アメリカ合衆国上院
合衆国上院
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 15:27 UTC 版)
「:en:United_States_Vice_Presidents'_tie-breaking_votes」も参照 合衆国上院では副大統領が兼務すると定められている議長が議長決裁権を持つ。議員規則により上院議長たる副大統領は討論や通常の表決に加わる権利を持たず、また普段の議事進行役は仮議長代行が務めるが、表決結果が賛否同数の場合には議長たる副大統領が議長決裁を行う。仮議長や仮議長代行は議長決裁を行わない。 アメリカにおける議会は「多数派」と「少数派」の2会派で構成され、院内の役職のうち主導的な地位は「多数派」に割り当てられる。同国の二大政党である民主党と共和党の院内会派のうち議員数の多い側が「多数派」とされるが、議員数が両会派同数である際には、決裁票を投じる議長すなわち副大統領の属する政党の会派が「多数派」の地位を得る。上院は定数が比較的少なく(建国時26、現在100)、また二大政党制により伝統的に与野党の勢力が伯仲しているため、上院が与野党同数に割れることが度々ある。 例えば、2000年の上院改選の結果、両会派の議席が50対50となった。2001年1月3日から始まった第107議会(英語版)は民主党のアル・ゴア副大統領の残存任期中のため、民主党会派が「多数派」となる「民主党支配」であったが、1月20日から共和党の正副大統領の任期が始まったため「共和党支配」となった。共和党のディック・チェイニー副大統領は、可否同数で採決が割れた7件の議案に対して議長決裁権を行使している。ところが同年6月6日に共和党議員の1人が離党し、政党無所属のまま民主党側の会派に入った。これにより民主党側会派が過半数の51議席に達して「多数派」に復し、上院は再び「民主党支配」となった。 なお、所属政党の枠を超えた交差投票(クロスボーティング)がなされることが一般的であるため、両会派の議員数が同数の場合でも議長決裁に至ることは少ない。逆に、両会派の議員数が異なる場合でも本会議採決の結果が可否同数となって上院議長が議長決裁権を行使することもある。 1789年以来、2021年12月8日までに、283件の議長決裁が行われている。
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