ライトモティーフの用法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 18:54 UTC 版)
「トリスタンとイゾルデ (楽劇)」の記事における「ライトモティーフの用法」の解説
『ニーベルングの指環』では数あるライトモティーフ(示導動機)を駆使しているワーグナーだが、『トリスタンとイゾルデ』においては、ライトモティーフの使われ方は限定的である。第1幕の「海(航海)の動機」、第2幕の「昼(光)の動機」、第3幕の「嘆きの調べ」や「カーレオールの動機」のように明確なものはあっても例外的である。 全曲の核となるのは、第1幕冒頭の「憧憬の動機A」(半音階的下行)および「憧憬の動機B」(半音階的上行)であり、この作品のあらゆる場面に遍在している。しかし、この二つのモチーフ自体が相反する性格を持ちつつ、しかも組み合わせて呈示されるために、命名=固定することによって、たちまち矛盾を来すことになる。このことは、「他と区別するために」用いられるべきライトモティーフが、本作では音楽的に関連していて「区別しにくい」状態にあることを示す。こうした「区別」と「関連」の関係は、後述する「移行の技法」とも重なっている
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