
- ^ （元亀元年）9月25日 湯原右京進 宛て 毛利輝元・毛利元就・小早川隆景連署書状写『閥閲録115』ほか。
- ^ （元亀元年）10月14日 国司雅楽允 宛て 毛利元就書状写『閥閲録55』。
- ^ （元亀元年）10月6日 児玉与八 宛て 毛利元就書状写『閥閲録100』。
- ^ （元亀2年）8月24日 野村信濃守 宛て 毛利輝元書状『野村家文書』。
- ^ （元亀3年）6月20日 牧兵庫助 宛て 志賀鑑信書状『切紙、石見牧家文書』。
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