塞栓物質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/01 08:58 UTC 版)
「超選択的気管支動脈塞栓術」の記事における「塞栓物質」の解説
PVA、NBCA、ゼラチンスポンジ、金属コイルなどがある。 2022年6月掲載のCIRSE (ヨーロッパ心臓血管インターベンショナル放射線学会) Standards of Practice on Bronchial Artery Embolisation (BAE) によると(Kettenbach et al.2022)、BAEに使用する塞栓物質は非球状PVA (polyvinyl alcohol) 粒子 (径355–500 μm) が推奨され、径300–900 μmの球状マイクロスフェア及びNBCAをPVAの代替物として使用を考慮して良いとしている。特にNBCAを使用したBAEによる喀血の制御率はPVAのそれを上回るとする報告がいくつかある。一方で300 μm 未満の粒子は気管支、食道、肺血管、大動脈の過剰な虚血や壊死のリスクが高まるとして使用してはならない。コイルは特定の状況において使用されるが (同文献のTable 6)、脊髄梗塞の予防目的に、また活動性の出血源となる仮性瘤や肺動脈ないし肺静脈への粗大なシャントを塞栓する目的に、喀血再発症例において未だ使用されることがある。気管支動脈から肺動脈ないし肺静脈への粗大なシャントのある症例に対しては (同文献のTable 1)、サイズの大きな tris-acryl microspheres (700–900 μm) やコイルが肺塞栓予防や心筋梗塞等の大循環系への塞栓物質逸脱による合併症予防に有用なことがある一方、意図するより近位で気管支動脈を塞栓してしまうことにより、結果として側副血行路発達から再喀血という転帰をたどる可能性もある。更にBAE治療後に喀血を再発する短期的及び長期的な危険因子としてコイルの単独使用によるBAEが挙げられている (同文献のTable 8)。ジェルフォームはその塞栓効果の持続性から単独での使用は推奨されない。またBAE治療後に喀血を再発する短期的及び長期的な危険因子としてコイルと並記されている (同文献のTable 8)。 Joachim Kettenbach et al. (2022), “CIRSE Standards of Practice on Bronchial Artery Embolisation”, [[Cardiovasc Intervent Radiol.]] 45 (6): 721-732, doi:10.1007/s00270-022-03127-w.
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