国際決済銀行とは? わかりやすく解説

こくさい‐けっさいぎんこう〔‐ケツサイギンカウ〕【国際決済銀行】


国際決済銀行(BIS:Bank for International Settlements)


国際決済銀行

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/23 15:54 UTC 版)

国際決済銀行(こくさいけっさいぎんこう、英語: Bank for International Settlements、略称: BIS)は、1930年に設立された、中央銀行相互の決済を行う組織である。中央銀行の中央銀行とも呼ばれる。通貨価値と金融システムの安定を目的として中央銀行の政策と国際協力を支援している。通常業務として各国中銀の外貨準備を運用する機関投資家でもある[1]。2017年4月に同行のグローバル金融システム委員会は「レポ市場の機能」という報告書を公表、各中銀の量的金融緩和政策が世界各国の市場から手堅い債券を買い占めたせいで、一般機関投資家のレポ市場が担保の供給を受けられず機能不全に陥っているという見解を示した。


注釈

  1. ^ 1935年2月、ペル・ヤコブソンの「中央銀行業務に関するメモ」による下の提言は今日の制度の礎となった。
    • 各国の民間銀行に対し、①当該国の中央銀行勘定に一定額の預金を義務づけること(準備預金制度)、②各国の中央銀行には外貨準備率の規制を課すこと[2]
  2. ^ 同年度以降の投資先分類は公開されていない。
  3. ^ BIS、その財産・資産と、BISに預託されるべき預金・他の資金は、平時有事問わず、徴収・挑発・差押・没収・金/通貨の輸出入禁止/制限およびこれらに類する措置の対象とならない。
  4. ^ ヴァルター・フンクen:Emil Puhlen:Hermann Schmitzが在職していた。これは、単にBISが外交チャンネルとして機能していただけという意見もある。
  5. ^ ナチス・ドイツが中欧などの占領地域で、現地の中央銀行の金準備やユダヤ系の人々の財産を没収し、不法な没収の事実をかくすために金塊に偽装していたもの
  6. ^ 金融機関が保有する各資産は信用リスクに応じて5段階に分類され、それぞれのリスク・ウエイトを0%、10%、20%、50%、100%に設定している。例として、国債は0%、抵当付の住宅ローンは50%、民間社債は100%。分類された資産額に各リスク・ウエイトを乗算し、合計するとリスク・アセット総額になる。[14]
  7. ^ バーゼル銀行監督委員会が導入した資本バッファーの一つで、2016年から段階導入。景気後退期に取崩しを可能とするよう、平時から銀行の社外流出(配当支払、自社株買い、賞与の支払)を控えて作っておくお金。[17][18]

出典

  1. ^ 宿輪純一 『アジア金融システムの経済学』 日本経済新聞社 2006年 175頁
  2. ^ 矢後和彦「国際決済銀行の過去と現在」『経済研究所年報』第26巻、成城大学、2013年4月、106頁、ISSN 0916-1023CRID 1050001202582127232 
  3. ^ BIS Historical Archives, Banking Department, Rapport sur les opérations de la Banque du ler au 31 mars 1932, annexe 20/D, p.3.
  4. ^ BIS Historical Archives, Banking Policy of the BIS, Gold Opérations, 1/19b, vol.1, Opérations sur or effectuées par la B.R.I., Novembre 1932.
  5. ^ BIS Historical Archives, file 2/7, vol.1, Extract from Minutes of the 119th Meeting of the Board of Directors held in Basle on 14th November 1949, "Dollar assets deposited by the Bank of Japan with the Bank for International Settlements".
  6. ^ FRBNY, Research memorandum, from M.A.Kritz to Mr.Knoke, "Federal Reserve Participation in the Bank of International Settlements", May12, 1950.
  7. ^ BIS第19年次報告pp.348-349.
  8. ^ BIS Historical Archives, 7. 18 (6), AUB 1, avoirs BRI aux E. U., correspondence, de Roger Auboin à Maurice Frère, le 27 octobre 1947.
  9. ^ BIS Historical Archives, 7. 18 (6), AUB1/5, Assets and Liabilities connected with the application of the Hague Agreement of 1930, 1st March 1947.
  10. ^ BIS Historical Archives, 7. 18 (6), AUB 1, avoirs BRI aux E. U., correspondence, Snyder to arthur H. Vandenberg, Chairman, Senate foreign Relations committee, February 2, 1948.
  11. ^ BIS International arrangements CPSS – Red Book – 2012 pp.519-534. pp.541-543.
  12. ^ バーゼル合意、バーゼルI、II、IIIとは何ですか? いわゆるBIS規制とは何ですか? : 日本銀行 Bank of Japan”. www.boj.or.jp. 2021年4月14日閲覧。
  13. ^ 代田純「日本における国債市場の流動性と日本型レポ市場」『証券経済研究』第97号、日本証券経済研究所、2017年3月、51頁、ISSN 13421476CRID 1524232504534321664 
  14. ^ 古河顕 『テキストブック 現代の金融』 東洋経済新報社 2014年 P 185
  15. ^ 大山剛「"第4章"」『バーゼルIIIの衝撃 : 日本金融生き残りの道』東洋経済新報社、2011年。ISBN 9784492654392NCID BB04984536https://iss.ndl.go.jp/books/R100000130-I000235895-00 
  16. ^ 藤田勉 野崎浩成 『バーゼルIIIは日本の金融機関をどう変えるか』 日本経済新聞出版社 2011年 P 99
  17. ^ 金融庁 バーゼル3(国際合意)の概要
  18. ^ 2010年8月金融庁/日本銀行バーゼル銀行監督委員会による規制改革案に関する最近の議論
  19. ^ a b 太田康夫 『バーゼル敗戦 銀行規制をめぐる闘い』 日本経済新聞出版社 2011年 P 160-161
  20. ^ 藤田勉 野崎浩成 『バーゼルIIIは日本の金融機関をどう変えるか』 日本経済新聞出版社 2011年 P 250


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国際決済銀行(BIS)

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ドルインデックス」の記事における「国際決済銀行(BIS)」の解説

国際決済銀行(BIS)のドルインデックスは、40通貨加重平均により、毎日計算される採用通貨及び比率見直し3年行われ最終更新年は2017年である。 対象通貨及び加重平均比率人民元(23.3%) ユーロ(17.0%) メキシコ・ペソ(13.3%) 日本円7.1%)など

※この「国際決済銀行(BIS)」の解説は、「ドルインデックス」の解説の一部です。
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