ハーストの上映妨害
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/22 14:00 UTC 版)
映画の主人公ケーンは、ハースト・コーポレーションの創業者であるアメリカの新聞王ウィリアム・ランドルフ・ハーストをモデルにしており、ウェルズらもそれを秘密にして撮影を進めていたが、これを知ったハーストが激怒し、RKOに圧力をかけて上映を妨害する工作を始めた。ハースト系新聞のコラムニストでハリウッドにも大きな影響力を持つルエラ・パーソンズは、試写を見て「きわめて不快な伝記映画」と酷評し、ハースト系新聞は作品だけでなく、ウェルズ本人に対しても「彼の舞台やドラマは共産主義的である」などと書きたてて批判した。ハーストはハリウッドのメジャー・スタジオにも圧力をかけ、ハーストを恐れたMGMのルイス・B・メイヤーらはRKOに全経費を補償する代わりに全てのネガとプリントを焼却するように薦めており、ハーストの報復を恐れて上映を拒否する映画館も続出した。
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