互酬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/18 02:13 UTC 版)
互酬(ごしゅう、英: reciprocity レシプロシティ)は、「ある人がある相手を助ければ、助けられた相手も必ずこれに応えて、お返しとして助けてくれるだろう」という期待によって成立する相互作用[1]。あるいは、何らかの贈り物を贈られた場合に、一種の社会規範により[注釈 1]、何らかの形で "お返しの贈り物" (日本語で言う「返礼(品)」[注釈 2])を贈ること。主に文化人類学、経済学、社会学などにおいて用いられる概念[注釈 3]で、互酬性(ごしゅうせい)とも言う。
注釈
- ^ 社会規範によって行っている、とするのは、ひとつのオーソドックスな学説。社会規範から、とするオーソドックスな説の他に、近年では、個人の"合理的判断"(もっと率直に分かりやすく言うと 損得勘定)からでも、互酬は成立しうる、と主張する論者もいる[1]。
- ^ 日本語ではなぜか慣習的に「返 "礼" 」や「返 "礼" 品」と言ってしまうが、文化人類学的なreciprocityという概念は、中国・東洋的な「礼」という概念とは、直接の関係は無く、観念体系がかなり異なっている。
- ^ 用いられる分野により、若干異なった定義や意味で使われることがある。
- ^ 互酬(性)は英語ではレシプロシティと言うが、まるでレシプロエンジンのピストンのピストン運動のように、モノやサービスが往復運動を2者の間で繰り返す[2]。
出典
- ^ 精選版 日本国語大辞典、互酬性
- ^ [3]
- ^ a b ポランニー 2005, p. 93.
- ^ サーリンズ 1984.
- ^ モース 2014, 第2章.
- ^ 熊野 2003.
- ^ Banaro<Oceania<World Culture Encyclopedia
- ^ マリノフスキ 2010, p. 203.
- ^ オストロム, ウォーカー編 2003.
- ^ Theoxarakis.pdf - ニコラス・テオカラキスの履歴書の研究概要
- ^ ポランニー 2005, p. 275.
- ^ 加藤 1995, p. 197.
- ^ 松本 2010.
- ^ イブン・バットゥータ 2001, 第3巻, 第6巻.
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