マレーヤ (戦艦)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/09 02:01 UTC 版)
マレーヤ (英語: HMS Malaya) は、イギリス海軍の戦艦[1]。クイーン・エリザベス級戦艦の5番艦[注釈 1]。 艦名は当時の英国領マレー連合州に因む[3][注釈 2]。日本語では[4]、マラヤと表記する場合もある[5][6][7][注釈 3]。連合州の政府は本艦の建造費を負担した。
注釈
- ^ 戰艦“ヴアリアント Valiant”[2] 全要目{排水量31,100噸 速力25節 備砲38糎砲8門 15糎砲12門 魚雷發射管2門(水中53糎) 起工1913年1月 竣工1916年2月 建造所フヱヤー・フヰルド造船所} 同型艦“クヰン・エリザベス Queen Elisabeth” “ウオースパイト watspite” 以上の同型艦に“バーハム Barham” “マラヤ Malaya”の2隻計5隻は英國海軍の先輩に位する戰艦である。そしれこれ等の級は概ね同國地中海艦隊の主力部隊としてモルタ軍港を根據地に活躍している。“ヴアリアント”はこの寫眞で右のものがそれで、“ヴアリアント”の艦尾に碇泊しているのは“クヰン・エリザベス”。なお、陸岸近くの浮船渠(ドライドツク)に入渠しているのは“ウオースパイト”である。蓋し艦隊根據地にこの如く巨艦を自由に入渠せしむる浮船渠を有することは、大きな強みと云はねばならぬ。全長194.78米、幅31.69米、平均吃水9.34米、速力25節の速力に於ける軸馬力75,000馬力。
- ^ イギリス帝国がマレー半島や周辺に保有していた海峡植民地のうち、マレー連合州は、それぞれマレーシアとシンガポールとして独立した。
- ^ 戰艦“マラヤ Malaya”[8] 全要目{排水量31,100噸 速力25節 備砲38糎砲8門 15糎砲12門 10糎高角砲4門 魚雷發射管2門(水中53糎) 起工1913年10月 竣工1916年2月 建造所エルスウイツク造船所} 1933年大改装を施し前檣、機關各部、装甲等に大なる進化振りを示した。就中装甲帶線に「バルヂ」を取付け航空機防禦のため露天甲板層を強化し且つ航續力の増加はその著しいものである。この艦の全長194.78米、幅31.69米、平均吃水9.34米、備砲として上記の外に3ポンド砲4門その他小砲計17門を有し、カタパルト1基を装備している。これ等戰艦の優れたる特異性はおの速力に於て25節を云ふ高速を出し得ることで、38糎砲を8門搭載してこの速力を誇り得ることは正に快速戰艦と稱するに足るものである。多く地中海艦隊に属し所謂地中海の王者を以て任じている堅艦である。
- ^ 主力艦隊の對抗演習[13] 戰艦“ヴアリアント”(31,100噸)の38糎巨砲(後部3、4番砲塔)の間から見た同じく戰艦“マラヤ”(31,100噸) “バーハム”(31,100噸) “クヰンエリザベス”(31,100噸) “ロドニー”(33,900噸) “ネルソン”(33,500噸)、の堂々たる航進振りである。流石は傳統を誇る英海軍だけに主力艦隊の航進振りを見ただけでも何となく品位と眞摯さとが備わっているかに窺はれるではないか。
主力艦隊がかくして航進する時の各艦の間隔距離は通例艦の長さの約3倍にあたる600米乃至500米である。故に艦型が巡洋艦、驅逐艦と云ふ風に小さくなるにしたがつて距離を縮める。 なお、英國海軍では本國にあるを本國艦隊(戰艦7隻、巡洋艦5隻、航母1隻その他)と稱しこれは地中海艦隊と共に英國海軍の海上勢力の根幹をなしており、その他地中海に地中海艦隊(戰艦5隻その他)がモルタを根據地として在り、東洋方面に支那艦隊(巡洋艦5隻その他)が香港を根據地として在り、濠洲海軍(巡洋艦4隻その他) 東西印度艦隊、アフリカ艦隊等に分たれて各々訓練に没頭している。 - ^ a b 戰艦“マラヤ Malaya”[15] 全要目{排水量31,100噸 速力25節 備砲38糎砲8門 15糎砲12門 10糎高角砲4門 魚雷發射管2門(水中53糎) 起工1913年10月 竣工1916年2月 建造所エルスウイツク造船所} 1933年大改装を施し前檣、機關各部、装甲等に大なる進化を示した。就中バルヂを取付け航空機防禦のため露天甲板層を強化し、且つ航續力は著しく増加した。この艦は全長194.78米、幅31.69米、平均吃水9.34米。/38糎砲を8門搭載して優れたるその高速力25節を誇り得ることは正に快速戰艦と稱するに足るものである。地中海の王者を以て任ずること久しかつたが、伊國航空隊全盛のため、過般の伊エ戰爭でその價値如何をとはれたが、なほ海上威力は動かない。
- ^ 姉妹艦2隻(クイーンエリザベス、ヴァリアント)の大改造工事は未了であった[18]。10月14日に戦艦ロイヤル・オーク (HMS Royal Oak, 08) がU47に撃沈されたので、10月27日にウォースパイトは本国艦隊に呼び戻された[19]。
- ^ 通称「ポケット戦艦」[20]。ただし実態は「11インチ砲6門(3連装砲塔×2)を装備した1万トン級の重巡洋艦」ともいうべき軍艦である[21]。
- ^ 3月8日早朝、U-124とU-105がSL-67船団を襲撃し、輸送船5隻(計28,488トン)を撃沈した[44]。
- ^ 11月25日には、地中海艦隊の戦艦バーラム (HMS Barham) がU-331に撃沈された(地中海におけるUボート作戦)[46]。姉妹艦2隻(クイーン・エリザベス、ヴァリアント)も12月18日のアレクサンドリア港攻撃で大破着底した[47]。
- ^ 強いて言えば、SL-67船団護衛中に遭遇したシャルンホルスト級戦艦2隻を、無言のうちに退散させた。
脚注
- ^ ジョーダン、戦艦 1988, pp. 50a-55イギリス クイーン・エリザベス級
- ^ ポケット海軍年鑑 1935, p. 79(原本140-141頁)戰艦ヴアリアント
- ^ a b 英国軍艦勇者列伝(2) 2020, p. 212.
