国際経済と政府
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 13:48 UTC 版)
MMT論者は国債の保有者が外国の主体か否かに関わらず、自国通貨建ての国債である限り、政府が財政破綻することはありえないと主張する。これは政府に自国通貨の発行権があるためである(ただし、国債保有者が国債を売って通貨売りを大規模に行うことで為替レートに影響を与える可能性はある)。 MMT論者が財政リスクにおいて主流派経済学の見解に同意する点は、国債が外貨建てである場合である。政府には外貨の発行権がないため、外貨建て債務が過大になった場合は債務返済の財源である外貨が不足して債務の持続性が損なわれる。もし外貨建ての国債が大きく増加して、債務の持続可能性に対する市場の信認が揺らいだり、自国通貨の為替レートが大きく下落すれば、国債の返済能力における信用リスクの拡大につながる。それがさらなる通貨安と国債金利の上昇を誘発し、国債の返済負担がスパイラル的に増加すると共に、輸入物価の高騰が原因の高インフレが発生し経済が破壊される。その場合、政府は輸入抑制や輸出拡大の戦略にシフトして国民経済における財やサービスの供給力の拡大を図ると共に、自国通貨の需要を高めるために金利を引き上げて為替レートの下落を防ぎ、外貨獲得能力を高める必要が生じる。それでも債務返済の財源である外資を十分に獲得できなければ、デフォルトに陥ることになる。
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