タクシーダンスホール
(タクシーダンサー から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/31 14:06 UTC 版)
タクシーダンスホールは、1920年代のアメリカで人気を集めた男性向けの風俗・娯楽店の一種。チケットを購入して入場し、ダンスホールに待機している女性(タクシーダンサー)に渡すと、1枚につき1曲、ダンスの相手をしてもらえるシステムだった[1]。「タクシー」は車のタクシー同様、賃貸し、料金制という意味で、料金さえ払えば、誰でも利用できることを表した[2]。1枚で2分ほどしか踊れないため、客は何枚ものチケットを購入しなくてはならなかった。ダンス中にダンサーと交渉し、閉店後同伴する客も多かった。1960年代にほとんどが廃れたが、現在も時間制で女性がダンスなどの相手をする風俗店は存在し、ホステス・クラブ、ジェントルマンズ・クラブなどと呼ばれている[3]。
- ^ a b c d 宝月誠「逸脱ビジネスの社会的世界:シカゴ学派のモノグラフ研究」(PDF)『立命館産業社会論集』第44巻第4号、立命館大学産業社会学会、2009年3月、1-19頁、CRID 1520572359418838016、ISSN 02882205。
- ^ The Taxi-Dance Hall: A Sociological Study in Commercialized Recreation and City Life University of Chicago Sociological Sociology, Paul Goalby Cressey p3(=2017年(桑原司ほか訳)『タクシー・ダンスホール』ハーベスト社、12頁)
- ^ a b Dance With A Stranger Falling in love at 40 cents a minute LA Weekly, Jan 20 1999[リンク切れ]
- ^ a b c d e 『社交ダンスと日本人』永井良和著
- ^ 中野正大「シカゴ・モノグラフの読解 : ポール・G・クレッシー『タクシー・ダンスホール』」『奈良大学紀要』第41号、奈良大学、2013年3月、185-212頁、CRID 1520853832538795776、ISSN 03892204。
- ^ "The Taxi-Dance Hall: A Sociological Study in Commercialized Recreation and City Life" Cressey, p12
- ^ The Taxi Dance Hall The Problem of Interracial Marriage in the Early 20th Century, April 29, 2013
- 1 タクシーダンスホールとは
- 2 タクシーダンスホールの概要
- 3 脚注
タクシーダンサー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/23 05:36 UTC 版)
「タクシーダンスホール」の記事における「タクシーダンサー」の解説
同研究によると、ダンサーの多くは、シカゴ生まれで欠損家庭に育ち、経済的に不安定である。家族とのトラブルを抱え、十分な職業訓練を受けていない。ウエイトレスを経て、あるいは友人の紹介でタクシーダンサーを知り、刺激と収入の多さに惹かれて、この世界に入った女性が多い。実際、工場や店舗で働く2~3倍の収入が得られた。 タクシーダンサーにはいくつかのタイプがあり、ダンスだけで客を魅了できるナイス・ガールを頂点に、セックス・ゲームを利用するスマート・ガール、客に愛情を寄せるような振りをしてカモにするネバーミス・ガール、セックスを最大限に利用するセクシャル・ダンス・ガールなどがあった。 同書は、タクシーダンサーのライフサイクルとして次のように紹介している。家族と不和になって家を飛び出した若い白人女性がこの世界に飛び込み、新人のうちは人気ダンサーとして白人客に指名されるが、飽きられるに従い、人気が落ち、ダンスだけでは生計が立てられなくなり、売春に頼るようになり、ドラッグやアルコール、妊娠などに悩まされるようになる。そして、フィリピン人や中国人といった白人以外の客を取るようになり、なかには彼らと結婚する者も出てくる。
※この「タクシーダンサー」の解説は、「タクシーダンスホール」の解説の一部です。
「タクシーダンサー」を含む「タクシーダンスホール」の記事については、「タクシーダンスホール」の概要を参照ください。
- タクシーダンサーのページへのリンク