- ^ ウォースパイト 1998, p. 29.
- ^ ジョーダン、戦艦 1988, p. 50b(マラヤ写真解説)
- ^ 壮烈!ドイツ艦隊 1985, p. 92.
- ^ ヒトラーの戦艦 2002, pp. 186–189船団襲撃
- ^ a b ポケット海軍年鑑 1935, p. 80(原本142-143頁)戰艦マラヤ
- ^ ウォースパイト 1998, p. 34.
- ^ ウォースパイト 1998, p. 56.
- ^ a b c 英国軍艦勇者列伝(2) 2020, p. 213.
- ^ ウォースパイト 1998, p. 70.
- ^ ポケット海軍年鑑 1935, p. 102(原本186-187頁)主力艦隊の對抗演習
- ^ 英国軍艦勇者列伝(2) 2020, p. 214.
- ^ ポケット海軍年鑑 1937, p. 74(原本130-131頁)戰艦マラヤ
- ^ ジョーダン、戦艦 1988, p. 51.
- ^ a b c 英国軍艦勇者列伝(2) 2020, p. 215.
- ^ ジョーダン、戦艦 1988, p. 53.
- ^ ウォースパイト 1998, p. 139.
- ^ 酒井、ラプラタ沖海戦 1985, pp. 33–40(2)ポケット戦艦
- ^ 酒井、ラプラタ沖海戦 1985, pp. 130–132装甲艦の戦術的価値
- ^ 酒井、ラプラタ沖海戦 1985, pp. 41–48(3)アドミラル・グラーフ・シュペー出撃
- ^ 酒井、ラプラタ沖海戦 1985, p. 65第6図 シュペーの航跡図
- ^ 壮烈!ドイツ艦隊 1985, pp. 44–48ポケット戦艦で通商破壊作戦
- ^ 酒井、ラプラタ沖海戦 1985, p. 75第5表 1939年10月5日現在の掃討部隊編成
- ^ 酒井、ラプラタ沖海戦 1985, pp. 78–80.
- ^ 酒井、ラプラタ沖海戦 1985, p. 79第6表 1939年11月23日における掃討部隊配備
- ^ 壮烈!ドイツ艦隊 1985, pp. 56–58「シュペー」と艦長の劇的な最期
- ^ 潜水艦戦争 1973, p. 127b.
- ^ a b ウォースパイト 1998, p. 159.
- ^ ウォースパイト 1998, p. 160.
- ^ ウォースパイト 1998, p. 162.
- ^ ウォースパイト 1998, pp. 164–167カラブリア沖海戦 ― 戦闘
- ^ ウォースパイト 1998, p. 166.
- ^ ウォースパイト 1998, pp. 170a-172第一次バルディア砲撃
- ^ ウォースパイト 1998, pp. 170b-172.
- ^ ウォースパイト 1998, pp. 172a-173カニンガムの池
- ^ ウォースパイト 1998, p. 173.
- ^ 英国軍艦勇者列伝(2) 2020, p. 216.
- ^ ヒトラーの戦艦 2002, pp. 180–183"ベルリン作戦"はじまる
- ^ a b ヒトラーの戦艦 2002, p. 187.
- ^ 壮烈!ドイツ艦隊 1985, p. 89.
- ^ 世界の艦船増刊第67集
- ^ a b c ヒトラーの戦艦 2002, p. 188.
- ^ a b c d e f 英国軍艦勇者列伝(2) 2020, p. 218.
- ^ 潜水艦戦争 1973, pp. 127a-130最初の戦闘 アーク・ロイヤル(1941年11月14日)とバーラム(1941年11月25日)の喪失
- ^ 潜水艦戦争 1973, pp. 130–136イタリアの人間魚雷の武勲 1941年12月18日
- ^ 英国軍艦勇者列伝(2) 2020, p. 210.
- ^ a b 英国軍艦勇者列伝(2) 2020, p. 219.
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